そもそも情報共有とは?失敗理由から効率の良い方法まで解説

2020.03.31

J-Stream Equipmedia

社内情報共有

ビジネスの場において、あるいは複数の人が連携してひとつの目的に向かって活動をする場合、互いに情報を共有することが重要です。しかし、具体的に情報共有がなぜ必要なのかを意識することは少ないのではないでしょうか。

情報が共有できていなければ、どのような事態を招くのかを考えると、情報共有の必要性を改めて実感できるはずです。さらに、情報を共有できない原因を突き詰めることで、自社に適した情報共有の方法を効率的に探れます。

今回は、情報を共有するとはどういうことなのかを分析します。あわせて効果的に情報共有する方法についても検討してみましょう。

1.情報を共有するとはどういうことか

まずは、情報を共有することについて分析してみます。

ひとりの社員がある情報を持っているとしましょう。この情報は、社員が行動した過程と結果です。その他、外部の動きやその結果、あるいは近い未来に起こる確かなことなども情報にあたります。こういった情報は手に入れた本人が所有したままにすることも可能です。また、プロジェクトに参加している場合なら、そのメンバー間や必要としている同僚にだけ公開する場合もあるでしょう。しかし、得た情報を限られた範囲に公開するだけでは、情報を共有できる状態にしたとはいえません。

同じプロジェクトに関わっている社員同士、さらに会社全体で、個人や会社が得て蓄積した情報をいつでも確認したり活用したりできること。こうした蓄積・公開・活用といった流れが成り立つ環境があってこそ、情報を共有できているといえるのです。

情報共有は交換や開示だけを指すのではないという点を意識しておきましょう。社員一人ひとりが取得している情報をルールに従って蓄積し、誰もが使えるように共有して生かすことが、情報が共有されている状態です。つまり、タイムリーにその情報が「活用」されなければ情報が共有されたことにはならないということです。

2.情報共有はなぜ必要なのか

それでは、なぜ情報を共有することが必要なのでしょうか。

ビジネスやグループ活動の場では、メンバー同士で互いに情報を共有することで、自分の得た情報以外から探していた情報を入手できるケースが増えます。さらに、メンバー同士が互いの進捗状況を把握することで、今どの作業が滞っているのか、誰の作業量が超過しているのかなどを把握し、効果的なサポートをし合える状況を生み出せるでしょう。

このように作業が効率化できるだけではなく、作業の精度が高まったり新しい発見や気付きにつながったりする可能性もあります。こうしたことが、情報共有を大切だと考える理由のひとつです。

しかし、なぜ情報共有が浸透しないケースがあるのでしょうか。それを考えるにあたり、もし情報が共有されなければどうなるかを考えてみましょう。

情報が共有されないと起こること

情報が共有されないときに、どのようなことが起こり得るのかを具体的に考えてみます。

  • 知識の属人化→相乗効果が生まれない

情報が共有されないと、「この仕事はあの人に聞かないとわからない」「あの人がいないとうまく仕事が進まない」というケースが多くなるでしょう。「あの人」に注目すれば、「特別なスキルを持ったできる社員」ともいえますが、「知識の属人化」が起こっているともいえます。こうした状況では、仕事のやり方や効率は改善できず、新たな視点を導入することも難しいでしょう。つまり、複数の人が関わることで生まれる相乗効果が期待できない状況となっているのです。

  • ムダの発生、トラブルの発生→業務の停滞

仕事をするうえで、業務の引き継ぎや活動報告は必ず発生します。効率的な情報共有ができていないと、そのたびに会議やミーティング、説明の時間を取らなければなりません。そうすると、参加者の都合を合わせなくてはならず、確認や調整で仕事の効率が悪くなります。さらに、その会議やミーティング、説明だけで情報を正しく理解できればよいのですが、理解不足や思い違いが発生し、予想外のトラブルへと発展する可能性もあります。

  • 学習効果が機能しない→組織力が強化できない

社員一人ひとりのスキルは経験を積むことで高められていきます。しかし、情報共有されないと組織力を高めるのに時間がかかり、ムダが生じる可能性があります。例えば、組織全体であるスキルを高めたい場合、情報が共有されなければ、すべての社員が個別にそのスキルを向上させるための経験や学習を行うしかありません。社員の知識や経験を情報として提供すると、ほかの社員が効率よくスキルを高められるでしょう。

  • タイムリーな動向把握ができない→機会ロス

営業を担当する部署やマーケティング戦略を企画する部署では、常に顧客のニーズや市場の動きを把握しておく必要があります。しかし、互いに得た情報が共有されていないと、タイムリーな現状把握ができずに取引の機会を逃す可能性が高くなるでしょう。

  • 信頼関係の構築ができない

情報共有が十分でない組織は、自分の得た情報をほかの社員に伝え、活かしてもらうという文化が薄いとも考えられます。そうした状況では、プロジェクトをスタートしても、メンバー間の意思疎通が図りにくく、信頼関係を築くのが難しいかもしれません。

共有することのメリット

  • 作業効率が上がり、精度も高くなる可能性がある

業務を遂行するためには、市場の動向や顧客ニーズの変化、あるいは開発に関わるノウハウなど、さまざまな情報を集めます。そういった多くの情報が必要なときに、社内で共有している情報から探せれば、無駄に時間を使うことはありません。
しかし、情報共有がされていないと、こうした情報を得るために一から行動する必要があります。
つまり、情報が共有されていれば、情報を集めるための時間をほかのことに使うことができ、そのため、効果的に業務の精度を高めることに注力できます。

  • 社員教育の時間が削減できる(ノウハウを共有できる)

ひとりの社員が経験したことは、失敗した事例も含めすべて情報です。これらを会社全体の経験(情報)とできれば、まだ業務経験が浅い社員でもベテラン社員のノウハウを使えます。つまり、情報共有されていれば、社員それぞれが培ってきたスキルや考えを組織の力として生かすことが可能になるのです。

  • 作業の効率化や新たな気付き・発見につながる

情報が共有されていれば、部署や固定したグループ以外とも連携できるので、グループ内では気付かなかった作業の進め方や情報の活用法を教えられたり、指摘されたりする機会が増えます。その結果、会社全体においても作業が効率よく進み、新しい気付きや発見につながりやすくなるでしょう。

  • 意思決定が迅速になる

意思決定のスピードを上げることは企業が競争に打ち勝つための大きな要素です。トラブル対応も、迅速に行えれば企業の信頼は高まります。また、商品開発においても、他社より先に市場が求める商品を開発することで、注目度が高まるでしょう。このように企業がなんらかの意思決定をする機会は多く、そのスピードが重要です。企業は意思決定をする際の判断材料として多くの情報を必要とします。適切な情報共有がされていれば、意思決定のスピードも向上し、判断も正確なものになるでしょう。

情報共有のメリットに関して、以下の記事で解説しておりますので、興味のある方はご覧ください。
「情報共有のメリットを理解して業務の効率化をめざそう」

3.情報を共有できない原因とは

では、情報共有ができない原因は何なのでしょうか。例えば、情報を共有するためには、まず情報を蓄積する必要があります。その際に、ルールやガイドラインがないと、それぞれがそれぞれの形で蓄積をしてしまい、共有しづらいデータとなってしまうかもしれません。つまり、使えない情報の蓄積になっているということです。

このように、情報が共有できない状況には、その状況を作り出している原因があるはずです。ここでは考えられる原因を探ってみましょう。

情報を共有する意義が理解されていない

情報を共有するためには、自分が得た情報やノウハウを誰もが使えるように蓄積しておく必要があります。しかし、自分が失敗をしたり、試行錯誤をしたりして得た情報を人に提供することを快く思わない、つまり情報の属人化を当たり前だと考える人もなかにはいるでしょう。いいかえれば「この仕事は、この内容は、このやり方は、あの人に聞くのがいい」といった状況が会社からの評価につながると考える社員が多い場合は、情報共有がなかなか進みません。
また、情報を私有化するつもりがなくても、情報共有することで得られるメリットが実感できず、手間をかけてまで情報を共有しようとは思わない社員もいるでしょう。そういった社員が多い場合も、情報共有は進みません。

伝え方のルールが決まっていない

情報を伝える場合、その情報の種類によって「誰に、どのように伝えるか」は異なります。ところが、情報がカテゴリーごとに分類されていなかったり、伝え方がそれぞれに異なっていたりすると、情報を探して使うのに手間取ってしまうでしょう。これでは有用な情報が多く蓄積されていても使われない可能性が高まります。
例えば、部下が上司に業務の進捗を報告する場合を考えてみましょう。いつ報告するのかがルールとして決まっていない場合、部下は自分のタイミングで上司に報告を行います。ところが情報を受け取る上司のタイミングと合わなかったら、「忙しいときにいちいち報告するな」と叱責の対象になるケースもあるでしょう。こういう事象の蓄積が報告をためらう気持ちにつながり、会社全体の情報共有が進まない原因になっていることが考えられます。

組織内に連携がとれていない

せっかく共有されるために蓄積されたデータが、小さなグループ内での活用にとどまってしまうケースがあります。それは、横関係では情報共有しやすくても、会社組織が縦割りであるため、有益な情報が全体に共有する体制が整っていないからです。セクションごとの区分けが明確すぎることもあるでしょう。

ツールが活用されていない

情報を共有するための方法は、打ち合わせやメール、文書、チャットなど、さまざまです。そうした情報を共有するためのツールが複数あり、人によって使用ツールが異なる場合、会社全体で情報が共有される可能性は低いといえます。

情報共有ができない原因とその対策について、以下の記事でより詳しく解説しておりますので、興味のある方はご覧ください。
「情報共有できない原因とその対策」

4.効率よく情報共有するための方法

ここまでは情報共有ができない原因を探ってきました。原因を改善できれば、情報は共有しやすくなり、社内の業務効率が高まる可能性がでてきます。では、具体的に何をどのように解消していけばよいのか、考えてみましょう。

情報共有の意義を伝えて定着させる

準備段階として整えておきたいのが社内の意識です。なぜ情報共有をするのか、情報共有することでどのようなメリットがあるのか、情報共有ができていないと、どのようなデメリットがあるのかをしっかり伝える必要があります。情報共有の意義を社員が理解できるように勉強会の開催も検討してみてください。
こうした意識の定着には時間がかかりますが、企業文化として根付かせることを目指しましょう。

情報を記録して保管するルールを作る

どのようなツールを使うのか、情報はどのように記録をするのか、どのタイミングで更新をするのか、情報の管理方法はどうするのかルール化しておく必要があります。
膨大な情報が蓄積されていけば、その中から自分が必要としている情報を検索することすら大変な作業です。それぞれの情報にタグをつけ、同じカテゴリーの情報をまとめておくなど、使いやすい保存環境にしておきましょう。

情報を一元管理できる環境を構築する

情報を共有するための手段としては、口頭での報告、ホワイトボードへの書き込み、メール、オンライン掲示板、チャットなどが考えられます。最近注目されているのは、動画による情報共有です。映像と音声で一連の流れを把握できるため、図版や解説で示される情報より使いやすく理解しやすいというメリットがあります。
しかし、伝えるためのツールがバラバラだと、どこに探しに行けばよいのかわからず、その情報が存在しているのかさえ検討がつきません。
まずは、使いやすい情報共有ツールを決めて社内で統一しましょう。しかし、動画で情報を共有するのか、あるいはチャットツールを使うのかの選択は、共有する情報によっても異なります。そこで、上記にも示したように、情報を蓄積するときの記録方法や情報の種類などで、どのツールを活用するのかといったルールも明確にしておくことが大切です。

情報にアクセスしやすい環境を作る

働き方改革の推進や事業継続計画を立てるなかで、社員が社内で業務を行うだけでなく、自宅やコワーキングスペースや取引先へ向かう途中など、社外で業務を行うことも増えています。そうした場合、いつどこで業務を行っても会社が保有する情報にアクセスでき、情報漏えいの心配なく安心して使える環境が必要です。また、パソコンからのアクセス以外にもスマートフォンやタブレットといったさまざまな端末の使用にも適応しておかなければなりません。

情報を社内に展開する体制を作る

プロジェクトや営業活動のなかで得た情報、商品開発に関する情報など、さまざまな情報を社内の誰もが検索し、活用できる体制を作っておきましょう。営業担当者が商品開発に関する情報を活用する際、部署の壁によって自由に活用できないようでは情報が有効に共有されているとはいえません。共有されるべき情報は誰でも使えるように組織体制を整えましょう。

「話しやすい環境」を社内に作る

気軽に、互いが話をしやすい環境や雰囲気を社内に作ることも、情報共有の活性化につながります。ツールだけに頼るのではなく、実際に顔を合わせたコミュニケーションを可能とする環境を作りましょう。

情報共有の方法や環境作りのポイントに関して、以下の記事で解説しておりますので、興味のある方はご覧ください。
「情報共有を効率よく行うための方法」

5.共有して使える情報が資産になる

情報共有を会社が推進していても、社員に浸透しないケースがあります。情報共有ができない原因を探ってきたように、社員の意識に原因があるともいえるでしょう。情報共有をしても個人の成果や評価につながらない体制では、意欲的に情報共有をしようとする動きにはならないと考えられます。

情報共有というのは、単に情報を開示する、交換するだけのものではありません。個人が得た情報を蓄積し、プロジェクトメンバー間、あるいは会社全体で蓄積した情報を共有して活用することに意義があります。

自分が得た情報を共有することが他人に成果を出すチャンスを提供することになるという考えが存在する限り、情報共有を効率的に進めるのは難しいでしょう。また、社員は日々の業務に追われ、目の前のタスクを優先しがちです。こうした時間的な余裕のなさも情報共有が浸透しない原因かもしれません。

情報共有を浸透させるためには、情報共有することで、会社全体、ひいては自分自身の業務の効率化、成長にもつながるという意識を育て、それを企業文化として根付かせることが大切です。

さらに、使いやすい形で情報を蓄積していくことも必要です。情報は使えてこそ、次の活動を効率化させ、会社の活動を飛躍させていくための資産になります。

情報共有はどういうところに意義があるのかを改めて意識し、会社全体が納得して取り組むために、どのように情報共有していくべきかを考えてみましょう。

Jストリームでは、動画の活用により社内情報共有の促進をサポートしています。
最近では多くの企業が、動画の持つ「わかりやすさ」「情報の正確性」「記憶に残る」といった特性を理解し、社内情報共有のひとつの手段として動画の活用を始めています。

今後、動画の活用を検討される場合は、これまで培ったノウハウをご提供できればと思いますので、ぜひお気軽にご相談ください。

「動画で効率的な社内の情報共有を行いたい」
https://www.stream.co.jp/solution/information_sharing/

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