2020.11.11
J-Stream Equipmedia
インターナルコミュニケーション
社内動画配信
テレワークの普及拡大に伴い、経営課題として強く認識される組織内のコミュニケーション不足。その解決策として注目される動画ですが、制作を始めるにはあたっては「体制をどう作るか」「動画を自社スタッフ(インハウス)で制作するか/外部委託するか」という問題に悩みがちです。
そこで今回はインターナルコミュニケーション・ナレッジマネジメントでの動画活用向けに、インハウス/外部委託のメリット・デメリットやインハウスでの動画制作のコツを解説します。
尚、本稿では「ライブ配信」も含めて「動画」として表記しており、ライブ配信の自社スタッフによる実施も動画制作に含めて解説しています。
《 目次 》
はじめに、動画ならではの効果について触れておきます。
下記は当社アンケート調査の結果です。月1回以上社内コミュニケーション動画視聴をしている20~59歳男女、会社員(役員・経営者含む)を対象として実施しました。
動画を活用している企業の社員や関係者の中で、動画を視聴する人は様々な点にメリットを感じています。その中でも特に「わかりやすさ」「情報の正確性」「記憶に残る」といった点に強く効果を感じていることが分かります。
動画活用を考えるとき「動画制作をインハウスで制作するか、外部委託するか」は非常に重要な問題です。
動画は、求める質によって制作や実施にかかる時間や費用は大きく変わります。
外部委託すれば品質の高いものが得られますが費用が発生します。
インハウスなら費用は押さえられますが、社内で作業工数が発生します。また活用シーンや社内の制作担当者のスキルによっては充分な質が得られない場合もあるでしょう。
下記はインハウス、外部委託、インハウス+外部委託の3つのパターンに分けて、メリット・デメリットを記載した表です。「インハウス+外部委託」は、編集だけ外部になど一部をプロに委託することを指します。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
インハウス (自社スタッフが制作) |
外注費がかからない。 | 通常業務以外の時間発生(多)。 体制構築・スキルの習得が必要。 内容によっては実現できないことがある。 |
外部委託 | 高品質。 通常業務以外の時間発生が少なくて済む。 |
外注費の問題(多)。 |
インハウス + 外部委託 (一部をプロに) |
外注費と品質のバランスが得られやすい。 | 外注費の問題(少)。 通常業務以外の時間発生(少)。 |
インハウスを目指す場合でも、「まずは外部委託、合わせて動画制作のプロに導入支援を受け社内の制作担当者がスキルを習得、最終的にインハウスで制作する」という方法もあります。
この章では、インターナルコミュニケーションやナレッジマネジメントにおける主な動画活用シーンを振り返りながら、インハウス向きかどうかを解説していきます。
企業理念や経営ビジョンの伝達は、強い企業・組織作りに欠かせません。情報発信をする場合「ライブ配信」「オンデマンド配信」の2つの方向性があります。より多くの社員に向けて素早く伝達することを目的とするのであれば、ライブ配信がおすすめです。
ライブ配信をインハウスで実施することは可能です。ただし機材や回線、動画配信プラットフォームなどライブ配信ツールの準備、場所の手配や当日の運営などの準備と体制づくりが必要です。
「演者と視聴者の時間を確保し本番を実施したのにトラブルで視聴できない」「視聴はできたが音声が聞き取りづらく内容がよく分からなかった」といった結果では困ります。
ライブ配信に慣れるまでは、何度もリハーサルを繰り返して本番に臨みましょう。また、慣れてくるとかえって準備が疎かになる可能性もあります。準備物のリストや進行管理表などを作って、もれなく準備を進めていきます。
オンデマンド配信や疑似ライブ配信(あらかじめ作成しておいた動画を使ってライブ配信をおこなう方法)であれば、ライブ配信に比べると運営者の負担が少なく配信が可能です。ただし、配信のための動画制作が必要になります。
動画はスマホやビデオカメラなど身近にある機材を使って凝りすぎずに制作するのがおすすめです。制作する動画に高い質を求める場合は、外部委託を検討したほうがいい場合もあります。
インハウスでの動画制作をご検討の方は下記記事を参考になさってください。
社員総会・キックオフイベント、競技大会・コンテスト、オンライン内定式・入社式、周年行事など様々な社内向けイベントの実施もインハウスで実現可能です。ただし、先ほどの「トップメッセージ、経営理念・方針・決算の共有」と同じく、しっかりとした準備やリハーサルが必要です。
年に1回など開催頻度の少ないイベントや、高いクオリティが求められる重要なイベントについては「現場運営をプロに委託する」「外部(プロ)のサポートを受けながら開催する」などの方がよい場合もあります。
「教育・研修・勉強会や説明会」といった用途は、ライブ配信する場合とオンデマンド配信する場合があります。
ライブ配信の場合はその場で質疑応答ができたり、当日の視聴者に合わせて話し方を調整したりといった柔軟な対応が可能になります。
オンデマンド配信の場合は視聴者が「自分のタイミングで見られる」「隙間時間で少しずつ見られる」という利便性があります。配信開始から時間が経過して視聴する場合もあります。いつでも必要な動画にたどり着けるよう、配信時には導線や周知の方法などをしっかり設計しましょう。
全員への視聴を必須とする場合は、個人単位の視聴管理や視聴内容の理解度を計測する仕組み(テストなど)をセットにして動画配信をするのが有効です。
「教育・研修・勉強会や説明会」の王道のスタイルは、スライド資料と演者で構成されるプレゼンテーションです。収録時には外付けマイクを使い演者の音声を聞き取りやすくするのはもちろん、スライド自体の見やすさ・分かりやすさも重要になります。
ライブ配信の場合は、本稿の「トップメッセージ、経営理念・方針・決算の共有」「社内向けイベント(式典系)」部分で紹介した内容を参考になさって下さい。
オンデマンド配信用の動画制作には
など、インハウス向きの様々な手法があります。自社で準備・実施しやすい方法を選ぶとよいでしょう。
「社員紹介・部門紹介、優秀者・優秀プロジェクト紹介」での動画は、インタビューを軸に構成した動画をオンデマンドで共有するのが主流です。インタビュー形式にすることで取り組みやその背景にある思いがしっかり引き出されます。編集工程で、より効果的に伝達できるように質を高めることが可能です。
インタビュー動画はインハウスで実施することもできますが、求める質によっては「インハウス+外部委託」や「外部委託」の方が向いている場合もあります。特に「外部委託」する場合は、インタビューに外部の人(プロ)が関わることで、より客観的な視点で自社の価値が引き出され、視聴する社員への企業価値向上効果が期待できます。
インハウスでの動画制作をご検討の方は下記記事を参考になさってください。
「業務マニュアル・操作マニュアル」または「動画マニュアル」という呼び方をする場合もあります。これらもインハウスで制作しやすい動画といえます。
インハウスでの動画制作をご検討の方は、下記より実践ガイドダウンロードしてご覧ください。
拠点ごとや部署ごとの取り組みなどを共有することで、部門間・社員間の連携強化が期待できます。レポーター役を登場させ、現場レポートのような形式で動画を作るとまとめやすいでしょう。毎回同じ人がレポーター役をするのもよいですが、動画の展開の型や撮り方を決めておき、拠点や部門の担当者にレポーターや撮影部分を任せることで出張費用の抑制や、動画制作負担の集中を低減することができます。
この章ではライブ配信と動画制作(オンデマンド動画)に分けて、それぞれの制作の流れを解説します。
ライブ配信実施の流れは、大きく「事前」「本番」「事後」に分かれます。初めてのライブ配信に、ぶっつけ本番で臨むことは控えましょう。企画段階やリハーサルを通じてしっかり準備や確認、経験を積んでから本番へ臨みます。
詳しい流れや実施のポイント・必要機材などは、下記より実践ガイドダウンロードしてご覧ください。
動画制作の工程は大きく分けて「企画」「撮影」「編集」に分かれます。
企画段階では「コンテ」と呼ばれる動画制作のための設計図を作ります。ただし、コンテ制作の前に「目的」「視聴ターゲット」「どういった状況で動画を視聴するか」などを明確にしておきます。目的や視聴ターゲット、視聴状況が明確になることで、どういった動画表現やストーリーにするべきか、字幕の必要性などがイメージしやすくなります。
インハウスでの動画制作では多くの場合、動画制作は担当者の主な業務ではありません。動画制作にかけられる時間は限られます。インハウスの動画制作では、撮影・編集工程ができるだけ少ない時間で済むように、企画部分でしっかり時間をかけ「段取りを検討する」「アイデアを盛り込込む」といった必要が出てきます。
社員紹介動画の制作を例に解説します。
撮影・編集工程の手間を減らすアイデアとしては
などが考えられます。
インハウスでの動画制作の場合、まずはできることから始めるのがおすすめです。だれでも使いやすい機材やツールを選定し、センスやテクニックが必要になりがちな編集をできるだけ避けた作り方をすることで、他業務への負担を抑えやすくなります。
質にこだわる必要のある動画の場合は「企画や撮影はインハウスで実施し編集は外部に依頼する」という選択肢を検討するのもよいでしょう。
インターナルコミュニケーションやナレッジマネジメントといった社内向けでの動画活用の場合、動画の内容には機密情報を含む可能性があります。また、より視聴しやすく・動画活用されやすくするための場としての「Webサイト」が重要になってきます。
動画内に機密情報を含む場合、共有の仕組みはしっかり設計・運用する必要があります。
YouTubeに代表されるような、無料の動画配信プラットフォームは、機密情報を含む動画配信にはおすすめできません。YouTubeの「限定公開」は動画のURLを持つユーザーのみが視聴できる仕組みです。しかし、転送するなどでURLが外部に流出した場合は想定した以外の人でも視聴できてしまいます。
YouTube以外にも動画配信機能のついたプラットフォームは様々に存在します。プラットフォーム選定の際は機能・性能・価格に加え
などの確認をしっかりおこなってください。
様々な動画活用を始めていくと「思ったほど動画の視聴数が増えず、役に立っている実感がない」といった課題にぶつかることがあります。
ライブ配信に比べると、オンデマンド配信はついつい視聴を後回しにしがちで、やがて視聴を忘れてしまうことが多くあります。
もちろん、動画自体の質を上げていく取り組みも重要ですが
などに該当する場合、これらの多くはWebサイトが動画の視聴に適したデザインになっていないことが原因の可能性があります。
動画をより見てもらうためには、ユーザー行動に沿って情報を整理し、機能的でわかりやすいデザインが施された Webサイト(動画ポータル)を用意することが重要です。
動画本数が増えた際には、Webサイト(動画ポータル)についても検討してみてください。
以上、インターナルコミュニケーション・ナレッジマネジメントでの動画活用向けに、インハウス/外部委託のメリット・デメリットやインハウスでの動画制作のコツを解説しました。
当社では、セキュアな動画配信に対応した動画プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」を提供しています。
J-Stream Equipmediaは
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社内向け用途の動画を、自社スタッフ自身(インハウス)で作りたいという企業様に向けて、インハウス/外部委託のメリット・デメリット、企画の進め方や撮影等の基本的な内容をまとめました。インハウスでの動画制作に関心のある方は下記もチェックしてみてください。
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