2020.07.13
J-Stream Equipmedia
ウェビナー
より多くのターゲットに効率的にリーチできる手法として「ウェビナー/Webセミナー」と呼ばれる、インターネット上のセミナー開催に注目が集まっています。今回は、これからウェビナー/Webセミナーの開催に取り組まれるBtoB企業のご担当者様に向けて、始める前に知っておきたいことを解説します。
ウェビナー/Webセミナーには、集合型セミナーをオンライン中継する場合もありますが、ここではウェビナー/Webセミナーのみの開催(集合型参加を実施しない)に絞って解説しています。
《 目次 》
インターネット上で行われる講演会・セミナーを指して、ウェビナー/Webセミナーと呼びます。これらはWeb(ウェブ) + セミナーの造語です。この他「Web講演会」「インターネットセミナー」「オンラインセミナー」「ライブセミナー」など呼び方は人によって様々ですが、見込み顧客の獲得からサービスご契約者向けまで、多岐に渡って活躍します。
本記事では、以降「ウェビナー」と表記し、見込み顧客の獲得と育成におけるウェビナーについて解説していきます。
まずは、集合型セミナーと比較した場合の、ウェビナーのメリットを「視聴者(参加者)」「主催者」に分けてみていきましょう。
ウェビナーにはこのようなメリットがあります。
では続いて、注意点について「視聴者(参加者)」「主催者」に分けてみていきましょう。
当社でも、月2回以上のペースで自社の販促用途でウェビナーを開催しており、集合型セミナー以上に大きな効果を感じています。また、少数の担当者で安定したウェビナー運営を行っています。
ウェビナーは、集合型に比べ多数の申し込みと視聴が得られることはお伝えしましたが、改めてウェビナーを実施すべき理由を解説します。
インターネットの普及・浸透を経て購買プロセスは変化しました。顧客自らインターネットで情報収集を行うという、顧客側への主導権シフトです。営業担当が訪問する前に選定や評価がほぼ終わっているという状況も発生するようになっています。
こういった変化に対応するためには、見込み顧客の検討ステージに合わせた適切な情報を用意し提供していく必要があります。
インターネットで情報が手軽に入手できるようになったため、今すぐ購入しないような顧客との接点も増えてきました。Forrester Research社の発表では、獲得した見込み顧客の75%は、直近では購買検討に至らないといわれています。一方で大変興味深い数字があります。欧米のマーケティングコンサルティングファームSirius Decision社の調査結果ですが、案件化しなかった見込み顧客をフォローしなかった場合、2年以内に80%が競合から製品やサービスを購入しているというのです。
これらから「見込み顧客はすぐには購買に至らない」が「すぐに購買に至らない顧客にも適切なフォローが必要」ということがわかります。
しかし、見込み顧客の獲得や育成が大切なことがわかっても「どのようなフォローや情報提供を行ったらいいのか?」と悩まれる場合も多いのではないでしょうか。
ウェビナーには「集合型に比べ多数の申し込みと視聴が得られる」という特徴があります。また、ウェビナーは一度開催することで、再放送やアーカイブ配信、セミナー内容のBlog化、ホワイトペーパー化、など複数のコンテンツ展開に役立ちます。
特に過去に「集合型でセミナーを開催したことがある」といった場合には、非常にチャレンジしやすい施策といえるでしょう。
ただし、大切なのは継続することです。見込み顧客育成には数年かかる場合もあります。定期的なセミナー開催や育成フェーズにあった内容の発信が必要になってきます。継続を前提にした場合、できるだけ低コストでウェビナーを実施していく必要があります。
下記は当社の例ですが、ウェビナー開催の全体像は以下となります。大きくは事前~本番~事後に分かれています。
上記以外に講演テーマやリハーサルなどの準備も必要になります。これらの準備は過去に実施したことのあるテーマであれば比較的準備時間が少なく済みますし、新たなテーマの場合は比較的長めに時間を確保しておいた方がよいでしょう。
顧客へのメール案内や申し込みフォームについては、ライブ配信ができるサービス自体に機能が備わっているようなものもあります。しかし、顧客情報(個人情報)を管理したり、関心のステータスに応じて適切な情報提供を行ったりといった運用を想定している場合は、CRMツールやSFA、MAツールなどマーケティングツールと、動画配信プラットフォーム(ライブ配信機能付き)の組み合わせが標準になってくると考えています。
集客開始から本番までは最低でも1週間以上は欲しいところです。当社の場合、より多くの方に視聴いただきたいと考えており、本番中も申し込みを受け付けることもあります。本番中や直前も申し込みを受け付ける場合は、マーケティングツールから自動で視聴URLが案内されるようにして本番運営の負担を軽減しています。
本番開催には当社会議室の一室を利用しています。防音機能などは備わっていない、一般的な会議室です。開催時には周囲に告知するとともに、張り紙で音を立てないよう掲示し、協力を得ながら本番を迎えています。
動画配信プラットフォームには、ライブ配信中にリアルタイムで同時接続数を確認できる機能が備わっていますが、より顧客フォローを最適化するために、MAツールと連携し個人単位の視聴履歴を取得しています。
ウェビナーの「効果」「運用体制」「費用」などを当社の販促セミナーの実例を元に紹介します。当社では現在月2回以上の頻度でウェビナーを実施しています。
※当社の見込み顧客・顧客に対して実施した販売促進目的でのプライベートセミナー(無料)が対象。2018年開催の集合型セミナーと2019年以降開催のウェビナーの比較。
開催・運営は自社スタッフのみで行っています。視聴者数に関わらず少数スタッフで実施しています。
具体的には、出演者に加え
といった対応人数です。
お一人おひとりの視聴者の顔が見えているつもりで出演者やチャット(視聴者からの質問対応)担当者は丁寧な対応を心がけています。
当社では、インターネット回線は適したものがすでに社内に導入済みだったため、必要機材数点を購入しました。
顧客情報の管理は、元々導入済みのSFAツールで行っています。集客案内や申し込みやアンケート、個人単位での視聴状況の把握、フォローなどはこちらも導入済みだったMAツールを使用しています。
動画配信プラットフォームのコストを加味しても集合型セミナーに比べ充分な効果を実感しており、継続してウェビナーを開催しています。
ウェビナーと聞くと、ライブ配信(いわゆる生放送)を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ウェビナーとして知っておきたい配信方法には3つあります。ライブ配信、オンデマンド配信、疑似ライブ配信です。
いわゆる生放送です。配信サーバーやインターネット回線を経由し、映像や音声をリアルタイムに視聴者に配信することを指します。「インターネット生放送」「インターネット生中継」と呼ばれることもあります。
あらかじめ制作した動画を配信サーバーにアップロードしておき、視聴者の好きなタイミングで見てもらえるように配信することを指します。動画制作時に、収録をやり直したり編集で伝わり方を工夫したりと、より配信内容の質を高めることができます。
あらかじめ制作しておいた動画を使ってライブ配信を行う方法です。 「動画ファイル」を使ったライブ配信なので「File to Live」と呼ぶ場合もあります。「ライブ配信」に比べ配信時の機材構成やオペレーションがシンプルになります。また、現場の対応人員数も少なくて済みます。
あらかじめ映像制作を行い疑似ライブ配信する場合はもちろん、過去実施したウェビナーのアーカイブを使って再放送を行うことも可能です。
疑似ライブ配信をご検討中の企業様に向けて、検討時に知っておくべきポイント5つと当社お客様の成功事例をまとめた資料を配布中です。ぜひダウンロードして活用ください。
当社で実施の自社向けライブ配信やお客様の実例からも、ライブ配信の方が視聴されやすいという傾向が出ています。いつでも見られるオンデマンド配信より、特定日時にしか見られないライブ配信・疑似ライブ配信の方が、より魅力を感じていただきやすいのかもしれません。
当社の場合、ライブ配信・疑似ライブ配信時にはリアルタイムで質問をしていただけるようチャットを設置しています。チャットでのリアルタイムの双方向コミュニケーションも、オンデマンド配信にはない魅力といえます。
当社で実際に開催したセミナーでは「疑似ライブ配信」でも「ライブ配信」と遜色のない視聴が期待できるという結果が出ています。
上のグラフは、左がライブ配信で、右側が同じテーマで翌月に開催した疑似ライブ配信の同時接続数のグラフです。全く同じテーマを短い期間で2度開催したため、集客人数は「1回目>2回目」となりましたが、申し込み者に対する視聴割合は遜色がありませんでした。
補足事項として、下記のような点があります。
ライブ配信 | 事前 | ・事前リハーサルが必要 |
本番 | ・出演者が緊張する (緊張感でよいスイッチが入る出演者も。回数を重ねると慣れる傾向に。) ・オペレーターのミスが発生する可能性あり ・回線状況が不安定になる可能性あり |
|
疑似ライブ配信 | 事前 | ・配信のための映像制作が必要 ※ライブ配信のアーカイブを利用する場合は不要 |
本番 | ・本番中の柔軟な変更ができない |
疑似ライブ配信はライブ配信に比べると、本番の負担が少なくて済むという特徴があります。これからウェビナーを実施される場合、まずは疑似ライブ配信で運用を始めるのもおすすめです。
配信タイプ別に見た場合、当社は出演者とは別で下記のような人数で対応しています。
ライブ配信 | 疑似ライブ配信 | |
---|---|---|
ディレクター | 1名 | ― |
機材オペレーター | ―/1名 | ― |
チャット対応 | 1名~ | 1名~ |
ディレクターはライブ配信の進行を仕切る役割です。出演者にライブ配信開始の合図を出したり、進行時間の管理や、出演者から回答すべき質問項目を共有したりします。
疑似ライブ配信はあらかじめ配信する内容が動画として完成しているため、ディレクターは不要となります。
機材オペレーターは、ライブ配信の方法によって変わってきます。
当社ではライブ配信の方法として
を提供しています。
iPhone/iPadと専用アプリを使ったとにかく手軽なライブ配信方法の場合、機材オペレーターは0人で実施可能です。安定性・拡張性のあるライブ配信方法の場合は、機材オペレーターが1名必要となります。
チャット対応のスタッフは視聴申し込み者数やテーマによって調整していくことになります。一概に「申し込み者○人に対して1名」とはいえません。それは、1回のウェビナーに対してどの程度の質問がくるかに加え、質問の難易度によって1問あたりにかかる時間が異なるためです。
当社では、配信中の回答を目指して可能な範囲で人員配置をしていますが、万が一時間内に回答しきれない場合は、本番終了後にメールなどで回答するようにしています。
当社では、ウェビナー本番後速やかに、お礼とアンケート回答促進のためのメールを視聴者に送付しています。
お礼メール以外のアンケート回答率を高める工夫としては
もあります。
お礼メール送付後は、まずはアンケート結果を踏まえたフォローを行っています。
当社の場合、アンケートに「関心や課題のヒアリング」「見積希望」「商談希望」「トライアル希望」「デモ希望」などの項目を設けています。アンケート回答者には、回答状況を踏まえメールや電話でのコミュニケーションを行いながら適宜フォローを行っています。
視聴者全体については「誰が、どこまで視聴したか」という視聴データをマーケティングツールに連携しています。これは、アンケート非回答者についても、顧客育成状況を見極め商談化するタイミングを逃さないためです。
「オンデマンド配信より、ライブ配信・疑似ライブ配信の方が視聴されやすい」と紹介しましたが、当社では下記のようなシーンでオンデマンド配信を活用しています。
このように、ライブ配信のアーカイブを資産と位置づけ、フォロー、見込み顧客育成、新規リード獲得、再放送、社内情報共有にトータルに活用しています。
ここまで紹介してきたように、ウェビナーはより多くのターゲットに効率的にリーチできる魅力的な施策です。ウェビナー実施に向けては、サービス選定(ツール選定)が必要になります。その時に明確にしておきたいのが「自社にどういった機能が必要か」「どういった観点で選ぶべきか」という点です。こういった点を事前に明確にしておくことで選定がスムーズになります。
詳しくは下記で解説していますので参考にしてください。
改めての整理ですが、見込み顧客の育成は
といった点が大切になります。
つまり、1回だけの開催ではなく「継続して実施」する必要があります。
ウェビナーを長期視点で継続して実施していくためには、実施を外部(プロ)に頼むのではなく、自社スタッフだけで対応できるツールを選び、運用体制を構築していく必要があります。
また、ライブ配信だけではなく、より実施負担の少ない疑似ライブ配信や、さらにはオンデマンド配信も活用する前提での選定をするのがよいでしょう。
以上、これからウェビナー開催に取り組まれるBtoB企業のご担当者様に向けて、始める前に知っておきたいことを解説しました。ぜひ、見込み顧客の育成に非常におすすめのウェビナーに取り組んでみてください。
ウェビナーを始める前に知っておきたいことに加え、自社スタッフで行うウェビナーのノウハウを実施の流れに沿ってまとめました。無料でダウンロードいただけますので、ぜひお役立てください。
当社では、動画活用にまつわるお役立ち情報の提供に加え、お客様自身の操作だけでいつでもライブ配信が可能な「J-Stream Equipmedia 」を提供しています。企業の動画活用に必要なあらゆる機能を装備しながら、5万円から始められる動画配信プラットフォームです。30日間無料でお試しいただけますのでご興味のある方はお問合せください。
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