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2021.03.26
[企業向け]eラーニングとは? 導入前に知っておきたいこと
リモートワークや時差出勤など、働き方の変化により需要の高まりを見せるeラーニング。本記事では「これからeラーニングに取り組みたい」「eラーニング実施に何が必要なのか知りたい」といった企業ご担当者様向けに、eラーニング導入前に知っておきたいことを解説します。
《 目次 》
1.eラーニングとは?
eラーニングとは、インターネットを介しておこなう学習方法のことです。学習にはPCやタブレット、スマホなどの端末を用います。eラーニングの受講者には「時間や場所を選ばず学習できる」「繰り返し学習ができる」といった利便性があります。
eラーニングでは動画が用いられることが多くあります。動画の配信方法には大きく分けて「ライブ配信」と「オンデマンド配信」がありますが、eラーニングは「オンデマンド配信」でおこなわれるのが一般的となっています。オンデマンド配信は「録画配信型」とも呼ばれる、配信サーバーにアップロードされている動画を受講者が好きなタイミングで見られる配信形式です。
本記事では、オンデマンド配信でのeラーニングに限定して解説していきます。
2.eラーニングのメリット/デメリット
■ eラーニングのメリット
受講者 | ・移動時間や交通費が必要ない ・いつでもどこでも好きな時間に学べる ・隙間時間で少しずつ学べる ・繰り返し学べる ・「定員に達したので受けられない」ということが発生しにくい |
提供者 | ・会場費用や準備が不要 ・講師が毎回講義する必要が無い ・教育を均質化できる ・会場の広さに受講人数が縛られない |
受講者にとってeラーニングは、オフィスや自宅、移動中など場所と時間を選ばず学べる利便性があります。また集合研修と違い隙間時間で少しずつ学んだり、自分のペースで繰り返し学んだりといった自由度があります。
提供者側では「会場確保や準備が要らない」「講師が毎回講義する必要が無い」といったことにより、内部工数やコスト削減が見込めます。開催ごとに講師が変わることもないので、教育を均質化できるのもメリットです。
■ eラーニングのデメリット
受講者 | ・インターネット環境とPCやスマホなど端末が必要 ・質問がリアルタイムにできない ・一体となって学習している感覚が希薄 ・主体的に取り組まないと学習が進まない |
提供者 | ・eラーニングのための仕組みの導入や構築が必要 ・グループディスカッションには向いていない ・講師と受講者のコミュニケーションを取りにくい |
eラーニングは受講者が好きな時間に学ぶことができる反面、主体的に取り組まないと学習が進まないというデメリットがあります。また「受講者間の一体感が少ない」「質疑応答がリアルタイムにできない」といった点は集合研修に劣る点です。
提供者側でも「リアルタイムのコミュニケーションを前提とするグループディスカッションには向かない」「講師と受講者のコミュニケーションを取りにくい」といったデメリットがあります。
ただし、質疑応答は受講中にリアルタイムでおこなえないだけでeラーニングでも実現できる部分です。また、一体感については「他の受講者の受講状況が見えるようする」「受講者コミュニティを運営する」といった方法によりカバーできる部分です。
3.学習内容とeラーニングの内製/外部委託
eラーニングは学習内容によって、自社で独自に実施(内製)したり、外部サービス(外部委託)を利用したりと、内製と外部委託をうまく使い分けることが大切です。
■ 内製と外部委託の分類
内製/外部委託 | 例 | |
---|---|---|
①汎用的な教育研修 | 外部委託向き | ビジネスマナー、階層別研修、一般知識や手法 |
②専門性の高い教育研修 | 外部委託向き | コンプライアンスや会社法・契約書関連など法務知識 |
③自社独自の知識やノウハウに関する教育研修 | 内製向き | 自社サービスや製品に関する技術情報や知識、自社サービスや製品に関する販売知識や営業ノウハウなど |
④自社の業務に関する教育研修 | 内製向き | 業務システムの使用手順、経費精算の手順など |
■ 外部から調達することで効率的に実施できるもの
「①汎用的な教育研修」「②専門性の高い教育研修」は外部から調達することで効率的に実施ができるでしょう。
汎用的な教育研修とは、どの企業でも共通して必要な会社ごとの独自性が必要ない教育研修です。外部委託先も多数ありますので、内容や価格などを比較し自社に合ったものを上手く利用しましょう。
専門性の高い教育研修も外部委託向きです。そもそも講師に適した専門知識を持った人材が社内にいない場合もありますし、人材がいたとしても教育研修実施に時間を割けないことが多いためです。
■ 自社で独自に実施(内製)すべきもの
「③自社独自の知識やノウハウに関する教育研修」「④自社の業務に関する教育研修」は自社で内製すべきです。自社独自の知識やノウハウは、現場で日々携わっている社員に最も蓄積しており、外部委託することは難しい部分です。
内製する場合、eラーニングを実施するための仕組みや環境を一から十まで自社で用意する必要はありません。eラーニングに求める機能を明確にして、その要件を満たすASPサービスを利用したり、開発を外部委託したりして環境を整えます。
比較的安価に短期間で導入できるのが、すでにパッケージ化されているeラーニングサービス/eラーニング配信プラットフォームサービスの利用です。
次章では、eラーニングサービス/eラーニング配信プラットフォームサービスを利用して、内製でeラーニングを実施する場合について解説していきます。
4.内製でのeラーニング実施に必要なもの
外部委託できない教育研修をeラーニング化する場合「Webサイト」と「学習コンテンツ」の準備が必要です。Webサイトはeラーニングサービス/eラーニング配信プラットフォームサービスを使い準備します。
■ Webサイトに必要な機能
《主な機能》
ユーザー管理機能 | 受講者や管理者の登録や削除をする機能。 |
受講コースの作成機能 | 複数のコンテンツを学ばせる場合、学習順などを設定する機能。 |
受講期限設定機能 | 学習の期限の設定ができる機能。 |
テスト機能 | 学習の理解度を確認するための機能。受講時にリアルタイムに採点したり、合格の点数を設定できたりすると便利。 |
学習状況の把握機能 | 受講者の所属組織マネージャーなどに、受講者の学習状況が把握できる機能。 |
アンケート機能 | 受講者に対して意見や感想をアンケート調査するための機能。 |
お知らせ機能 | 受講者に対してお知らせ事項を表示する機能。 |
動画配信機能 | マルチデバイスに対応した動画配信。オンデマンド配信自体はもちろんのこと、動画視聴(プレイヤー)に関する細かいコントロールもできると便利。 |
資料配布機能 | 学習資料や関連資料などの配布機能。 |
《場合によっては必要な機能》
修了証発行機能 | 受講内容によっては受講完了者に修了証が発行できると便利。 |
多言語対応 | 運用者/受講者によっては日本語以外の言語対応が必要な場合も。 |
シングルサインオン | 自社用の既存システムとログイン認証を連携させることで、eラーニングサイトにログインする煩雑さを解消。 |
Q&A機能 | 受講者と講師の質疑応答のための機能。 |
SNS機能 | 受講者コミュニティ内のディスカッションや知識共有などコミュニケーションのための機能。 |
■ 学習コンテンツの準備
教育研修は大別すると
- 知識やスキルを習得する
- 考え方(マインド)や行動を変える
の2種類に分かれます。
オンデマンド配信型のeラーニングは「知識やスキルの習得」に適しています。学習コンテンツのスタイルとしては、スライド資料や実演映像などを講師の説明と共に展開していくのが主流です。
研修の長さは様々ですが、1つの研修が短い方が学ぶ方にとっては受講しやすいといえます。日時が決まっている集合研修と異なり、eラーニングでは自ら学習のための時間を作り受講する必要があるためです。
1つの研修にかける最適な時間の正解は一律には決められませんので、受講者の環境やモチベーションなども視野に入れて検討していくのが望ましいといえるでしょう。
最近ではマイクロラーニング(Microlearning)とも呼ばれる、おおよそ10分以内の動画で1つのテーマを扱い、それをシリーズ化し、視聴を積み重ねていくことで知識やスキルの向上を図る教育手法にも注目が集まっています。
「考え方(マインド)や行動を変える」ための研修には、知識の習得だけではなくディスカッションやワークショップなどグループワークも有効です。グループワークには集合研修や、Web会議ツールを用いた双方向コミュニケーションでのオンライン研修が適しています。
オンデマンド配信型のeラーニングで実施する場合は「伝えたい内容がより受講者に響くよう訴求する」「優秀者や実体験者のインタビューを活用する」など工夫をすることで効果的に伝えることができるでしょう。
5.eラーニングでの動画活用
eラーニングを実施する際「学習資料を配布したので各自で読んで理解しなさい」というのは不親切です。
《動画の効果》
- テキストに比べてたくさんの情報が素早く伝わる
- 直接動画を見ることができるので又聞きより正確に伝わる
- テキストに比べてより記憶に残りやすい
動画の効果としては上記のような項目が挙げられます。さらに、若者を中心にテキストを読むことよりも動画視聴を好む傾向もあります。集合研修と同レベルの成果が得られるように動画活用を検討しましょう。
動画を準備するためには「プロフェッショナルに依頼して制作する」「自社スタッフで作る」といった方法があります。動画を自社スタッフで作る(内製する)ことで「費用が抑えられる」「好きなタイミングでいつでも作れる」「制作のための外部とのコミュニケーション時間が不要」などのメリットが得られます。一方、プロフェッショナルへ動画制作を依頼することで、社内の稼働を抑えつつ用途に適した質の高い動画を制作することができます。
6.まとめ
以上、これからeラーニングに取り組みたい企業のご担当者様向けに、eラーニング導入前に知っておきたいことを解説しました。
社員教育・人材育成は会社のパフォーマンス向上にとって重要です。リモートワークや時差出勤など、働き方の変化により集合研修は開催・参加しにくい状況となりました。eラーニングは受講者にとって非常に利便性の高い学習手段といえます。「eラーニング導入は大変そう」「費用がかなり掛かるのでは?」と躊躇されているご担当者様は、ぜひこの機会に前向きにご検討ください。
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