2022.06.30
ライブ配信サービス
エンターテインメント
2020年大きく落ち込んだライブ・エンターテインメント市場規模は、2023年までにコロナ前の水準まで復活する見込みとの予測を「ぴあ総合研究所」が発表しています。
オンラインライブは、エンターテインメントの楽しみ方の一つとしてすでに定着しましたが、リアルライブが開催できる状況となり、今後のライブ配信には開催方法や見せ方の工夫が必要となるでしょう。そこで今回は、エンターテインメント業界向けに、新しいライブ配信の見せ方をご紹介します。
(出典:ライブ・エンタテインメント市場がコロナ前の水準に回復するのは、最短で2023年 / ぴあ総研が将来推計値を公表(2021年09月27日))
《 目次 》
VR元年と呼ばれたのは2016年のことですが、VRを利用したライブ配信はまだまだ一般化していない、新しい見せ方といえます。
VRライブ配信では、通常のライブ配信にはない没入感や臨場感が得られます。例えば人気アーティストのコンサートの場合、コンサート会場では、遠い座席しか確保できないような場合はよくあります。一方VRライブ配信なら、アーティストを目の前にした、まるでアリーナ席に居るかのようなライブ体験も可能になります。
ライブ配信には、高画質映像のエンコードに対応した機材と、SRTなどの次世代伝送プロトコルで低遅延かつよりパケットロスが少ない状態でサーバーへと送るといった仕組みが用いられます。
ハイレゾとは、「ハイレゾリューションオーディオ」の略称で、音楽CDまたはDAT(デジタルオーディオテープ)を超える音源に対して用いられる言葉です。一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)がその基準値を定めています。
ハイレゾは音の情報量が多く、生の音に近い臨場感が魅力です。ただし、通常のライブ配信では通信量を抑えるために、映像や音の圧縮や劣化が起こってしまいます。ロスレス配信とは音に対する圧縮技術で、ライブ配信に用いることで音の情報の欠損が少ない状態で視聴者に届けることができます。
このような、生の音に近いハイレゾ音源を4Kの高画質映像と組み合わせることで、ライブ配信の視聴体験品質が向上します。
視聴者が動画の操作(スワイプ、ピンチイン/ピンチアウト)で、好きなカットの選択やズーム等ができる、新しいライブ配信の見せ方です。視聴者ごとの好みに合わせたシーンが選べることに加え、表情や衣装の細部まで見ることができます。
複数のカメラ映像をあらかじめカット割りし配信するのではなく、ユーザー自身が好きなカットを選択し視聴します。
実現の仕組みの一例ですが、8K映像を1台のカメラで撮影、サーバーで元映像から複数のアングル・解像度の映像タイルをリアルタイムに生成し配信します。視聴者は専用のアプリを用い、全体や任意のカットを切り替えながら視聴します。
VR映像とマルチアングル映像を組み合わせたライブ配信です。「8Kウルトラズームライブ配信」と部分的には似ていますが、「スーパーインポーズ」ではVR映像を上下左右にスワイプしながら自由な視点で視聴することが可能です。加えて、視聴画面内にある複数の2D映像からいずれかを選択することで、選択したアングルからの映像に切り替えて視聴することができます。VR映像とマルチアングルの組み合わせにより、現地にいるような臨場感のある体験が可能となります。
2020年大手SVODサービス(定額制動画配信サービス)でウォッチパーティ機能が追加されました。オンデマンド配信やライブ配信を友人や離れて暮らす家族などと別々の場所から同時に視聴する新しいスタイルは、共同視聴として広がりつつあります。
共同視聴では、参加者同士のWebカメラ映像や音声・チャットを共有しながらライブ配信映像などを視聴します。距離の壁を越えて、みんなで体験を共有できる共同視聴は、新しいコミュニケーションスタイルとして、「ファンとアーティスト」「ファンとファン」をつなぐインタラクティブな仕掛けとしても注目されています。
2020年には、Epic Games社のオンラインゲーム「Fortnite(フォートナイト)」がアーティストライブを実施したことで話題となったように、メタバースでのライブイベントは既に始まっています。
メタバースはインターネット上の仮想空間でありながら、現実世界のイベント体験と似た性質も持っています。友人同士で参加したり、参加者同士が会話をしたり、グッズを購入したりといったことも行われます。空間内でのイベント会場までの移動といった工程も、ここまで紹介してきたライブ配信とは異なる部分です。
メタバースはエンターテインメント領域以外でも注目されており、今後も進化が期待されます。
以上、エンターテインメント業界向けに、新しいライブ配信の見せ方を紹介しました。5Gや、4K・8K対応端末の普及なども後押しとなり、これからもライブ配信は進化していくでしょう。当社は、動画配信のエンタメテックパートナーとして、「こだわりのあるデザイン」「機能を持った独自のプラットフォーム」「サービス開発」などで多彩な映像体験をご支援しております。
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