2023.03.02
J-Stream Equipmedia
動画企画制作
動画マニュアル
動画内製化
「動画マニュアルを活用したい」という企業様が増えてきています。活用にあたって担当者は、そもそも動画マニュアルとはどういうものなのか、何から手をつければいいのかという基本的なことから、どうやって運用していくのかといったことまで包括的に理解しておきたいものです。
今回の記事を読めば、企業担当者が動画マニュアルを運用するにあたって知っておくべきことを効率よくインプットすることができるでしょう。
《 目次 》
動画マニュアルとは、読んで字の如く動画化されたマニュアルのことです。手順書や取扱説明書などを動画化したものも含んで「動画マニュアル」と呼ぶ場合もあります。
テキスト情報や画像・イラストのみによるマニュアルや説明だけでは伝わりにくい部分を、動画を活用することで伝わりやすくすることができます。
「伝わりにくい部分」とは、具体的には「動きや速さ」「力加減」「ニュアンス」などです。また、音声や効果音・BGMも用いることが可能になります。
テキストと画像だけのマニュアルで詳しく説明しようとすれば、必然的にその分量も多いものになるでしょう。それでも充分に伝わるとは限りません。また、動画活用や視聴が当たり前になった昨今、「ページ数の多いマニュアルを読んで理解してくださいね」ではうまく伝わらないだけでなく、そもそも読んで貰えないかも知れません。そこで活用したいのが「動画マニュアル」です。
動画マニュアルの活用メリットには
などあります。
動画ならではの効果が、動画マニュアルにはあるといえます。
動画マニュアルの種類としては、社内研修、業務手順解説、ノウハウの共有、製品マニュアルといったものがあります。
いくつかの利用シーンを具体的に見てみましょう。
例えば製造業では作業工程や機械操作を動画化することが考えられます。作業工程の概要を理解するのに動画は非常に適しています。複雑な機械操作を文字で解説するよりも動画で“やってみせる”ほうが習熟のスピードも上がるでしょう。人が口頭で直接教えるのとは違い、学習者が「必要に応じて止めながら視聴できる」「繰り返し視聴できる」といったこともメリットです。
またサービス業など対人関連のマニュアルの動画化も考えられます。接客のロールプレイングでは文字で「ハキハキ話すのを意識しましょう」と伝えるよりも、動画で見本を示すほうがより具体的に伝わります。
そのほか、一般的な企業においては自社の独自業務システムの使い方を動画マニュアル化するという利用法もあります。動画マニュアルを使って入力手順を見せることは、画面がどのように変わるかがわかるため理解しやすいのと同時に頭に残りやすく、素早く手順が身につくことが期待できます。
このような様々な動画マニュアルは、大きく「お客様向け」「社内向け(取引先含む)」の2つに分けることができます。
活用シーンとしての違いはありますが、いずれも「動画マニュアル」としては同じカテゴリーの動画であり、本記事の後半で解説する制作の手順やポイントに大きな違いはありません。
多くの企業ではすでにドキュメントでのマニュアルが用意されていると思います。もしそれに加えて動画を活用するとどうなるのか、イメージを持っていただくために具体的な例を挙げてご紹介しましょう。
Webサイトの多くでは、自社商品の使い方(マニュアル)のページが用意され、PDFでダウンロードすることもできるようになっていたりするでしょう。
製品に紙のマニュアルを付属させていても紛失したり、わざわざ探す手間が生じることから、オンラインでマニュアルを提供しておくことはユーザー満足度を高める施策といえます。ここに動画マニュアルを設置すればどうでしょう。
特に、よく発生する問い合わせに対して、動画マニュアルを用意しておけば、自己解決がしやすくなり、問い合わせへの対応コストの削減が期待できます。また、テキストや画像では充分伝わりにくい内容について、動画マニュアルを用意しておけば「細かいところまで用意してくれていて助かる」と、顧客側の満足度を高めることができるでしょう。
季節の限定メニューを展開する飲食店チェーンのなかには、作り方だけでなく“インスタ映え”を考慮したデコレーションにも凝っているケースが珍しくありません。
こうした場合、これまでのように写真で説明するよりも動画で実際に作っているところを見せたほうが細かいところまでよく分かり、品質を一定に保つことができます。
「チェーン店のA店ではかわいいケーキだったのに、B店だとクオリティが低くてガッカリ」といった事態を防ぐことができるというわけです。
動画マニュアルは、導入に際して課題が生じることもあります。担当者が事前に考えておきたいことを解説します。
せっかく作った動画マニュアルでも、視聴してもらわなければ意味がありません。動画マニュアルを作成する際は、「どのように視聴してもらうか」を必ず想定しておきましょう。
例えば、講習の場を設けて大画面で一斉に視聴するなら動画ファイルを用意しておくだけでいいですが、PCやスマホなどによる個人ごとの視聴を想定するならWebサイトや視聴ページを用意したほうが視聴がしやすくなります。動画本数が増えてきた場合、効率的に目的の動画にたどり着けるように動画を中心にした「動画ポータルサイト」を用意するのも選択肢の一つとなるでしょう。
お役立ち資料
「動画ポータル」による社内の動画利活用術 動画が20本を超えたら考えること
どんな施策でも、PDCAを回さなければ効果があったかわかりませんし、次により良いものを作ることもできません。
後ほど『動画の共有方法について考えよう』で詳しく解説しますが、「動画配信プラットフォーム」 を使えば、視聴状況の把握が簡単に行なえます。動画配信プラットフォームの多くは、動画視聴解析の機能を備えています。再生回数や視聴時間等を動画単位・全動画計で解析できます。また、使用するプラットフォームによっては個人単位の視聴状況を把握することも可能になります。
動画マニュアルを作る際、もっとも大きな課題となるのが費用や予算ではないでしょうか。
万人に見やすく、映像・音もクリアな動画を用意しようと思ったら、専門のプロに外注したほうが質の高いものができるでしょう。しかし動画マニュアルの視聴対象者や用途によっては、自社の中で制作(内製)したもので十分というケースもあります。
事前に、「視聴対象」「得たい効果」「動画のクオリティ」といった項目を明確にしておくことで外注するか、内製するかを決める指標になるでしょう(一部を外注するということも考えられます)。
動画マニュアルの想定される課題については以下の記事でも解説していますので興味のある方は参考になさってください。
内製とは、自社内で制作することを指します。先に触れたように、動画マニュアルを制作する場合、内製するか外注するかで費用が変わってきます。
内製した場合、費用を圧縮できるのはもちろん、制作スケジュールをすべて自社で決めることができるのでスピーディーに完成させることもできます。しかし動画の撮影機材を用意しなければならなかったり、動画の制作担当者の負担(内部工数)が増えたり、外注(プロ)ほど高いクオリティの動画ができないというデメリットもあるでしょう。
外注した場合は、高いクオリティの動画ができ、当然内製に比べると内部でかかる工数は少なく済みます。その反面、制作費用が掛かったり、自社だけの都合でスケジュールが変えられなかったりすることで思ったより時間がかかるといったデメリットがあります。
両者のメリット・デメリットを比較し、自社にあった制作方法を選びましょう。撮影だけは内製し、編集作業を外注するといった“ハイブリッド方式”も選択肢としてはあります。また、最初はプロに助けを借り、いずれ完全内製内製を目指すという方法もあるでしょう。
当社では、プロフェッショナルによる動画制作サービスを提供しています。案件として動画マニュアルの制作を担当させていただくことが多数あります。一方で、お客様の中で動画マニュアルの内製体制を構築していくための支援を有償で提供させていただくこともあります。動画マニュアル制作をご検討中の場合はお気軽にご相談ください。
まずは内製で制作に取り組んでみたいという場合に向けては、お役立ち資料を提供していますので下記よりダウンロードしてご活用ください。
ここでは動画制作の手順をざっくりと解説します。
詳しく知りたいという方は下記の記事を参考になさってください。
動画の視聴対象者、どういった状況で動画マニュアルを視聴するのか、視聴後にどうなってもらいたいのか(ゴール)を決めます。動画にしたい内容や範囲に基づいてコンテも作ります。また、動画マニュアルは一度に複数本作ることも多いので、量産を前提としたデザインフォーマットについてもこの工程で検討すると良いでしょう。
動画で伝えることが最適な情報は、すべて動画にできればよいのですが、作業時間・予算共に十分に確保できないケースもあり、一度に作れる動画も限られます。まずはある程度範囲を絞って動画化していくことをおすすめします。
作ったコンテに準じて撮影などを行います。
撮影対象物が形のあるもの(有形)であればカメラ、三脚、マイク、照明などの機材が必要になります。形の無いもの(無形)としては、Webサービスやアプリ、ソフトウェアなどが考えられます。こういった場合、PC画面などをカメラで撮影することもできますが、録画機で直接画面を録画すれば、より見やすく移動ができるでしょう。
撮影や収録では、できるだけ視聴しやすさに配慮します。映像であれば明るさ、音声であれば聞き取りやすさです。同時に、ノイズや雑音・不要な映り込みなど、視聴や理解を邪魔する要素を除くように心がけると良いでしょう。
撮影した素材をつなぎ、音やテロップ、注目してもらいたいところに矢印などをつけるといった作業を行います。ある程度完成した段階で他の人にも見て貰うことで、よりよい動画マニュアルに仕上げることが可能になります。特に初めて作る動画などは、ある程度編集作業が一段落したところで関係者に動画を見てもらい、改善点がないか確認しましょう。
マニュアル動画には無音のものも多く存在しますが、MA(ナレーション収録やBGM入れなど)を行ってある動画もあります。MAを行う場合、動画編集の後半の工程で行います。
動画完成直前には、内容のヌケモレやテロップの誤字脱字がないかといったチェックもしっかり行いましょう。完成すれば動画を書き出して完成です。動画活用に進めましょう。
ここでは動画を自社で内製化するときに気をつけたいポイントを解説します。
動画マニュアルを撮影したそのままで流すよりも、少し工夫することでわかりやすさがぐっと増します。
動画で「右上のボタンを押します」などと説明する際「どこのことだろう?」と視聴者に思われないように、どこのことを示したいのか 明確にしましょう。矢印でボタンを指し示す、罫で囲う、対象の周囲をグレーにする(ハイライト)といった工夫をすることが視聴者を“迷子”にしないコツです。
また説明するスピードにも配慮しましょう。動画マニュアルを作る場合、当然“よく知っている人”が制作することになります。すると、つい簡単な部分を省略してしまったり、サクサクと説明してしまったりします。
しかし、動画マニュアルを見る多くは“わかっていない人”です。説明をゆっくり話す、画面の切り替えタイミングに間を持たせて内容理解の時間を用意するといった工夫をしましょう。
せっかく動画マニュアルを制作したのなら、たくさんの人に見てもらいたいものです。
内製でもクオリティを上げるためには、一発撮りだけでなく何テイクか撮り、編集で良いものをつなぎ合わせるといった工夫が効果的です。
また、動画の長さにも気を配りましょう。長時間の動画は、視聴者が自分に今必要な部分を探しにくくなります。ひとつの動画にたくさんの要素を盛り込むより、1動画に1テーマで制作したほうが視聴者は知りたいことを探しやすいでしょう。
動画マニュアルの在り処を明示することも重要です。顧客のサポート目的であればサポートページにリンクを用意したり、専用のWebサイトを用意したり、会員向けメールなどで案内しましょう。
自社従業員用であれば、業務システムに導線を用意する、従業員ポータルに導線を設ける、冊子のマニュアルにQRコードを付けるといった方法で動画マニュアルがあることを周知しましょう。
動画マニュアル制作のコツについては以下の記事でも解説していますので興味のある方は参考になさってください。
また、先ほど紹介したお役立ち資料では、動画マニュアル制作を内製していただけるよう、作り方を詳細に解説しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。
ここでは、より簡単な動画マニュアル内製の方法をご紹介します。
iPadなどのモバイル端末は身近にあり、手軽に品質の高い動画を撮影することができます。また、動画編集アプリをインストールして使うことで、撮影と編集をひとつの端末で済ませることができます。動画編集アプリのなかには動画マニュアルづくりに特化したソフトも登場しています。ただし商用利用可能かなど利用規約には注意しましょう。目的や技量に応じて適切なソフトを選ぶことが大切です。
iPadを使用しての動画マニュアル制作について、必要な機材から、制作手順までを下記記事で詳しく解説しています。興味のある方はお読みください。
もっと身近なツールを活用する例として、プレゼンテーションの定番ソフトであるパワーポイントがあります。スライドショーの記録を使って、音声入りの動画を作成することができます。
パワーポイントでの動画制作は
といった特徴があり、動画制作が初めてという方にとっても簡単でおすすめです。
動画マニュアルにおいて「字幕」は重要な要素になります。
なぜなら、視聴者はいつでも音が出せる場所で使用するとは限らなかったり、視聴者が日本語に堪能でない可能性があったりするからです。
例えば機械音がうるさい工場のなかで機械の使い方を確認しようと思えば、音声は聞こえません。また、外国人労働者も対象にした研修動画マニュアルや、耳の遠い高齢者も視聴する取扱説明の動画マニュアルなどでは、日本語の解説音声よりも字幕を読むほうが理解しやすいというケースもあります。
字幕作成の一つめの方法としては、動画編集時に動画自体に字幕を挿入する方法です。例えばAdobe Premiere Proでは自動で文字起こしができる機能がついています。まずは自動で文字起こしをし、必要に応じてテキストに修正を加えれば簡単に字幕付きの動画マニュアルができあがります。
もっと簡単な字幕作成法は、動画配信プラットフォームなどにある機能で自動で文字起こしをし、字幕を表示する方法です。これは動画自体ではなく、プレイヤー側で字幕を表示させる方法です。さらに自動翻訳にかければ、字幕の多言語対応も可能になります。
動画マニュアルが完成したら活用をします。動画マニュアルの共有です。この「共有」とは、動画ファイル自体の共有ではなく「動画配信」のことを指します。
動画配信の方法には「ライブ配信」「オンデマンド配信」「疑似ライブ配信」などいろいろありますが、動画マニュアルの場合は、視聴者が見たいタイミングでいつでも視聴できる「オンデマンド配信」が適しています。オンデマンド配信を実施する際に用いるのが「動画配信プラットフォーム」です。
動画配信プラットフォームでは、動画配信に必要な機能とワークフローが一元的に提供されます。無料で使用できるYouTubeも動画配信プラットフォームの一種です。それ以外にも、企業向けの用途に適した動画配信プラットフォームがあり、当社では「J-Stream Equipmedia」(イクイップメディア)という動画配信プラットフォームを提供しています。
「担当者が考えておくべき運用上の課題」でも軽く触れましたが、動画マニュアルが誰に向けてのものなのかによって、掲載場所(Webサイト)のあり方も変わります。
お客様向けでサポートサイトが既にある場合は、そこに動画を掲載すると良いでしょう。従業員向けで従業員ポータルサイトがある場合は、その中の関連する箇所に動画を掲載すると良いでしょう。
ある程度動画本数が増え、新たに動画を掲載するWebサイトを作る場合「動画ポータルサイト」検討しましょう。例えばスタンダードな形式として、トップページに目次のようにカテゴリが一覧されており、それぞれのカテゴリ別に動画が集約されているというものがあります。
視聴者を限定した動画マニュアルを運用する場合、ここにアクセス制限や認証機能を付与すれば、セキュリティに配慮して適切に動画を管理・配信することができます。もちろん視聴対象者を適切に設定すれば、従業員向けだけでなく、協力企業や代理店など関係先への動画配信にも活用できます。
また、使用するプラットフォームによっては個人単位の視聴状況を把握することも可能になります。誰がどの動画をいつ再生したかがわかるため、視聴すべき人が視聴したかどうかも把握できます。
動画マニュアルをしっかり活用してもらうには、動画自体の内容に加え、視聴すべき人の適切なタイミングで案内したり、動画を分かりやすい場所に掲載したり、動画ポータルサイトの利便性を増したりすることが大切です。
製品に関する動画マニュアルであれば、製品にサポートサイトや動画への導線があることで、スムーズに知りたい手順へたどり着けるでしょう。
動画ポータルサイトであれば、Webサイトへの導線を分かりやすくし、その人ごとに見るべき動画が最適化されていると利便性が増すでしょう。自分が見るべき未視聴動画が明示されていたり、大切な動画がブックマークできたり、動画が検索できたりといった機能の利用も考えられます。
動画マニュアルは現在の環境や働き方に合致したマニュアル形態であり、顧客満足度の向上だけでなく、社内向けなどにも活用が可能です。今回の記事が、自社でも動画マニュアル活用に取り組みたいと検討されている企業担当者様のお役に立てば幸いです。
当社は、動画マニュアルの制作や内製化支援に加え、動画マニュアルの配信にも便利な、動画配信プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」(イクイップメディア)を提供しています。
Equipmediaは
などの点により、多くの企業様に導入いただいています。
30日間無料でお試しいただけますのでご興味のある方はお問い合わせください。
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