2023.09.01
J-Stream Equipmedia
ウェビナー
近年、多く耳にするようになっている「ウェビナー」は、大企業から中小企業まで多くの企業が活用しているセミナーの手法です。Zoom以外にも様々なツールが用いられたり、ライブ配信(リアルタイム配信)以外にも様々な配信方法が活用されています。ウェビナーが定着してきた今だからこそ、あらためておさらいしておきましょう。この記事では、開催方法やメリットや注意点なども含め、ウェビナーについて解説するとともに、ツール選定のコツについてご紹介します。
お役立ち資料 【BtoBマーケティングで使える『ウェビナー実践ガイド』】
《 目次 》
「ウェビナー」は、ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)から成る造語です。インターネットの普及と動画配信の一般化によって生まれ定着しました。ちなみに、セミナーは「ゼミナール」が語源です。
ウェビナーという名称以外にも、開催する企業によっては「Webセミナー」や「オンラインセミナー」「インターネットセミナー」などと呼ぶ場合もあります。
会場に参加者を集めて行われる集合型セミナー(オフラインセミナー)をインターネットでリアルタイムに配信したり、あるいは後日配信する手法(アーカイブ配信)があります。また、オンラインのみで視聴できるタイプ(ライブ配信、オンデマンド配信、疑似ライブ配信)など様々な開催形式があります。
2020年以後の新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、社会全体で大きな働き方やコミュニケーションの変化が生まれました。テレワークを実施する企業が激増するなど、オンラインで実施する業務が増え、セミナーにおいても会場に人が行かなくても視聴できるウェビナーの需要・活用が増大しました。
2023年5月から新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類感染症となったことで、人が集まることへのハードルはより下がりました。しかし、ウェビナーは参加者の利便性が大きく、また開催側にもメリットがあるなど引き続き活用されています。
ウェビナーが活用されている主な用途としては、業務研修会や専門研修会、講演会、会社説明会や新製品の発表会など社内外・多岐にわたります。またウェビナーは、コンテンツマーケティングにおける見込み客の獲得や育成、ブランディングなどを目的としたコンテンツ展開にも役立つ手法です。
かつてセミナーといえば、会場に参加者を集めて行われるものでした。現在では集合型、会場型のセミナーをウェビナーと区別して「オフラインセミナー」と呼ぶこともあります。
ウェビナーとオフラインセミナーの違いは、まさに会場に集まるか否かの違いです。この違いはセミナーを受ける側だけでなく、主催者にも及びます。以下でそれぞれの特徴を踏まえて細かい違いを確認しましょう。
ウェビナー | オフラインセミナー | |
会場の手配 | 配信拠点があれば不要 | 必要 |
受講場所 | 任意 | 会場 |
参加者の集合 | 不要 | 必要 |
主催者の集合 | ケースによる | 必要 |
セミナーの規模 | 配信システムが対応すれば無制限 | 会場の収容人数による |
その他 | 配信システムと配信環境などが必要 | 会場受付や案内が必要 |
ウェビナーとWebミーティングの違いは、そのものズバリ、セミナーかミーティングかの違いです。まず、あくまでもセミナーであるウェビナーでは、参加者は視聴者・受講者の立場であり、講師などが参加者に対して講義や講演、説明を行います。また、必要に応じて質疑応答やアンケートの実施をします。
参加者は配信される動画を視聴し、質疑応答時に疑問を解消したり、アンケートがあれば回答したりできますが、講師と同じように発言や情報発信ができるわけではなく、カメラの被写体となるのは基本的に講師だけです。
一方、WebミーティングはWeb環境での会議や打ち合わせを指します。参加者は単なる視聴者や受講者ではなく、通常は全員が対等の立場で議題に対する自分の意見を述べたり報告を行ったり、ときには議論を戦わせたりするものです。したがって、Webミーティングでは1対1の面談から大人数のミーティングまで、参加者数に応じた双方向のコミュニケーションツールを使って行われます。
ウェビナーの配信方式として、
の3つを解説します。
講演などをリアルタイムで配信することを一般にライブ配信と呼びます。伝統的な呼び方をすれば「生放送」であり、インターネット生中継などと呼ばれることもある配信方式です。リアルタイムとはいうものの、厳密には伝送過程で数十秒のタイムラグが生じるケースもあります。とはいえわずかであり、今まさに講師などが喋っている、表現している様子を視聴可能です。
セミナーの参加者、受講者が好きな時間に視聴できる配信方式がオンデマンド配信です。録画したコンテンツをサーバーにアップロードしておき、視聴者の求めに応じて配信する方式です。あらかじめ動画を完成させておいてから配信するので時間が許す限り何度でも撮影をやり直すことができ、やり直しがきかないライブ配信の対極にある配信方式です。
ウェビナーはニュースなどと異なり、必ずしも速報性を重視して配信するわけではありません。作り込んだコンテンツを配信したい場合や、登壇者の日程都合など何らかの理由で事前にコンテンツを作っておきたい場合などにも役立つ方式です。また、撮り直しができる点により、登壇者のプレッシャーが少ないというメリットもあります。
また、ライブ配信に比べると配信が簡単で失敗が少ない方法といえます。
疑似ライブ配信とは、事前に収録・編集し完成させた動画コンテンツをライブ配信する方法です。「File to Live」や「Simulive」「録画配信」と呼ばれる場合もあります。
テレビの収録番組をイメージするとわかりやすいでしょう。放送時間は1時間なら1時間の枠で決まっており、番組内容はその枠に向けて事前に録画編集されたものです。それ以外の時間に視聴することができない点では、ライブ配信に似ています。しかし、事前に配信用の動画を用意したり、配信の失敗が少なかったりといった点では、オンデマンド配信に似ています。疑似ライブ配信は、ライブ配信とオンデマンド配信の両方の特長を持った動画配信の方法といえます。
ウェビナーの疑似ライブ配信では、同じ動画を複数回使うことも可能です。テレビ番組でいえば再放送のようなもので、1つの動画でより多くの視聴を獲得できるメリットがあります。
再放送の頻度は様々です。一カ月後など、一定期間を開けての再放送もあれば、午前・午後各1回ずつといったパターンもあります。
ウェビナーのメリットと注意点の多くはオフラインセミナーと比較したものです。前述したウェビナーとオフラインセミナーの違いは、そのままメリットと注意点になります。ここでは代表的なメリットと注意点を解説しましょう。
まずは開催コストの削減です。ウェビナーは、ライブ配信の場合でも、配信スタッフ1人と講師1人がいれば開催可能で、両方を兼ねられる人であれば1名でも実施できます。また、参加人数に合わせた会場も必要ありません。配信拠点は、自社の会議室やオフィスの一角を利用できます。適当な場所がない場合でも、配信に適したスタジオを借りることで対応できます。
一方、オフラインセミナーを開催する場合、募集人数に応じた会場の確保が必要です。自社の会議室やホールが使用できる場合はよいですが、外部の会場を使う場合は利用料金がかかります。収容人数が多くなれば、利用料金がアップするだけでなく、候補となる会場が限られるケースもあるでしょう。会場確保に当たる人的リソースもコストです。また、会場を確保した後はセミナーの内容に応じた設営や人員の配置が必要であり、ほかにも場所によっては宿泊費や交通費がかかります。
一方ウェビナーなら、オフラインセミナーに比べ参加者数に応じたコストを抑えることができ、また急な参加者数の増加にも簡単に対応できます。
ウェビナーなら会場へ足を運ぶ労力や時間、コストが不要です。また、人と顔を合わせる必要もなく、自由なスタイルでどこからでも参加できます。天候や交通機関の事情に左右されない点、PCやタブレット、スマートフォンなどマルチデバイスで視聴できる点も含め、参加へのハードルが下がることから申し込み数を高められるメリットは、オフラインセミナーにはないものです。
先述した3つの配信方法をうまく活用することで、多くのウェビナーを少人数で開催することが可能になります。当社が自社のマーケティング活動向けに行っているウェビナーでは、疑似ライブ配信を中心に活用し、他業務も兼任している少数チームで月に5件程度開催しています。
ウェビナーの注意点として最初に考えられるのが、視聴品質に差が出やすい問題です。優れたコンテンツを配信していても、参加者、視聴者にきちんと届いていなければ価値が下がってしまいます。
■調査対象・サンプル
20~59歳男女、会社員(経営者・役員を除く)。
・業務や情報収集・スキルアップに関連して、ライブ配信視聴をしたことがあると答えた方 … 441名
本調査では、ライブ配信の視聴経験者向けに『ライブ配信の配信トラブルの発生によって受けるマイナスの影響について、あなたの考えに近いものをお選びください。』という質問をおこない、対象別に影響度合いを回答してもらいました。
「かなり下がる」「やや下がる」を足した数値でみた場合、「登壇者や出演者への信用・評価」以外の項目で、50%以上が「マイナスの影響を受ける」と回答する結果となりました。
配信する機器やシステム、回線に問題がなくても、参加者、視聴者側の通信環境によって映像や音声が乱れたり途切れたりする事例は珍しくないといえるでしょう。使用している環境によっては、そもそも視聴できないケースもあります。講師も参加者も全員が同じ会場内にいるオフラインセミナーでは起こり得ないことです。
個別の視聴環境については、事前に環境をチェックできるページを案内するなどの方法で、不具合を低減できるでしょう。
配信側でもリスクはあります。万全の準備をしていても、パソコンなど機材やインターネット回線など配信に関わる部分で不具合が生じる可能性はゼロではありません。
配信の難易度やトラブル発生のリスクは、ライブ配信で最も起こりやすいといえます。疑似ライブ配信や、オンデマンド配信は、難易度が低くトラブル発生が低い方法です。配信に関わる人のスキルによっては、疑似ライブ配信やオンデマンド配信を利用することを検討したいところです。
配信現場に参加者がいるわけではないウェビナーの注意点として、受け手の反応を感じにくい点が挙げられます。オフラインセミナーであれば、直に熱量を感じとれることを考えれば、ウェビナーの弱点といえるかもしれません。
ただし、画面越しに見ている人の表情や所作などはわからなくても、ライブチャットや配信中のアンケートを活用することで代替可能です。
また、ウェビナー集客時に、参加者にアンケートを行い、参加目的を深く理解しておくことで、視聴者の求める内容で配信することが可能になります。
ここでは実際にウェビナーを開催しようとしたとき、どのような準備、手順で行うのかを例示します。
ウェビナーで配信する中身、つまりコンテンツの作成を行います。コンテンツ作りで重要な点は、ウェビナーのターゲット像を定義し、 参加目的は何かをしっかりと考えて、視聴満足度の高い内容に仕上げることです。
ライブ配信の場合、講演資料や台本は準備しておきます。
オンデマンド配信や疑似ライブ配信では、配信用に新しくコンテンツを作ります。
配信に使用するツール、機器の選定を行います。どういった配信方法を使うのか、ウェビナー前後も含め、どういった機能が必要なのか、個人情報をどのように取り扱うのか、などを明らかにしましょう。
下記は、ウェビナー実施(ライブ配信の場合)の流れの例です。
当社の動画配信プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」(イクイップメディア)とマーケティングツールを組み合わせて実施する場合です。
見込み客の獲得や育成などマーケティングを念頭に置いているウェビナーを開催するなら、各種ツールとの連携が可能な配信システムの構築が重要です。たとえば、MA(マーケティングオートメーション)やCRM(顧客関係管理)、SFA(営業支援システム)との連携です。また、質問や顧客の声を吸い上げるためのチャット機能も見逃せません。
そのうえで、円滑な進行ができる使い勝手のよいシステムになるように、ツールと機器を選ぶ必要があります。パソコンやカメラやマイクといった機器は価格にもよりますが、信頼性が高く評価のよいアイテムがおすすめです。
先ほどの図では、当社の動画配信プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」を例に紹介しました。ウェビナー開催のツールにはZoomを用いる場合もあります。それぞれ特徴がありますので、自社にどういったツールがあっているのかを検討のうえ導入するのがよいでしょう。
複数人での会話なら、Zoomが向いています。ライブ映像を多数の人に配信したり、アーカイブや別途収録や制作した動画の活用、一覧的に見せたい場合にはEquipmediaが便利です。併用されるお客様も多数いらっしゃいます。
ウェビナーの開催前や開催中、開催後などでアンケートを活用します。開催前にアンケートを実施する場合は、「どういった課題を抱えているか」「どんな内容を期待しているか」などを質問するとよいでしょう。講演内容のブラッシュアップに役立てることで、視聴満足度の向上が期待できます。
視聴中のアンケートは必ずしも必要というわけではありませんが、視聴者を飽きさせないための仕掛けとして活用したり、アンケート結果をその後の講演内容に絡めて展開したりすることができます。ただし、アンケートを用いる場合、配信中のオペレーションの負荷が上がります。
また、先ほど紹介した疑似ライブ配信やオンデマンド配信では、あらかじめ動画を完成させているため、講演中にアンケートを用いることはできません。
アンケートに似た機能としてはチャットがあります。テキストで質問を受け付けたり回答したりすることができます。ライブ配信はもちろん、疑似ライブ配信でも用いられます。
講演後のアンケートは、講演内容の満足度を測ったり、次回のウェビナーテーマのヒントを得たり、商品導入意向を測ったりといった、次回のアクションにつなげるために重要です。できるだけ回答率を高めるために、ウェビナーの冒頭と最後でアンケート回答を促したり、アンケート回答の特典として講演資料やアーカイブ配信などを用意したりすることで、回答意欲を高める工夫をしましょう。
本番に向けて告知・集客を行います。ウェビナー開催の告知は、個人情報取得済みの顧客に対する案内メールやメールマガジン、オウンドメディアや外部メディアへの掲載、広告出稿、SNSの利用など、状況に応じて行うとよいでしょう。
集客の案内 タイミングは、本番の2週間前ごろにされることがよくあります。また、1度目の案内で申し込まなかった方にだけ、直前に再度メール配信を行ったりします。オフラインセミナーと異なり、会場キャパの影響を受けなかったり、移動無しで参加できるため本番直前まで集客が可能です。
ライブ配信の場合、入念なリハーサルが必要です。システムや機器の操作に慣れていない場合では、使い方が簡単だとしても安心はできません。しっかりと本番同様のリハーサルを行うべきです。
ウェビナーの中身については、すでに何度か実施している内容か、近い内容であれば大まかな確認程度でよいかもしれません。しかし、初めて扱う内容であれば、余裕をもったスケジュールでリハーサルを実施しておきましょう。
いよいよ開催が近づいてくれば、メールなどによるリマインドを行います。とくに申し込みから当日までの期間が長い場合は、ウェビナーに申し込んだことを忘れてしまう人も少なくないかも知れません。参加者の取りこぼしがないように、前日や当日のリマインドは必須です。
ここまで準備が整えば、視聴URLを案内します。時間ギリギリの案内ではなく、当日の数時間前か前日などに案内しましょう。中には、案内メールが迷惑メールフォルダなどに振り分けられて届かないといった場合も考えられます。お申し込みされた方からの問い合わせ対応も行います。
本資料ではウェビナーを始める前に知っておきたいことに加え、自社スタッフで行うウェビナーのノウハウを実施の流れに沿ってまとめました。無料でダウンロードいただけますので、ぜひお役立てください。
ウェビナーの多くは、1度開催して終わりではなく、継続して開催することが多くあります。当社でもマーケティング用途のウェビナーや、特定サービスをご利用中のお客様向けなど様々なテーマで継続的にウェビナーを開催しています。多くの場合、運用負荷と参加数のバランスから「J-Stream Equipmedia」の疑似ライブ配信機能を用いて実施しています。
疑似ライブはすでにライブ配信を実施中の企業様はもちろん、これからライブ配信に取り組まれたい場合にもおすすめです。ライブ配信のリスク低減や少人数運用を目指されている方はぜひダウンロードして活用ください。
開催頻度や運営人数によって、どういった方針方法やシステムがあっているのかの正解は様々です。ぜひ自社に合ったスタイルを構築してください。
「J-Stream Equipmedia」(イクイップメディア)は、「ライブ配信」「オンデマンド配信」「疑似ライブ配信」3つの配信方法に対応しています。また、動画を配信するだけでなく、カット編集や字幕作成といったコンテンツ内製に必要な機能も搭載しています。直感的な操作で動画視聴分析などが行えるユーザーインターフェースを採用しており、社内リソースだけですぐにウェビナーを実施することが可能です。
30日間無料でお試しいただけます。ご興味のある方はお問い合わせください。
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