情報共有のメリットを理解して業務の効率化をめざそう

2022.07.26

J-Stream Equipmedia

社内情報共有

すべての仕事において、情報共有は基本です。そして、働き方の多様化が進む中、改めて情報共有の重要性が見直されています。スムーズな情報共有ができれば、業務は効率化され、企業の生産性は高まるでしょう。組織内で情報共有を進めていくには、まず社員が情報共有の重要性についてきちんと理解する必要があります。今回は情報共有の不足が引き起こす問題点を確認したうえで、情報共有によって得られるメリットを見ていきましょう。

1. 情報共有が必要な理由

チームワークを円滑に進めるためには、チーム内の情報共有が欠かせません。企業は複数の人が集まる組織なので、同じ部署やチームのメンバーとともに業務にあたるのが一般的です。その際、チーム内で業務に関する情報を共有し、タスクの進捗やトラブルの発生状況などを互いに把握し合わなければ、業務を円滑に進められません。

ときには、事業を進めるうえで、同じチーム・部署内だけでなく、他の部署と連携することもあるでしょう。そのような場合にも、チーム・部署間での情報共有が、業務を効率的かつ円滑に進めるカギとなります。

社員一人ひとりが経験を通して得た知識・ノウハウも、企業の資産であり、社員間で共有すべき情報です。なかには、他の社員より優位に立ったり自分の評価を高めたりするために、ノウハウを独占したがる社員もいるかもしれません。しかし、そのようなスタンスは企業の成長にとってマイナスです。企業全体の利益を考えれば、個々の社員が得たノウハウを全社員で共有し、将来に生かしていく必要があります。

情報共有のより基礎的なことに解説した記事をご覧になりたい方はコチラを一読ください。

2. 情報共有できないことで生じる問題点

本題である情報共有のメリットに目を向ける前に、まず情報共有ができていないとどうなるのかを考えてみましょう。情報共有が不足した組織で起こり得る問題点には、主に次のようなものがあります。

情報の属人化

企業では、「この作業は○○さんに任せておけば大丈夫」「この件は○○さんが専門だから」と、特定の業務をひとりの社員に委ねる状況が少なくありません。このように、一部の社員が特定の業務を担当することが常態化して、本人が望む、望まないにかかわらず関連のノウハウを独占してしまうことを、情報の属人化と呼びます。

このような状況は、優れた技能を持った頼れる社員に恵まれていると捉えられるでしょう。しかし、見方を変えると、優れた技能が社内で継承されない、特定の社員がいなくなれば対応できない業務があるという弱点をはらんでいます。

生産性の低下

情報共有が根付いていない組織では、多くの無駄が生じがちです。例えば、事務職の社員が、資料の作成方法に関して何人も同じ疑問を抱えているケースが考えられます。誰もがアクセスできるように解決策のノウハウが公開されていれば、全員が早い段階で疑問を解消し、次のステップに進むことができるでしょう。

しかし、社内で情報共有がされていないと、各社員が自力で調べたり先輩社員に聞いたりして、時間をかけて解決策を探すほかありません。このように、社内の至るところで同じような作業や行動が繰り返される状況は、効率が悪く、結果的に企業の生産性を低下させています。

組織力の低下

企業では、社員が結束して目標に向かって動くことで利益が生まれ、成長が加速します。日々の業務のなかで情報を共有することで、互いに理解し合って業務の流れがスムーズになり、職場の雰囲気も良好になっていくものです。しかし、いかに優秀な人材が集まっていても、目標や方向性、業務の進捗状況などを互いに共有せず、それぞれがバラバラに行動していれば、組織としての力を発揮することは難しいでしょう。

3. 情報共有することで得られるメリット

では、十分な情報共有ができている組織には、どんなメリットがあるのでしょうか。次に、主なメリットについて解説します。

知識の共有によって組織力が底上げされる

各部門の社員が経験を重ねて得た知識やノウハウを集めて管理し、誰にでもアクセスできる状態にしておけば、他の社員は多くの時間や手間をかけずにノウハウを得られます。知識やノウハウは、これまでの失敗例や成功例、直面した課題とその解決策などです。

新たな業務に挑むときも、回り道をせずに必要な知識とノウハウを習得できるので、効率的に業務を進められるでしょう。また、これまで新入社員の教育や異動時の引き継ぎのたびに、担当の社員が直接ノウハウや手順を教えるために費やしていた時間や労力も削減できるはずです。

また、膨大な情報をカテゴリーに分類して整理しておくと、社員が組織全体の状況を広い視野で把握できます。今まで考えられなかった新たなアイデアを思いつくなど、イノベーションのきっかけも生まれやすくなるでしょう。このように、知識が共有されることで社員一人ひとりの能力が高まり、結果的に組織力の底上げにつながるのです。

時間の無駄が減り、業務が効率化する

情報共有を重視する企業の多くは、チャットや書類の編集、ビデオ会議などの機能を搭載した情報共有ツールを導入しています。それらのツールを使用すれば、効率的で無駄の少ない情報共有が可能です。

情報共有ツールを導入して社内でスムーズに情報共有できる環境が整えば、情報をカテゴリーやグループごとに分類して管理できます。今までより簡単にチームメンバーのスケジュールやタスクを把握でき、一度に複数の人と連絡を取り合えるでしょう。さらに、情報共有ツールには、スマートフォンやタブレットなどを使って外出先からもアクセスできるため、スキマ時間を活用した情報共有も可能です。

これまで情報の伝達や管理に費やしていた時間がぐっと短縮され、何度も説明する手間や伝え漏れも減るため、情報共有はもちろん業務自体がより効率的に進むようになるでしょう。日報や報告書の作成に費やしていた残業時間も減るかもしれません。

意思決定が迅速になる

意思決定のスピード感は、企業の競争力を左右する要素です。トラブル対応や商品開発、新たな契約の締結といったシーンで、企業がなんらかの意思決定をして具体的な対応に出る際には、判断材料として多くの情報が必要とされます。スムーズな情報共有ができるようになれば、当然ながら、意思決定のスピードも向上するでしょう。

社内コミュニケーションが活性化する

テレワークやフレックスタイム制などの定時出社にとらわれない働き方の社員が増えるなかで、いかに社員同士のコミュニケーションを活性化するかが企業の課題となっています。

情報共有の習慣が定着すれば、社内のコミュニケーションにも良い影響を及ぼします。特に情報共有ツールを使うと、普段は顔を合わせないテレワークのメンバーや、他部署や支社・支店の社員とも連絡がとれるため、コミュニケーションの幅が大きく広がるでしょう。

また、知識やノウハウを気軽に共有し合うようになれば、社員同士の議論や相談が活発になり、役職や世代の壁が次第に取り払われて、職場全体の風通しがよくなることが期待できます。

ただし、チャットなどで便利にコミュニケーションがとれるため、対面でのコミュニケーションが減る可能性もあります。その対策として、日常の情報共有とは別に、交流会やランチミーティングといった情報交換の機会を設けるといいかもしれません。

4. 共有する情報の種類「形式知」と「暗黙知」について

情報の共有には「形式知」と「暗黙知」の2種類があります。それぞれどう違うのか説明いたします。

形式知

形式知は知識を文章や図解、数値などによって、誰が見てもわかるような形式で客観的に表したもののことを言います。マニュアルや説明書は、形式知に当てはまります。

暗黙知

個人の経験や勘に基づいた感覚的な知識のことを暗黙知と言います。他人に説明することが難しく、説明するには時間がかかります。例としては、職人技や、交渉上手な営業マンの営業方法などがあげられ、職種関係なく暗黙知を持っている人がいます。

5. 情報共有のやり方

社内で情報共有はどのように行えば、良いのでしょうか。ここからは具体的な情報共有の方法についてご紹介いたします。

社内ミーティング

各部署で何気なく行っている社内ミーティングも情報共有の方法の1つです。定期的にミーティングを行い、情報を交換するのもとても大事な情報共有の方法です。社内ミーティングではチームメンバーの過去の事例や顧客に関する情報の共有にとても有効です。対面でのミーティングだけでなく、ツールやチャットでWebやインターネットを活用し、ミーティングを行うこともできます。定期的に情報を共有できる上に社員同士のコミュニケーションを促す場にもなります。

ExcelやGoogleスプレッドシートなどアプリケーションソフト

ExcelやGoogleスプレッドシートなどのアプリケーションソフトを用いても情報共有を行えます。過去の事例や顧客からの問い合わせ内容などをファイルに記載して、共有することが可能です。

Excelは多くのビジネスパーソンが使い慣れているツールですし、「共有ブック」をオンにしておけば、共有フォルダやクラウド上のファイルを、複数のユーザーが同時に更新でき便利です。

GoogleスプレッドシートはWeb上のアプリケーションソフトで、複数人で同時に閲覧・編集することができます。Googleアカウントがあれば使用できます。日報やマニュアル、議事録などを共有する際、Googleスプレッドシートはとても便利です。

情報共有ツール

情報共有ツールを導入すれば、以前までの方法よりもスムーズかつ簡単に情報共有ができるようになります。社内情報共有ツールにはさまざまなものがあり、スケジュールや顧客情報を管理するもの、簡単にチャットできるものなどがあります。リアルタイムで複数の社員が情報を共有・活用できるためファイル送信データ分析などが時間短縮され、業務が効率化します。

6. 情報共有の失敗例

ここでは情報共有の失敗例をご紹介します。

情報共有ツールがなかなか浸透しない

ビジネスチャットや社内SNSなどのツールを社内コミュニケーション活性化のために導入したが、ツールの浸透自体が上手くいかなかった事はなかったでしょうか?情報共有ツールが浸透しないまま、結局今まで通りに社内メールや口頭ベースなど自分たちが慣れている方法で共有してしまい、社内の関係各所に公平に情報が伝わらないなどのようなことがあるかもしれません。最悪の場合、情報の漏れからトラブルが発生する可能性もあります。

そもそもツール自体を使用してくれない

ツールの使い方のレクチャーをしても使えない・使い慣れないなどの理由から使わない人もいます。上司のような情報共有時に重要な人物がツールを使用しないと、その下の社員も使用しなくなり、ツールの導入が上手くいかないという事態になることもあります。

人によってツールの使い方が違う

Excelを使用し、日報を書いて共有してもらう場合、ある人はExcelを共有サーバーにアップし、ある人は社内メールで送信するなどのようなことは起こります。同じ情報共有ツールを使っていても、共有方法を統一しておかないと、人によっては共有方法が違い、残念な状態になってしまいます。

7. 情報共有をうまく行うためのポイント

ここからは失敗例を活かしながら、社内の情報共有をスムーズに進めるためのポイントを解説します。

【ポイント1】情報を共有する環境を作り・意義や目的を明確にする

まずは情報を共有できる環境を整えなければなりません。ただ闇雲にツールを導入しても失敗する事が多いので、導入前に準備が必要です。導入するツール選びも企業が抱える問題によって変わってきます。自社の状況・課題を把握し、どのような対策が必要かリスト化して、どんなツールが必要かを考えましょう。
また、情報共有を行う意義や目的を明確にし、全社員に情報共有の必要性や意義・目的を周知する必要性があります。どうして情報共有を行うのかがわからなければ、ツールの活用を積極的に行ってくれない可能性があります。

【ポイント2】情報発信の担当者を作る

情報共有やツールがより浸透するように、情報発信の担当者を決めておくといいでしょう。担当者が決まっていれば、何かわからないことがあればその人に聞けばいいですし、担当者が積極的に社内周知を行えば、浸透しなくてツールを使わないことも少なくなるでしょう。

【ポイント3】ルールを決める

社内の情報共有をスムーズに行うためには、情報の共有方法などについてルールを決めることが大事になってきます。情報共有のルールは、何のツールをいつ使うのか、共有する情報の種類などを決めておくといいでしょう。ルールが決まっていないと、みんなそれぞれ違うツールを使ったり、違う共有方法で共有したりすることになり兼ねません。ルールが明確に決まっていれば効率的に情報を共有することができるでしょう。

【ポイント4】情報を積極的に発信する人を評価する

情報共有ツールを導入しても使わない人がいるのは、使わなくても大丈夫な状況も影響しているからだと考えられます。情報を積極的に発信する人やツールをきちんと使っている人が評価されれば、自ずとみんな情報共有ツールを使用し、情報を共有するはずです。積極的に情報共有ツールで情報を共有し、会社にとって良い行動をするメンバーを評価するシステムを作れば、周りも積極的に情報発信をしてくれるようになります。

8. まとめ

社員同士で情報を共有することは、企業にとって、組織力の底上げ、業務の効率化など、多くのメリットをもたらしてくれます。一方、情報共有が不足していると、企業の成長を止めてしまう問題が生じるかもしれません。社内の情報共有を進めるには、社員一人ひとりが、情報共有できないことで生じる問題点と情報共有から得られるメリットを理解し、意識を高めることが重要です。

現場の社員ができる限り情報共有をしているつもりでも、実際は伝え漏れが多かったり、伝達の二度手間が生じていたりするケースもあります。それは、効率的でスムーズな情報共有が行われる環境や仕組みが整っていないからです。最大限にメリットを得られるよう、改めて自社の情報共有のあり方を見直してみてはいかがでしょうか。

Jストリームでは、動画の活用により社内情報共有の促進をサポートしています。
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今後、動画の活用を検討される場合は、これまで培ったノウハウをご提供できればと思いますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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