
医師向け講演会やWebセミナーでは、医療メディアやMR活動など複数の接点を組み合わせながら医師とのコミュニケーションを図るケースが一般的です。しかし医師は、講演会をただ受動的に視聴しているわけではありません。
Jストリームが実施した2026年調査では、医師の84%が講演会視聴中に何らかの情報検索を行っていることが明らかになりました。さらに、一部では生成AIの活用も始まっています。本記事では、医師の情報収集行動の変化から、これからの医師向け情報提供のあり方を考察します。
製薬会社主催の講演会に対する医師の評価 《2026年調査》
《 目次 》
従来の講演会運営では、医師は講演内容を順番に聞いて理解することが前提でした。しかし調査では、特に調べないとする医師は16%にとどまり、84%の医師が講演会視聴中に別の情報源を確認していることが明らかになりました。

つまり現在の医師は、講演を聞きながら
という行動を同時に行っています。
前述の調査結果からわかるのは、講演会の内容がその場で「事実確認」されているということです。
医師は、
をリアルタイムで確認しています。
背景には医師の時間不足があると考えられます。
今回調査では、
という結果でした。

また、Web講演会の適切な長さとして
を求める回答が大半を占めています。

限られた時間で効率よく情報を得る必要があるため、講演内容だけに集中するのではなく、講演会を見ながらの情報収集が一般化していると考えられます。
※ 前回調査:製薬会社主催の講演会に対する医師の評価 《2025年調査》
本調査では、Web講演会の「視聴の仕方」や「講演内容の活用度」が医師ごとに違っていることも確認されました。こうした状況を踏まえ、本調査では医師のWeb講演会への関与度や活用の仕方に応じて、4つの視聴行動モデルとして整理しました。

| セグメント | 概要 | 特徴 |
| A | Engaged Deep Learners (臨床展開層) 講演内容を主体的に診療へ組み込んだり、他の医師へ伝える層 | ・内容を深く視聴 ・MRへ問い合わせ ・講演者へ質問 ・院内共有 ・症例検討にも活用 |
| B | Efficient Information Seekers (情報取得層) 講演内容を情報収集・理解補強に効率よく活用する層 | •効率重視 •必要な部分を選んで視聴 •ガイドライン確認を実施 |
| C | Passive Viewers (ながら視聴層) 講演内容への関心はあるものの、ながら視聴が中心で理解や行動につながりにくい層 | •視聴はする •集中度は低い •視聴後アクションが少ない |
| D | Low-Interest Low-Engagement (低関心・ながら視聴層) 情報収集への関心が相対的に低く、接触機会や情報量の最適化が求められる層 | •情報収集時間が短い •スマホ視聴が多い •事後行動も少ない |
つまり、すべての医師に同じ形式で情報を提供しても、十分な理解は得られない可能性があります。
前述の調査結果では、医療情報収集において生成AIを利用した経験がある医師は31%でした。現時点では主要な情報源とは言えないものの、医師が短時間で情報を整理したり、理解を補完したりする手段として使われ始めていることがわかりました。ただし、利用者の評価は比較的高い一方で、86%がハルシネーション(誤情報)に懸念を感じているようです。

※生成AI利用経験があり、生成AIを信頼できないと回答する医師はn=21とn数が少ないため参考情報
現時点では、生成AIが既存情報源を置き換えるというより、「PubMed検索」「ガイドライン確認」「医療メディア閲覧」を補完する存在として活用され始めている段階といえそうです。今後は、講演会で提供する情報についても、「AIで要約されても価値が伝わるか」という視点が求められる場面が増えていくかもしれません。

今回の調査から見えてきたのは、医師は講演会の内容をそのまま受け取っているわけではないということです。
講演会を視聴しながら、
といった行動を同時に行っています。
つまり製薬企業側も、「講演会で説明したから伝わる」ではなく、「医師が追加で調べることを前提に情報提供を設計する」視点が重要になります。例えば、講演内で紹介したエビデンスや参考文献、関連資料へアクセスしやすくしておくことで、医師は自身の診療課題に照らし合わせながら理解を深めやすくなります。
今回の調査では、医師の84%が講演会視聴中に何らかの情報検索を行っている実態が明らかになりました。医師は講演会だけを見ているのではなく、複数の情報源を組み合わせながら意思決定を行っています。
そのため医師向け施策では、単に視聴数や完視聴率を追うだけでなく、「理解促進につながる情報提供ができているか」という視点が重要になります。講演会を単独の施策として捉えるのではなく、医師が情報を理解し、自ら調べ、診療に活用するまでの一連の情報体験として設計することが求められているのではないでしょうか。
今後の医師向け施策では、「どれだけ視聴されたか」だけでなく、「どれだけ理解され、活用されたか」を評価する視点がますます重要になるでしょう。
調査レポートでは、医師の情報収集行動や視聴スタイルの違いについてさらに詳しく分析しています。全ての調査項目と結果をご覧になりたい方は、下記より調査資料をダウンロードしてご確認ください。

Jストリームは医薬・医療業界で100社以上の支援実績を持ち、年間2,100件以上の医療系Web講演会をサポートしています。
配信支援にとどまらず、
など、医師とのコミュニケーション設計を幅広く支援しています。
Web講演会をはじめ、医師向け情報提供施策やeディテーリング施策の企画・運用についてご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
Jストリームの
ソリューションに
興味をお持ちの方は
お気軽に
お問い合わせください。