2024.12.16
J-Stream Equipmedia
EQポータル
インターナルコミュニケーション
動画で取り組む社内コミュニケーションにより従業員エンゲージメント向上を実現している、KDDI Sonic-Falconの根井氏をお招きし、全国各地の店舗で活躍する、au/UQの携帯電話販売やサービス案内を担う約4,000名の従業員に向けた情報共有において、動画活用に取り組まれた背景や、発信している動画の内容、運用体制など、具体的に解説していただきました。
※本記事はJストリーム主催のオンラインセミナーを記事化したものです。
《 目次 》
KDDI Sonic-Falcon株式会社
人事部 人財マネジメントG 根井 裕之 氏
2012年にKDDIに入社し、営業現場での実務を経て販売促進部門へ配属。その後、KDDI Sonic-Falcon株式会社の設立メンバーとして出向。現在は人事部で、評価や賃金制度の整備、組織力強化に向けた企画・推進を担当。また、会社の経営層向けの資料作成や、社内コミュニケーションを活性化のための業務に従事。
株式会社Jストリーム
マーケティング部 部長 小室 賢一
2004年、Jストリームに入社し、長期にわたり放送局、ポータルサイト、コンテンツプロバイダーの営業を担当。 新規顧客開拓部門のマネジメントを経て、現在はマーケティング部門のマネジメントを担当。
根井: KDDI Sonic-Falconは、2021年に設立された会社です。3つの事業を展開しており、メインとなるのは「店舗販売支援事業」です。これは、全国の家電量販店などでauのサービスを接客・販売する業務です。そのほか、スマホセミナーなどを開催する「サービス利用促進事業」、au PAYの取り扱い店舗を増やす「au PAY取扱店開拓事業」を行っています。
根井: 当社には全国に13の営業部があり、4,000名弱の社員が働いています。
根井: 現在、当社では社内コミュニケーションを促進し、エンゲージメント・組織力の向上を目的に動画を活用しています。使用しているのは、Jストリームの法人向け動画共有・配信プラットフォーム「J-Stream Equipmedia(EQ)」の「EQポータル」です。「EQポータル」を活用して、社内コミュニケーションサイトの「FALCOMMU」を作り運用しています。
小室: 最初に、Jストリームが実施しました調査結果から、「社内コミュニケーションでの動画の活用実態」「動画の有用性」について紹介します。
小室: 調査は2万3,000名ほどを対象に行いました。対象者全体を母数としたところ、動画による社内コミュニケーションを実施している企業は22.5%にとどまりました(グラフ左)。しかし、母数を国内拠点数50カ所以上の企業に絞ったところ、動画の利用率がぐんと上がり46.4%となりました(グラフ右)。この結果から、企業の拠点数や従業員数が増えるほど、動画の強みや良さが発揮され、活用が進んでいる状況が見て取れます。
小室: KDDI Sonic-Falcon様の場合、拠点数は約1,000店舗で、対象人数は約4,000名。拠点数1,000店舗はかなり多いですね。
根井: はい。全国に社員が散らばっているため、私たちも社内コミュニケーションのとりにくさは常に感じています。
小室: もうひとつ、動画の有用性について調査したアンケート結果をご紹介します。
小室: 動画の良さについては「時間を選ばない」「理解度が高まる」「静止画よりも雰囲気や人柄が伝わる」「見た人の印象に残る」などの項目に多くの回答が集まっています。
KDDI Sonic-Falcon様では動画の良い点はどこだとお感じですか?
根井: やはり、理解度が高まるところです。例えば紙ではとても分厚い資料で説明しなければいけない場合でも、動画であればものの数分で説明できます。そこが一番のメリットだと思います。
小室: おっしゃるように、情報量の多さは動画の魅力の一つですね。
根井: 当社では、社員の大多数が全国各地の家電量販店に散らばって働いているため、本部の人間とのコミュニケーションがなかなかとれず、それが第一の課題でした。解決策を考えたとき、動画でのコミュニケーションしかありませんでした。メールは見てもらいにくいため、映像でわかりやすく伝えたいと考えたのです。
小室: 店舗での業務ということで、オフィスに行けば自分の席があるという勤務体系ではありません。そのことから、会社への帰属意識の低下も危惧されていたのでしょうか?
根井: はい。それで会社設立後すぐの段階から、動画によるコミュニケーションを始めました。
小室: 帰属意識の低下が将来の課題になると見越して、動画の活用をスタートされたのですね。ちなみに、動画の活用を提案したときの社内の反応はいかがでしたか?ご苦労はありましたか?
根井: 実は、苦労はありませんでした。社長と副社長に動画の活用を上申したのですが、「ぜひやれ!」という反応でした。トップ2人が応援してくれたため、導入は非常にスムーズでした。
小室: 経営側と課題感を共有することは、とても重要ですね。
小室: では、どのような動画を配信しているかをお聞きします。根井さんからは、2本のサンプル動画を共有いただきました。
根井: 1本目は、社員の1日密着動画です。
小室: 朝、出社後スマホで出勤時間を打刻してといった1日の仕事の流れ。そして、お名前や部署など自己紹介。さらに質問コーナーなどの内容ですね。
根井: 店舗で働く社員たちは、本部の社員がどのような仕事をしているのかを知りません。そのため、本部社員の1日密着をして伝えようと、この動画を作りました。
小室: 社員のみなさまの反応は、いかがでしたか。
根井: 店頭の社員からは、「本部にいる社員の仕事がわかり非常に参考になった」という声をもらいました。本部の社員からも「このような社員が頑張っているのだな」と、非常に好評でした。
小室: 当社でお手伝いしている他社のお客さまからも、拠点の紹介や人にフォーカスをあてる動画は引きが良く、アクセスも多いと聞いています。KDDI Sonic-Falconの従業員のみなさまも興味を持ってご覧になったのではないかと思います。
根井: 次の動画は、お楽しみ動画と呼んでいるものです。
小室: 最寄り駅から、オフィスのあるビルまでの道のりを、タイムを計って全力で走りながら、ユーモラスに紹介されていますね。
根井: 動画はまじめなものはかりでは見てもらえません。それで、社員が動画のプラットフォームに来るきっかけになればと思い、このような楽しく見られるものも作っています。
出演も撮影も編集もすべて社員の、手作り動画です。
小室: 配信されている動画は、例の中の上3つのような社内コミュニケーションに役立つものと、下2つのような情報共有のための動画があるのですね。
根井: はい。会社の方針など情報共有動画は、どうしても堅く、長尺になりがちです。ですが、必ず理解してほしい内容ですので「必須で見てください」という形で展開しています。一方、お楽しみ動画など社内コミュニケーションのための動画は「自由に見てください」という形です。
小室: コンテンツの使い分けが、御社の動画活用の一つのポイントとなっていますね。動画活用の目的は、社内コミュニケーションの活性化やエンゲージメントを上げることでしたが、実際に社内のコミュニケーションは変化しましたか?
根井: コミュニケーションに最も貢献したのは、管理職の自己紹介動画です。本部にいる管理職が地方に出張で行った際、「あの動画を見ましたよ」と動画をきっかけに会話が生まれたと聞いています。動画のおかげで、本音で話せる下地が事前にできているという意見もあります。
小室: あらかじめ動画で人となりがわかっていれば、接しやすいですね。
小室: では続いての質問です。動画制作のノウハウや体制面についてお聞かせください。
根井: まず動画制作のノウハウですが、この取り組みを始めたときは知識がない状態で、ゼロから勉強をしました。体制面は、当初私1人で行っていましたが、最近後輩を巻き込み今は2名体制となりました。
小室: 機材も多くの方の関心事だと思います。編集機材で初めにそろえたものは何でしょうか。
根井: 編集用のパソコンとしてMacBookと、編集のソフトのAdobe Premiere Proは会社で準備してもらいました。カメラはスマートフォンを使っています。
小室: スマートフォンもかなりスペックが高いので、大体の映像は撮れますね。
根井: はい。手軽な始め方をして、コストは最小限に抑えました。
小室: KDDI Sonic-Falcon様では、Jストリームが提供する動画ポータル「EQポータル」をご活用いただいています。「EQポータル」を選んだ決め手や活用のポイントを教えてください。
根井: まず重視したのは、セキュリティ面です。情報を扱うKDDIの子会社なので、KDDIと同様に会社のポリシーとしてセキュリティが厳しいです。そこをクリアにでき、さらに予算が合い、UIに優れていたのがJストリームの「EQポータル」でした。
小室: セキュリティやUIがポイントだったのですね。UIにこだわった理由は何だったのでしょうか?
根井: 社員が最も見ている動画ポータルはYouTubeだと思います。見慣れているものの方が導入しやすいと思い、会社に「閉じたYouTubeを作りたい」と考えていました。Jストリームの動画ポータルは、YouTubeの形に近く見やすいものでした。
小室: 見慣れているポータルで会社の情報を取得できれば、視聴時のハードルを下げる効果もあるのではと思います。実際に運用されていて、より見てもらうための工夫はありますか。
根井: 運用を始めた当初は、投稿した動画をなかなか見てもらえませんでした。会社の動画ですので、どうしてもサムネイルも真面目なつまらないもので…。ですが、たまたまお楽しみ系の動画で少しふざけたサムネイルを作ったところ、アクセス数が非常に増えました。それで、まずはサムネイルから気をつけていくようにしました。
また、「EQポータル」の動画の分析の機能も活用しています。「何時に配信すると見られやすいか」や「途中で飽きて離脱しにくい尺はどれくらいか」など、分析結果から学んでいるところです。
小室: PDCAを回していらっしゃるのですね。視聴解析の結果、より見られるタイミングはいつでしたか?
根井: 当社の場合は、13時に出すと見られやすいです。
小室: 昼ご飯を食べて、一息つくタイミングだからかも知れませんね。映像を見てもらいやすいタイミングがわかると、訴求もより効果的にできると思います。また、動画の尺はどれくらいでしょうか?
根井: 目標は全動画を3分以内に収めることです。5分になってしまうと、どうしても離脱が増えます。サムネイルの右下に出る何分何秒という尺の表示を見て、視聴をあきらめる人もいます。ですから可能な限り短く収めたいのですが…、これがとても難しいです。
小室: 「短く編集する」「要約してまとめる」というのは難しいですよね。その辺りも工夫しながら運用されているのですね。
小室: 今期、根井さんが掲げるKPIは、動画本数は150本で、再生数は4万再生。社員数が約4,000名ですので、1人10回は見るボリュームです。半年ほどたちましたが、進捗はいかがですか。
根井: 動画本数150本は上期で達成しました。再生数はまだ4万には達していませんので、これからも2人で頑張って動画を作っていきたいと思います。
小室: 先ほどのサンプル動画では人にフォーカスされていましたが、この辺りでの苦労話はありますか。
根井: 人にフォーカスをあてることで視聴数は伸びると、私たちも実感しています。会社の方針説明のような動画であっても、資料を映して声だけで読み上げるのではなく、しゃべっている人を映像に出すと視聴数は伸びる傾向がありました。ですから、会社の説明動画は基本的に人を出す形式にしたいのですが、しゃべり手があまり出演したがりません。その交渉が今の悩みです。
小室: 「恥ずかしい」「慣れていない」などの理由から、出演したがらない方も多いのでしょうね。「あのFALCOMMUに出演した!」というように「FALCOMMU」に出ることが価値のあることという状況を作れたら、出演のモチベーションも上がり、出演交渉もスムーズになるかもしれませんね。
小室: 最後に、現状の課題やこれからの展望についてお聞かせください。
根井: 課題は大きく2点あります。1点目は体制です。現状2名体制ですが、2人とも動画制作だけをやっているわけではありません。むしろ動画はサブ的な業務です。動画制作をメイン業務として、もしくは、人員を増やして盤石の体制でやっていきたいと考えています。
もう1点は、社員全員が動画を見ているわけではないという点です。「どのような動画が刺さるのか」という分析と同時に、現在注力しているのが動画の尺を短くすることです。お楽しみ動画であればいくらでも短尺にできますが、会社の情報共有動画はそうはいきません。「端折ってほしい」とお願いしても、「いや、これも重要だから」と長くなりがちで、そこをどのように調整していくかが課題です。
小室: 体制面が整備された暁に、実現したい構想はありますか?
根井: 2名ではできることも限られますが、人が増えれば、撮影時もカメラ担当、ディレクターなど分担ができます。そうすれば、今より動画のクオリティーが上がると思います。クオリティーが上がれば、「FALCOMMU」の社内的価値も高まり、他の社員もぜひ出してほしいとなるのではないかと考えています。
小室: 「FALCOMMU」の認知度や存在意義が正確に伝わると、よりコンテンツも集まりやすくなり、視聴者である従業員が知りたい動画ができ上がります。そこを目指しているのですね。
動画に限った話ではありませんが、社内コミュニケーションには、継続的な運用はとても重要で、PDCAをしっかり回すことも重要です。課題としては、体制や企画がありました。非常に参考になる興味深いお話でした。ありがとうございました。
KDDI Sonic-Falconの根井氏をお招きし、動画活用に取り組まれた背景や、発信している動画の内容、運用体制など、具体的に解説していただきました。
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