2017.02.13
動画企画制作
インターナルコミュニケーション
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動画内製化
社員紹介やユーザーボイス、商品担当者の開発秘話など多様な場面で活用できるのがインタビュー動画です。大幅な編集が不要なことが多く内製化しやすい動画であるものの、編集が少ないからこそ出来上がりの良し悪しは「事前準備」と「撮影」で大部分が決まります。
そこで今回は、インタビュー動画を撮影する際にまず押さえておくべき「被写体の目線」「被写体と画面の比率」「被写体を撮る角度(アングル)」「事前準備と当日の進行」「インタビューのコツ」について解説します。
インタビュー対象者を真正面から撮影し、ずっとカメラ目線が続く映像は視聴者に圧迫感を与えてしまいます。もちろん、社長や経営層などトップのメッセージを伝えたい場合には効果的ですが、一般的なインタビューでは目線をカメラから外して撮影することをお勧めします。
目線を外す場合、カメラ、インタビュアー、インタビュー対象者が三角形になるような配置で撮影します。三角形の一角にインタビュアーがいることで、インタビュー対象者の目線が安定します。
図1
※プロがインタビュー動画を撮影する場合、2台以上のカメラを同時に使うことが多いですが、今回は動画の内製を想定し、一般的なカメラ1台で解説しています。
さらに、画面を縦横にそれぞれ三分割したラインにインタビュー対象者が来るように撮影しましょう。
図2
これは絵画やデザインでも用いられる三分割法とよばれる手法で、バランスの取れた安定した構図になります。
インタビュー対象者の目線を右側にする場合は、図1と反対のカメラ配置で、図2の構図も左側のラインに対象者が来るように撮影してください。
1本の動画で複数人にインタビューする場合は、人ごとに左目線、右目線と変えることで動画にリズムを持たせることができます。ただし、同一人物へのインタビューで、左目線、右目線の撮影を混在させるのは、視聴者に位置関係を混乱させるので避けたほうが良いです。
目線が真正面を向いたシーンを撮影する場合、被写体の正面にカメラを置き、カメラの後方にインタビュアーが立ちます。先ほど「一般的なインタビューでは、目線をカメラから外して撮影するのがお勧め」と書きましたが、ラストで視聴者へ強く語り掛けるメッセージなど、重要なポイントで真正面の目線を使うのは効果的です。
なお、質問をテロップで表示する場合には、表示する場所を考慮して構図を決める必要があります。例えば、テロップを画面下部に表示するのであれば、撮影時に下部のスペースがやや大きめになるように構図を決めてください。
目線が決まったら、画面の中でインタビュー対象者をどれくらいの比率で撮影するか決めましょう。
大きく分けてロングショット、ミディアムショット、アップショットの3つがあり、インタビューでよく使われるのはミディアムショットです。
図3
ミディアムショットはさらに、ニーショット、ウェストショット、バストショットに分類されます。インタビュー対象者に寄る(画面内でインタビュー対象者の比率が高くなる)ほど背景など周囲の情報量が少なくなり、メッセージ性を強めることができます。
また、カメラが1台でも動画にメリハリを出すため、インタビューの前半はウェストショット、後半をバストショットで撮るという手法もあります。
インタビュー対象者を撮る角度のことをアングルと言います。アングルは3つあり、それぞれによって視聴者に与える印象が変わります。下記のような特別な意図がある場合を除き、インタビュー対象者に目線を合わせた水平(目高)と呼ばれる自然な角度での撮影を基本にしましょう。
名称 | 印象 |
---|---|
俯瞰/ハイアングル/ ハイポジション |
インタビュー対象者を上から見下ろす角度での撮影。 俯瞰で撮ると小さな印象を与えたり、人物を弱く感じたりする。 |
水平/目高(めだか)/ アイレベル |
インタビュー対象者に目線を合わせた自然な角度での撮影。 普段見慣れた高さなので安定感があり、親しみや公平な印象を与える。 |
あおり/ローアングル | インタビュー対象者を下から見上げる角度での撮影。 大きさが強調されやすく、迫力を表現することができる。 |
また撮影時は、演出として手持ちの揺れを加える場合や、イベント会場やニュースでのインタビューなど撮影スピード優先するものを除いて、三脚を使用するとよいでしょう。明るさの調整や光の当て方、インタビューでも重要な音声の質などについてはこちらの記事もご覧ください。
インタビューに限らずですが、撮影の準備は非常に重要です。8割のちからを使うくらいのつもりで臨みましょう。
[準備]
[当日]
挨拶後、いきなりカメラを回してインタビューを始めては緊張してしまいます。インタビューの前に職場や業務風景の撮影をすることでインタビュー対象者と打ち解けることができます。また、リラックスした環境でインタビューや撮影が進められるような雰囲気作りや、スケジュールを心がけましょう。
対談形式での撮影であれば普段どおりに会話をして問題ありませんが、インタビューの場合は動画撮影ならではの注意が必要です。編集時にインタビュアーの質問をテロップで表示する、もしくは表示しなくても内容が繋がる構成にする場合には、インタビュー対象者が喋っている間、インタビュアーは声や音を出さないようにしましょう。しかし、ただ黙っているのではなく、笑顔で無音の相槌をうつなど、相手が気持ちよく喋れるように振舞ってください。また、相槌が無音になる点は、開始前にインタビュー対象者に説明しておきましょう。
質問の仕方にもコツがあります。まずは大きな質問からはじめて、相手が一通り話し終えたところで、さらに詳しく掘り下げる質問をしていきます。
・ちなみに、○○についてはどのようにされたのですか?
・具体的には、どのように進められたのですか?
「ちなみに」「具体的に」という言葉で次の質問につなげると、聞き方が少しやわらかくなります。
もし、想定していたような言葉や話題が出ない場合、「○○という課題について、△△したことで解決されたと聞いたのですが…」というように、答えを引き出す質問をしていきます。
動画の場合、質問に対して「そうです」「はい」「問題解決できました」というように、短く答えられると、編集時に使いにくいコメントになってしまいます。例えば、「○○という課題が元々あったのですが、△△したことで解決できました」といったように、インタビューの質問を含んで回答して欲しい旨を、撮影開始前に伝えておくと良いでしょう。
また、「~で、~で」と接続助詞が連続してしまうと編集時に一部分を切ることが難しくなるため、接続助詞が連続しない程度に「~です」と言い切ってもらうようにしましょう。
もう一つ、インタビュー対象者が考えをまとめる時間をあせらずに待つことも大切です。質問に対して直ぐに回答が出てこなくても、沈黙や間は編集で調整ができます。 逆に、インタビュアーの質問が終わらないうちに回答をされてしまうと、声が被っている部分が使えなくなってしまいます。質問が終わってから、一拍置いて話し始めて欲しいと事前に伝えておくと良いでしょう。
インタビュアーは、質問の仕方や回答内容に注意をしつつも、進行全体を俯瞰しながらインタビューを進めます。必要なコメントやシーンが収録できたら、撮影は終了です。
以上、インタビュー動画を撮影する際の、「被写体の目線」「被写体と画面の比率」「被写体を撮る角度(アングル)」「事前準備と当日の進行」「インタビューのコツ」について解説しました。撮影の後には編集工程がありますが、撮影や編集のテクニックはプロの制作した動画を見ると参考になることも多いと思います。ぜひ下記動画もご覧になってください。
日本ヒューレット・パッカード株式会社 様 「ワークステーション導入事例紹介」動画
慶應丸の内シティキャンパス 様 Jストリームユーザーインタビュー動画
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