5Gの通信速度はホントに速い? 光との比較やメリットに加え動画配信への影響も解説

2022.07.29

動画配信

5th Generation、第五世代の移動通信システムである5Gは、通信速度の速さがメリットのひとつです。大容量の情報を超高速で伝達できる5Gが普及すれば、他の通信システムはどうなるのでしょうか? この記事では、5Gが誇る通信の速さやその他のメリットとともに、4Gや光回線との比較、5Gが動画配信やビジネス・生活シーンでどう活かされるかなどを解説します。

1. 通信速度は5Gの特徴のひとつ

「超高速大容量」は第1のメリット

2020年3月に国内3大キャリアが、同年10月には楽天モバイルがサービスを開始したことでも注目を集めた5Gですが、メリットの一つは「短時間でより多くのデータをやり取りできる」という超高速大容量です。従来システムの4Gの規格は下り1Gbps超・上り100Mbpsです。5Gの達成目標は下り最大20Gbps・上り最大10Gbpsとなっており、理論上は4Gシステムと比較して、下りは20倍、上りでは100倍です。
下りで20倍の速さがあれば、5分かかっていたデータのダウンロードは15秒で終わる計算です。ここまで短縮できれば、時間を有効に使えるでしょう。また、単に大きなひとつのデータをダウンロードする際だけではなく、たくさんの事項をWeb検索して調べものをしたり、複数のサイトを縦横無尽に遷移しながらさまざまなコンテンツへアクセスしたりする際にも、かかる総時間を短縮できます。

しかし、それは5Gがもつメリットのひとつに過ぎません。5Gには速度の優位性以外にも「低遅延」「多数端末接続」といったメリットがあります。

メリット2「低遅延」

通信の品質を語る際の要素に遅延があります。遅延とは、データを送信して受信までにかかる時間のことです。基地局からデバイスへとデータが届くにはタイムラグが生じてしまいます。
一般的に4Gの遅延が1/100秒といわれていますが、理論上の5Gの遅延は1/1000秒とされており4Gの1/10です。
5Gの低遅延は、遠隔医療や遠隔操作などの分野を中心に活用が期待されています。また身近なところでは、大容量のストリーミング配信に加え、メタバースやeスポーツなどでも5Gの普及により体験の向上が期待されています。

メリット3「多数端末接続」

5Gには、基地局一つにつき従来よりも多数のデバイスを同時に接続できるメリットもあります。その数は4Gの10倍と見込まれており、1平方キロ当たり100万台です。数多くの通信端末、家電等のネットワーク機器を同時接続できる5Gの登場により、さまざまな分野で新しい動きがうまれています。さらに、農林水産業や交通、建設、スマートシティ、観光産業などにおける経済効果への期待感も高まっています。

2. 数値を他の通信システムと比較してみる

5Gには、企業や自治体が独自に構築可能な5Gシステム「ローカル5G」もありますが、ここでは通信キャリアがサービス提供を開始した5Gサービスに絞って、速度など数値比較をしていきます。

ライバルは4Gと光?

2022年現在の移動系通信システムは4Gが広く普及しており、5Gはこれを追いかけるカタチになっています。また、高速通信といえばベストエフォートで最大1Gbpsを出せるとされる光回線が思い浮かぶでしょう。

総務省が発表している資料によれば、2021年9月の時点で移動系通信(携帯電話・PHS・BWA)における5Gの契約数は2,922万件で、LTE(3.9-4世代移動通信システム)は1億4,633万件となっています。注目すべきは、この1年前からLTEは件数が下降線を描いている点です(※1)。
FTTH(光)回線については、3,599万件で緩やかな上昇線を描いています(※2)。

※1 出典:総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和3年度第2四半期(9月末))別紙 P.2」
※2 出典:総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和3年度第2四半期(9月末))別紙 P.8」

各回線の実測値

「みんなのネット回線速度」では、ユーザーが多数投稿した通信速度レポートを公開しており、レポートによると、4Gに比べ5Gは早いものの、20倍速いといった理論上の差までは必ずしも生じていないことがわかります。実際の通信速度は、「基地局と端末の距離」「基地局と端末の間の障害物」「端末側の不具合」といった、さまざまな要素が絡み合った結果だからです。

3. 4Gや光は消えてしまうのか?

世代交代は歴史的事実

日本において個人の携帯電話利用拡大を牽引してき3Gの携帯電話サービスが、2026年3月のドコモを最後にサービス終了を迎えようとしています。世代交代により旧システムが表舞台から姿を消すのは必然です。

ただし、2001年に始まった3Gが長く活用されたように、4Gも消えるのはまだまだ先の話だと考えられています。前述したように、LTE回線(3.9-4世代移動通信システム)は契約件数が減少傾向にあるとはいえ、令和に入っても1億を大きく超える契約件数を誇っており、現状では移動通信の中核をなすシステムです。

また、5Gには1つの基地局でカバーできるエリアが、4Gよりも狭いという電波の特性があります。そのため、4Gと同等のエリアをカバーするためには、まだまだ設備の拡充が必要です。5Gの普及・整備具合によっては4Gの引退が早まる可能性がないとはいえないものの、現時点で消えてしまう心配をする必要は少ないでしょう。

光は5Gにとって必要なインフラ

5Gと光回線は、情報通信の速度を競い合う点ではライバルと呼べるものの、通信インフラとしての存在意義を考えたときは事情が異なります。光ファイバー通信網は5Gとライバル関係にあるとはいえない存在です。

そもそも5Gが無線による移動通信システムであるのに対し、光回線は有線接続システムである点で根本的に異なるため同列には語れません。基本的に光ファイバーケーブルがつながっていれば品質を損ねずに安定的に通信できる基盤です。
光ファイバーによる超高速ブロードバンド基盤は、これからの移動通信を担う5Gの中継回線として、速やかな全国完全整備が待たれている状況にあります。つまり、5Gとともにさらなる成長が期待されているところです。

インフラ面の観点とは別の話として、利用ユーザー側の使い方を見た場合でも、移動通信には「5G」を、有線接続できる環境では「光」といった5Gと光の併用が、今後もおすすめといえるでしょう。

4. 5G普及で動画配信やビジネス・生活シーンはどう変わる?

遠隔操作で仕事が変わる

5Gの活用が期待されている分野の中でも、遠隔操作はこれからの暮らしに大きな影響を与えるものとして注目を集めています。

  • リモートプロダクション
  • 遠隔診療
  • 自動運転

リモートプロダクションは新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うテレワークやリモート環境推進の流れの中で、中継現場の人員を削減する手段として注目されています。高速大容量で低遅延、同時多数接続が可能な5Gとマッチングすることで、一層の利用拡大が可能です。

また、医療や自動車の運転といった「ちょっとしたミスも許されない」業務にも、5Gのメリットが活かされます。医師の少ない地方や離島などの患者を遠隔診療したり、ドライバーの負担軽減や人員不足をカバーしたりといった使い方に期待が集まるのも5Gだからこそです。

映像技術を駆使した世界が変わる

5Gの普及によって社会が変わるとまでいわれています。たとえば映像技術を駆使した世界への影響です。

  • 対戦型オンラインゲーム
  • ライブ会場やスポーツイベントでのAR活用

従来の移動通信システムでは速度やその他のスペック的に、精細で動きの激しい映像を扱うことは難しい状況でした。そのため、複雑な対戦型オンラインゲームなどはパソコンと光回線、ゲームチェアを備えた室内で行われることが多かったといえるでしょう。しかし、5Gによって場所を選ばず対戦環境を用意できる期待が高まっています。

また、ライブ会場やスポーツイベントの来場者向けのサービスとして、AR(拡張現実)を活用したタイムリーな情報提供が可能です。さらに、VR(仮想現実)をミックスした臨場感あふれる中継配信ができるなど、5Gのメリットを活かすことで楽しみ方が増えます。

5Gがもたらす動画配信への影響

5Gの特徴である低遅延の超高速大容量通信によって、前述の映像技術を積極的に採り入れた高品質な動画配信が容易になります。それぞれ際立った特徴のあるコンテンツが制作され、動画配信は新しい局面を迎えるでしょう。VRをはじめとして、4K・8Kの高画質、視聴者が操作しながら視聴ができるマルチアングルなど、様々な動画配信の手法が登場してきています。

またライブ配信や動画の視聴だけでなく、5Gの上りの通信速度の速さにより、外出先などからの動画アップロードもより活発になるでしょう。このような相乗効果により動画の利用は一層伸びることが予想されます。

5. 5Gの通信速度を有効活用する考えが大切

ここまで、5Gが誇る通信の速さやその他のメリットとともに、4Gや光回線との比較、5Gの普及で動画配信やビジネス・生活シーンがどう変わるかなどを解説しました。
5Gの「超高速大容量」「低遅延」「多数端末接続」といったメリットは、動画配信を始め様々な情報の通信やオンライン上のコミュニケーションの可能性を大きく広げていくでしょう。しかし、現在はまだ移動系通信の分野では4Gがメインとなっています。だからこそ、5Gをどう活かすかを考えることが重要だといえるでしょう。

当社は1997年の会社設立以来、インターネットにおける動画配信の先端企業として様々な情報発信やコンテンツ配信の手法を提供し続けてきました。今日では提供したい情報にあわせたコンテンツの企画制作やウェブサイト構築・運用、あらゆる端末に対応した高品質で安定した配信サービスまでをワンストップで提供しています。

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