2022.07.08
J-Stream CDNext
CDN
いつも参考にしているあのWebサイトのアクセス負荷対策はどうしているのか、同業他社はどんなサービスで対策をしているのか、様々な理由でCDNの利用状況を確認したい場合があるでしょう。今回は、Webサイトが使用しているCDNを調べるための、いくつかの方法をご紹介します。
CDNの基本について知りたい場合は、下記の記事をお読みください。
調べ方を紹介する前に、まずはCDNの導入方法について簡単に解説します。CDNはたいていの場合、対象のサイトドメインについて、DNS(domain name system)でCNAME(シーネーム)レコードを設定することによって利用を開始します。
私たちがインターネットを利用してWebサイトを閲覧しようとする時、そのWebサイトを構成するコンテンツが格納されているWebサーバーのIPアドレスを探して通信が行われます。IPアドレスは数字の羅列なので人が識別するには不向きです。そのため私たちはIPアドレスと紐づいているドメイン(URL)を用いてアクセスを試みます。この時、IPアドレスとドメインとを紐づける役割を果たすものがDNSです。
DNSはドメインとIPアドレスを紐づけるだけでなく、ドメインに関する様々な設定を行うことが出来ます。設定の一行一行をレコードと呼びます。ドメインとIPアドレスを紐づけるためにはAレコードと呼ばれるレコードを利用します。CDNを利用する際には、多くの場合CNAMEレコードというレコードを利用します。
CNAMEレコードは、指定するドメインについて、それと同じものとみなす別のドメインを設定することが出来るレコードです。CNAMEレコードに、CDNを利用したいドメインとCDNサービスのドメインを関連付けることで、私たちのアクセスはCDNへ誘導されることになります。
上の図は、CNAME設定のイメージです。この場合、CNAMEレコードによって両ドメインは同じものと見なされており、CDNを利用したいドメインにアクセスすると、CDNに繋がるドメインへアクセスが誘導されます。これによりCDNを利用した配信を実現できます。
CNAMEレコードの設定によってCDNを利用できるようになるということは、DNSにどのようなレコードが登録されているか確認することで、CDNの利用有無を調べることが出来るということになります。
前述したように、DNSにて登録されているCNAMEレコードの設定を確認することでCDNの利用有無を確認することが出来ます。
「CNAMEレコードの設定」の確認の方向性には、大きく分けて下記の2つがあります。
順に紹介していきます。
DNSサーバーに問い合わせることでどのようなレコードが登録されているか確認する方法です。DNSサーバーへの問い合わせ方法にはいくつかの種類があります。
コマンドとはコンピュータに対して処理を指示する命令のことを指します。nslookup(エヌエスルックアップ)はDNSサーバーに接続して、DNSの登録情報などを参照することが出来るコマンドです。nslookupはコマンドプロンプトと呼ばれるツールを用いて実行します。Windowsに標準搭載されているものを利用することも可能です。
コマンドプロンプトではキーボードのみを利用し、文字と記号による操作だけでコンピュータに指示を出します。「nslookup」に続いて、対象のドメインを入力することで、問い合わせが実行され結果が表示されます。
digコマンドもDNSサーバーに対してDNSの登録情報などを問い合わせるためのコマンドです。nslookupと同じ役割を果たすコマンドですが、digはDNSサーバーからの問い合わせ結果を比較的そのまま表示するのに対し、nslookupは情報をシンプルに加工して表示します。CNAMEレコードを参照したいという目的であれば、nslookupで得られる情報でも十分です。
digコマンドの実行のためには、専用のプログラムのインストールが必要になります。BINDという、DNSを構築するためのプログラムが利用されることが多いですが、DNSの登録情報を問い合わせるためだけに利用されることは少ないでしょう。
コマンドを実行と言われても難しい、という方にはこれらのコマンドを実行して結果を表示してくれるインターネット上のサービスの利用がおすすめです。
https://www.cman.jp/network/support/nslookup.html
株式会社シーマンの運営するサービスで、DNSを始めとして様々な情報を確認することが出来ます。無料で利用が可能で、このページで調査対象のドメインを指定して実行することで、簡単にドメインを調査することが出来ます。
上の画像は、「www.stream.co.jp」をnslookupした確認結果です。「canonical name」=CNAMEとして「cdnext」というJストリームのCDNサービスのドメインが登録されていることが分かります。
ブラウザを通じてWebサイトを閲覧する時、私たち利用者の目に触れることはありませんが、ブラウザとWebサーバーの間で、通信の詳細を補足する情報のやり取りが行われています。サーバーからブラウザに対して送られる補足情報をレスポンスヘッダと呼びます。このレスポンスヘッダの中に、CDNを利用していることを伝える情報が含まれている場合があります。ヘッダ情報はブラウザのデベロッパーツール等から確認することが出来ます。
Google Chromで調べたいサイトを開き、右上の[⋮]のアイコンをクリックし、[その他のツール]>[デベロッパーツール]をクリックするとウィンドウが立ち上がります。[Network] をクリック後、リロードし、[Name]からWebサイトを選択します。
上の画像は、当社サイト https://www.stream.co.jp/ をデベロッパーツールで確認した際のキャプチャです。
Jストリームが提供するCDNサービス「J-Stream CDNext」を利用すると、レスポンスヘッダの中に「via:JSTCDN」というヘッダ情報が含まれていることが分かります。
これはそのWebサイトの通信において、J-Stream CDNextを経由していますということを示すヘッダ情報です。各CDNベンダーによってどのようなヘッダ情報を付与する仕組みになっているかが異なりますが、大概の場合は何らかのヘッダ情報によってCDNが利用されていることが示されています。「Cache(キャッシュ)」などCDNの機能に関連した名前が付いていることが多いでしょう。
ヘッダ情報を細かく確認するよりも、ツールを利用してドメインを調査した方が簡単と思われるかも知れません。CNAMEレコードはネイキッドドメインなどと呼ばれる「www」などが付かないドメインでは利用することが出来ないという技術的な制約があります。CNAMEレコードを設定する以外の方法でCDNを利用できる場合もありますが、その時は当然CNAMEレコードを調べてもCDNを利用しているかどうかわかりません。ネイキッドドメインについて調査をする際にはヘッダ情報を確認してみると良いでしょう。
以上、Webサイトが使用しているCDNを調べる方法を紹介しました。気になるWebサイトを調査してみると、CDNは広く利用されている身近なサービスであることがわかるでしょう。自社サイトにCDNを導入した場合にどのような効果が期待できるか知りたい方は、お気軽にお問合せ下さい。経験豊富なCDNサービス専任のエンジニアと営業担当より、詳しくご案内いたします。
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