2022.07.25
動画企画制作
動画内製化
動画活用のメリットに共感し動画制作を自社でも行いたいと思うものの、「何をどのように始めたらいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。動画制作はポイントやコツさえ掴めば、専門的な知識がなくても実施することができます。SNS向け広告動画や商品紹介動画、動画マニュアル、社内情報共有向けなど、動画を自社内で作ることができれば、マーケティングや顧客満足度、社内コミュニケーションなどの質がアップします。今回は「動画を作りたいが、難しそう」と思っている企業の担当者様向けに、動画の作り方の基本として必要なステップや機材、動画撮影のポイントなどを解説します。
《 目次 》
動画制作は通常、以下の7つのステップで行います。
動画制作の要となるのが目的です。動画制作にあたって、始めに目的を決めることによって、その後の制作がスムーズになり、内容も一貫した動画になります。目的によって、動画の作り方や内容も変わってくるため、最初に何のために・誰に向けて・何を伝えるのかなどをあらかじめはっきりさせておかなければなりません。
目的を決めたら、予算と納期(完成スケジュール)を決めます。社内で作る場合は、必要な機材や編集ソフトの費用や、制作にかかる工数について考えます。
動画をいつまでに作るのか、納期(完成スケジュール)を決める必要があります。慣れないうちは、余裕をもって進めたいところです。外注する場合、急な納期の変更に外注では対応できないこともあるかもしれません。自社で動画制作を行う場合は、納期の変更なども多少であれば融通が効くでしょう。
因みに、動画制作を外注する場合、動画の内容や制作本数により費用が変わります。まずは要件を明確にし、かかる金額や期間を問い合わせるのが良いでしょう。
動画制作を今回限りでなく継続して行う場合は、自社で制作できるように環境や動画制作ができる人など体制を揃えておくとコストを抑えられるでしょう。
視聴者の興味を引き視聴し続けてもらうために、どのような要素をどのような順番で伝えていくのかを大まかに考えます。起承転結を意識して考えるとスムーズな構成の動画が仕上がります。
ストーリーが決まったら、次にシナリオ・絵コンテを作ります。シナリオは脚本とも呼ばれますが、ストーリーに沿ってナレーションや台詞などを考える工程です。絵コンテは動画のイメージを具体化するためにコマ割りの絵で表したものです。人物が出て話す動画やドラマ仕立ての動画の場合は、台詞が書いてある脚本を作ります。
動画制作初心者は絵コンテや脚本を作らない場合が多いですが、動画のクオリティは絵コンテと脚本で決まると言われているくらい大切なものです。絵コンテは動画の展開が目で見てわかりやすいので、闇雲に動画制作をするのではなく、あらかじめイメージするものを絵コンテなどに表しておくと、自身が求める動画が作れるでしょう。
絵コンテや脚本に沿って動画を撮影し、必要な素材を集めます。動画に使用する素材は権利や許諾の確認も大切です。自身で撮影するものはもちろん、素材サイト等で入手した写真や動画などの素材を使う場合も、肖像権や著作権などを侵害していないかどうかに気を付けてください。商用利用できないフリー素材もあります。素材を入手したWebサイトの利用規約等をよく読み、ルールを把握してから使用してください。
動画を撮影し、素材が集められたら動画を編集します。動画編集ソフトやアプリ、ツールなどには様々なものがあり、選んだソフトによって、編集の仕方などが異なります。
動画の編集が終わり、最終チェックが終わったら、動画を書き出します。使用するデバイスやどこにアップするのかによって、ファイルの形式は変わってくるので、注意しなければなりません。
初心者の方でも制作する動画の質を上げることができます。動画の質を上げるためにできる準備を4つご紹介します。
作りたい動画のイメージに近いものを探しましょう。動画制作を行ったことがないのであれば、どのように作るのか、どのように編集するのか、動画の流れや終わり方がわからないという方も多いでしょう。作りたい動画のイメージに近い動画があれば、それを参考にすることで、動画制作を進めやすくなります。動画制作の目的や尺、カテゴリーが同じ動画からイメージする動画を見つけると、より具体的な完成イメージを持てます。
動画は動画制作会社などの制作実績や、実際に配信されているCMなどから見つけるといいでしょう。YouTubeから探すのもおすすめです。
ただし参考動画を探す際は、予算や制作担者のスキルと照らし合わせて大幅に差が出ないようにしなければ、「作りたい動画を作ることができない」「思った質に仕上がらない」などの問題に発展する可能性がありますので、そういった点も年頭に置きながら参考動画を選びましょう。
先ほど、「【ステップ1】 目的をはっきりさせる」で「何のために・誰に向けて・何を伝えるのかなどをあらかじめはっきりさせておかなければなりません」と述べましたが、その際、動画のターゲットをしっかり定義しておくと、動画の質を上げることに役立ちます。
動画のターゲットがどんな人物像なのか定義しておきます。ターゲット像は広すぎても狭すぎても望むような視聴を得られない可能性が高いです。性別・年齢、好み、職業、ライフスタイルなどを決めることで、どんな内容をどんな言葉や映像・演出で構成すべきかが明確になります。
ターゲットや目的に合わせて配信媒体や掲載先を決めます。配信する媒体によって動画の長さ、作り方、書き出しの方法などが異なります。また、ターゲットにより見る配信プラットフォームが異なるため、ターゲットに合わせて決める必要があります。
マーケティング用途の場合は、ターゲットに合わせて、YouTubeやInstagram、TikTokやTwitterなど、どの媒体を利用すればたくさんのユーザーに見てもらえるのかを考えて媒体を決める必要があります。
自社メディア内での動画掲載であれば、どのページのどの位置に掲載するのがいいのか、または動画を一か所に集めた「動画ポータル」を準備し、そこに動画を集めるのがいいのかといったことを決めておきます。
動画の長さを決めておくのも、動画の質を上げる準備の1つです。動画の長さは短い30秒以内や1分・3分といった短い動画と、5分以上のものなど様々です。
短い動画であれば情報量や内容は限られますが、最後まで見てもらいやすいでしょう。長い動画は情報量や内容は増やせますが、途中で視聴をやめてしまうなど、最後まで視聴する完全視聴率は下がりやすくなります。
動画の長さをどうしようかと悩んだときは、ターゲットが動画を視聴する状況や、視聴動機をしっかりイメージし、どのくらいの長さが見やすいのかを検討しましょう。
下記は社内向け用途の動画に限った調査ですが、尺を決める際の目安として参考になさってください。
ちょうどいい尺/長すぎる尺
社内向け動画コンテンツ企画のヒント より
「ちょうど良い尺」では3分で累積が過半数に達するため、3分を超えると「ちょうど良くない≒長い」と感じる人の方が多くなります。ただし、3分で「長すぎる尺」と感じている人は19%と少数です。「長すぎる尺」は10分で累積が過半数に到達するため、動画尺は3分以内がベスト、長くても10分未満が適切と考えられます。
ただし、オンデマンド配信の場合、プレイヤーで動画の再生速度を変更する「倍速再生」という視聴スタイルも普及しつつあります。倍速再生を使えば、通常速度より短い時間で動画を視聴できます。こうした機能の使用も視野に入れると良いでしょう。
動画の作り方のポイントは目的によって大きく変わってきます。ここからは目的別に企業で使用される動画の作り方のポイントを解説していきます。
商談などで営業のツールとして使用するための動画の作り方のポイントは、課題解決を意識した動画を作ることです。商品の魅力やメリットを伝えるのはもちろん大事ですが、機能やスペックだけを動画に組み込むと内容が偏ってしまいます。お客様が知りたいのは、どんな課題が解決できるのかという点です。営業をかける相手先の課題を予想し、動画を制作することで、より効果的な動画が制作でき、商談の効率化を図ることができます。
マーケティング用の動画の作り方のポイントは視聴者の最終的な行動目標の設定です。動画を見たあとに、視聴者に何をさせたいのか、最終目標を強く意識することが大切です。また、SNSの場合、見た人が面白い・勉強になると感じる動画は拡散されやすく、より多くの方に視聴してもらうことができます。
採用活動に使用する動画の作り方のポイントは、ターゲットを絞り込むことです。採用は自社に合う人材を多く集められるかが大切です。闇雲に求職者をたくさん集めたとしても、その中に採用したい・求める人材がいなければ意味はありません。自社に合う人材像をしっかり定義した後で、そのターゲットに刺さるアプローチは何なのかをはっきりさせてから動画を制作していく必要があります。ターゲット像が決まれば、動画の企画も自然に方向性が決まります。新卒採用であれば、事業の目的やビジョンなどを社長や組織トップなどが語ったり、新卒入社から数年目の活躍する社員のインタビュー動画を含めたりするといいでしょう。
動画制作にはどんな機材が必要なのでしょうか。ここからは必要な機材についてご紹介いたします。
まず、撮影時に必要な機材はカメラや三脚です。三脚は、手ぶれを防ぐためにも必須です。カメラは簡易的な撮影であれば、スマートフォンでの撮影でも十分です。画質や写りが良い動画を作りたいのであれば、ビデオカメラや一眼レフカメラなどの動画撮影機能を使えば、クオリティが高い動画を撮影することができます。
もう少し本格的な撮影を行いたいのであれば、マイクや照明といったものまで準備した方がいいでしょう。
撮影した動画を取り込み、編集するためにパソコンが必要です。スマートフォンでも可能ですが、パソコンの方が本格的な編集ソフトが扱え、大画面で編集がしやすい特徴があります。テキストを入れる・写真を組み合わせるなどの簡易的な編集でいいのであれば、スマートフォンでの編集でも十分でしょう。動画の編集にはソフトにも素材にも容量が必要になってくるので、スペックが高いパソコンであれば動きが遅いなどのストレスがなく編集できます。
撮影した動画の素材を入れておくための、フラッシュメモリやSDカードが必要です。使用するカメラやパソコンに合わせて、対応するものを使ってください。
集めた素材を1つにして動画にするには、専用の動画編集ソフトやツールが必要です。編集ソフトによって機能が異なるため、ご自身が制作したい動画・予算、パソコンのスペックなどに合わせて選びましょう。
自社が作りたい動画の内容に合わせて、必要な素材を準備する必要があります。ここからは動画制作に必要な素材をご紹介します。
素材は動画素材・静止画素材・音声素材・その他の素材に分けられます。
カメラやスマートフォンなどを使って撮影をしたデータを準備します。ファイル形式はAVI、MOV、MTS、MP4、MPGなどがあります。
写真やイラストなど静止画の素材です。ファイル形式はjpg、png、TIFFなどがあります。
BGMやナレーションや効果音などの音声素材も必要です。ファイル形式にはWAV、MP3、AIFFなどがあります。
アイコン素材やスタンプ素材、背景透過素材など、動画をより見やすく彩る素材を用意します。
ここからは初心者でも動画撮影のクオリティを上げられる動画撮影のポイントについてお伝えします。
「【ステップ4】シナリオ・絵コンテを作る」でも述べたように、撮影する前に構成を考えておく必要があります。複数のカットをつなげて動画制作を行う場合は、どのようなストーリーで何を映すのかなどを決めておかないと、撮影がスムーズに行かないですし、撮りたい動画を撮ることもできません。必要な動画を撮り忘れ、一貫性がない動画になる可能性もあります。あらかじめ構成を考えて、効果的・効率良く動画を撮影しましょう。
動画をどこに公開するかによって、動画のサイズは変わってきます。適切なデータやサイズを把握しなければならないので、事前に動画も公開先を決めて、適したサイズを把握しておく必要があります。
視聴者が見やすいきれいな動画にするには、光の入る明るい場所で撮影する必要があります。
ただし、光の入り方には気を付けなければなりません。被写体のバックから光が入っているところを正面から撮影すると、逆光になってしまいます。逆光になると映像が暗くなってしまうため、注意が必要です。
逆光は特に屋外や窓際での撮影時に発生しやすいです。撮影を始める前に太陽・カメラ・被写体の位置を確認して、見やすい明るさで撮影を行います。
できる限りカメラは三脚で固定して撮影しましょう。カメラを手で持って撮影すると、思った以上に手ぶれが激しい動画になります。クオリティの高い動画にするためには、三脚などを使い、手ぶれがない動画を撮影する必要があります。
1カットは10秒以内に収めるといいでしょう。視聴者は代わり映えのない、同じ絵が長く続くと飽きてしまいます。動画撮影時に10秒以内で撮影するのでなく、数秒間余白を残して撮影すると、編集のときに調節しやすいため、おすすめです。
ここからは動画制作の基本的な用語をいくつか簡単に説明いたします。
解像度は、画像の密度を表す数値のことです。横×縦の形で表示され、単位にはピクセルが使われます。この解像度が高い方が、映像の細かいところまできれいに見ることができます。
アスペクト比は画像の横と縦の比率のことを言います。
ビットレートは動画1秒間あたりのデータ量のことです。単位にはbpsを使います。これはBit Per Secondの略です。同じ解像度でもビットレートが違うと動画のきれいさが変わってきます。
動画をスマートフォンやタブレット、パソコン・テレビなどさまざまなデバイスで視聴できることをマルチデバイス視聴と言います。
映像をパソコンやスマートフォンなどで見られる状態に変換し、かつデータを圧縮する作業のことを言います。
企業の担当者様に向けて、動画の作り方の基本として必要なステップや機材、動画撮影のポイントなどを解説しました。
社内向けの動画や、動画マニュアルなどのジャンルは、比較的内製しやすくおすすめです。また最近では、パワーポイント(PowerPoint)でも動画を作ることが出来るようになるなど、様々な動画制作方法があります。用途によってはパワーポイントも動画制作方法の一手法として押さえておきたいところです。
当社では、動画活用のお役立ち情報の提供に加え、動画制作のプロフェッショナルによる「動画企画制作」 「動画内製化支援」に加え、「動画配信プラットフォーム」「ライブ配信サービス」も提供しています。ご関心をお持ちでしたらお気軽にお問い合わせください。
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