Web講演会は開催後が本番。医師の理解促進を支えるフォローアップ設計とは

Web講演会は開催後が本番。医師の理解促進を支えるフォローアップ設計とは

医師向け講演会やWebセミナーでは、「集客」「参加率」「視聴完了率」が重視されがちです。しかし、医師向け情報提供は講演会の視聴だけで完結するものではありません。医師は講演会視聴中も複数の情報源を参照しながら理解を深めています。重要なのは、講演会終了時点ではなく、その後に医師の理解や処方検討がどのように進むかです。

本記事では、Jストリームが実施した2026年調査をもとに、医師が講演会後に求める情報と、効果的なフォローアップのあり方を考察します。

製薬会社主催の講演会に対する医師の評価 《2026年調査》

1. 医師の多くは、講演会後の情報を求めている

まず注目したいのがフォローアップニーズです。調査によると、講演会参加後に何らかのフォローアップを求める医師は47%でした。つまり、講演会を視聴した医師の多くは「視聴して終わり」ではなく「後から確認できる情報」を求めています。

講演会参加後の製薬企業のフォローアップニーズ【全体】

株式会社ーム 製薬会社主催の講演会に対する医師の評価 《2026年調査》より:講演会参加後の製薬企業のフォローアップニーズ【全体】

※ 前回調査:製薬会社主催の講演会に対する医師の評価 《2025年調査》

2. 行動意欲の高い医師ほど、フォローアップを求めている

本調査では、Web講演会への参加姿勢や視聴後の行動特性にもとづき、医師を4つの視聴行動モデルに分類しています。

その中でも注目したいのが、講演内容を診療や院内共有に積極的に活用する「セグメントA(臨床展開層)」です。フォローアップに対するニーズも、他のセグメントと比べて高い傾向が見られました。

セグメント詳細【セグメントA】

株式会社Jストリーム 製薬会社主催の講演会に対する医師の評価 《2026年調査》より:セグメント詳細【セグメントA】

この層は、

  • 内容を最後まで視聴する
  • MRへ問い合わせる
  • 院内共有を行う
  • 症例検討につなげる

といった特徴を持ちます。

そしてこの層では、98%が何らかのレポート資料の受領を希望しています。

Web講演会の終了後に受領したいレポート資料の形式【セグメント別】

株式会社Jストリーム 製薬会社主催の講演会に対する医師の評価 《2026年調査》より:Web講演会の終了後に受領したいレポート資料の形式【セグメント別】

※D:Low-Interest Low-Engagementはn=28のため参考情報

3. 医師はなぜ“サマリー資料”を求めるのか

講演会終了後、すぐに処方変更や新薬採用の判断が行われるわけではありません。

実際の診療現場では、

  • 患者を前にしたとき
  • 類似症例に遭遇したとき
  • 新しいエビデンスを比較するとき

に再度情報が必要になります。

調査では、サマリー資料の利用シーンとして「診療中に確認したい情報が出てきたとき」が最も多く挙がっています。医師にとってサマリー資料は、診療現場に戻った後に講演内容を再活用するための「実務ツール」として期待されているのです。

4. 動画にも“ちょうどよい長さ”が求められている

講演会終了後に望ましいコンテンツとしては、「そのままの内容でのオンデマンド配信」が最も多い結果となりました。

Web講演会後に望ましいコンテンツ【全体】

株式会社Jストリーム 製薬会社主催の講演会に対する医師の評価 《2026年調査》より:Web講演会後に望ましいコンテンツ【全体】

一方で、ダイジェスト動画を希望する医師も4割を超えており、その長さとしては5〜10分程度が支持されています。

Web講演会終了後、ダイジェスト版として適している動画の長さ【全体】

株式会社Jストリーム 製薬会社主催の講演会に対する医師の評価 《2026年調査》より:Web講演会終了後、ダイジェスト版として適している動画の長さ【全体】

この結果から、講演会終了後にはフル動画を提供するだけでなく、短時間で要点を振り返られるコンテンツも併せて提供することが有効だと考えられます。

5. “講演会後のコミュニケーション”をどう設計するか

ここまで見てきたように、医師は講演会の内容を一度視聴しただけで理解や判断を完結させているわけではありません。実際には診療現場に戻った後も、必要な情報を確認したり、エビデンスを読み返したりしながら理解を深めています。

また、求める情報の形式や活用方法は医師によって異なります。講演会後にどのような情報を提供するかによって、その後の理解促進や行動変容の度合いも変わってくる可能性があります。医師向け施策では、講演会を開催して終わりにするのではなく、医師の行動やニーズに合わせたフォローアップを設計することが重要です。

同じフォローアップでは医師に届かない

調査では、各セグメントで求める形式に違いが見られました。

セグメントA
(臨床展開層)
セグメントB
(情報取得層)
セグメントC
(ながら視聴層)
セグメントD
(関心低層)
求める形式サマリーレポート
エビデンス資料
詳細情報
ガイドライン整理
要点サマリー
トピック別資料
ダイジェスト動画
Tips集
5分以内の要約
一枚資料
ニーズ深く理解したい
院内共有したい
効率的な情報収集理解補完しやすい情報収集時間が短い

医師の情報収集スタイルが異なる以上、フォローアップの形式も一律ではなく、ターゲットに応じて設計する必要があります。

Web講演会を単発施策で終わらせない

Web講演会は一度の配信で完結する施策ではありません。

むしろ、

  • 講演会
  • サマリーレポート
  • ダイジェスト動画
  • 関連資料
  • MRフォロー

まで含めて設計することで、初めて継続的な情報提供になります。特に製品情報の提供や疾患啓発施策では、医師が必要なタイミングで情報へ再アクセスできる環境が重要です。

AI活用でフォローアップの実現性は大きく変わる

かつては「動画編集」「要約作成」「レポート制作」に多くの工数が必要でした。しかし現在では、生成AIの活用により「サマリー生成」「議事要約」「ダイジェスト制作」を効率化できるようになっています。

その結果、講演会ごとにフォローアップコンテンツを展開しやすくなっています。従来は工数面から難しかったフォローアップ施策も、AIの活用によって現実的な選択肢になりつつあります。Web講演会は単発施策ではなく、継続的なコミュニケーションの起点として捉えることが重要です。

6. まとめ:“フォローアップ設計”が成果を左右する

今回の調査から見えてきたのは、医師が求めているのは講演会そのものではなく、診療現場で再活用できる情報であるということです。

特に情報活用に積極的な医師ほど、

  • サマリーレポート
  • エビデンス資料
  • ダイジェスト動画

などへのニーズが高いことがわかりました。

医師向け施策では、講演会の開催をゴールとするのではなく、その後の理解促進や行動変容につなげるフォローアップ設計が重要になります。講演会を単発施策として終わらせるのではなく、継続的な情報提供の起点として活用することが、より効果的な医師向けコミュニケーションにつながるでしょう。

調査レポートでは、医師が求めるフォローアップや情報活用の実態についてさらに詳しく紹介しています。全ての調査項目と結果をご覧になりたい方は、下記より調査資料をダウンロードしてご確認ください。

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