YKK AP様に聞く!
社内情報共有に“動画”を取り入れた狙いと効果

2023.12.18

EQポータル

J-Stream Equipmedia

限定動画配信

タイトル画像「YKK AP様に聞く! 社内情報共有に“動画”を取り入れた狙いと効果」

本記事はJストリーム主催のオンラインセミナーを記事化したものです。
動画を使って社内情報共有に取り組まれているYKK APの山口様をお招きし、導入の背景や目的、実施にあたっての取り組みや得られた効果を伺いました。「従業員に向けた情報発信で動画を使っている方」「これから動画活用を始めたいと考えている方」は、ぜひ参考になさってください。

「本記事のPDF版」をダウンロードする

1. 登壇者紹介

YKK AP株式会社 品質本部 企画推進部 山口 敏彦 氏

YKK AP株式会社 品質本部 企画推進部 山口 敏彦 氏

1978年に吉田工業株式会社(現:YKK AP株式会社)に入社後、建材関係の現場実務を経て技術管理部門へ配属。
商品開発関連の業務システム開発(商品開発テーマ管理、CADカスタマイズなど)に従事し、情報セキュリティ委員会・技術資産管理委員会事務局を担当。現在は、品質本部 企画推進部のテクニカルアドバイザーとして執務。

株式会社Jストリーム マーケティング部 部長 小室 賢一

株式会社Jストリーム マーケティング部 部長 小室 賢一

2004年、Jストリームに入社し、長期にわたり放送局、ポータルサイト、コンテンツプロバイダーの営業を担当。 新規顧客開拓部門のマネジメントを経て、現在はマーケティング部門のマネジメントを担当。

2. YKKグループ・YKK AP紹介

山口: YKKグループは、ファスニング事業とAP事業を中核としたグローバル事業経営体制となっています。YKKが担っているのがファスニング事業です。AP事業は建材事業であり、YKK APが担っています。

YKK APが取り扱っている主な商品群が下記になります。

[セミナースライド]会社紹介(YKK AP:主な商品群)

山口: 最近多くなってきているのが「リフォーム」です。窓の取り替え、玄関の取り替えといった事業です。また「産業製品」として、多種多様な用途に使用されるアルミ形材の製造・販売も行っています。

YKK APには、国内拠点として201拠点、製造関係が24拠点あります。九州から四国、本州、北海道、国内全ての拠点で製造販売を行っています。

[セミナースライド]会社紹介(YKK AP:国内の事業展開)

3. 動画を活用した従業員への情報発信

[セミナースライド]動画を活用した従業員への情報発信

山口: 当社工場では元々現地での視察を実施していました。新型コロナ感染症の流行に伴い、担当部門のほうで動画を準備し活用するようになりました。

動画を活用していくにあたって、やはり管理をしないとどこにあるのか分からないということになります。せっかくなら技術者に向けて動画をしっかりと見られる環境をつくっていきたいということで、委員会が中心になって動画を管理していこうとなりました。この委員会に私が参画しており、本取り組みを担当することになりました。

取り組みを始めてから周りを見回してみると、社内でたくさんの動画が使われていることに気付きました。一方で「どこにあるのか分からない」「誰に聞けばいいのか分からない」といった問題が生じていました。そこで、動画を1カ所にまとめて、誰もがいつでも見られる環境をつくりたいと考えました。

小室: 工場視察の動画が発端でしたが、実はいろいろなところで動画を使われて、動画を持っていたということですね。

山口: はい。先ほどの工場視察動画もいろいろなところで作って持っています。あともう一つが、当社では技術会議をしているのですが、そこでも動画を使っています。展示会に使うような動画や、開発中の技術や、既に使われている技術などの動画を撮って技術会議で報告するといったこともやっていました。そこで担当者に相談して、そういったものを社内の教育に使えないかということで調整を進めています。

「EQポータル」の採用

山口: 動画を1カ所にまとめて、誰もがいつでも見られる環境をつくるために採用したのが、Jストリームの法人向け動画共有・配信プラットフォーム「J-Stream Equipmedia(以下EQ)」です。
元々当社では、ホームページなどの動画配信で「EQ」を使っていました。

山口: 「EQ」には、動画共有ポータルが作れる機能「EQポータル」が備わっています。ユーザー管理や利用度の分析などもできるということで、従業員への情報発信でも「EQ」を採用しました。
動画はカテゴリー分けをしています。また、ランキングやお気に入りなども見られます。そういったポータルに必要な要素が「EQポータル」 にはありました。
「EQポータル」を活用したことで、非常に短期間で「YKK AP 品質・技術系動画ポータルサイト(品質管理・技術管理)」と名付けた、サイトを構築することができました。

YKK AP 品質・技術系動画ポータルサイト(品質管理・技術管理)

4. 情報発信で“動画”を取り入れた狙いと背景

小室: 山口様が感じている、動画配信・動画活用の良さを教えてください。

山口: 以前は、パワーポイントやPDFなどの静止画で会議の報告会やプレゼンテーションをしていたのですが、やはり文字を読まなければいけないとか、ぱらぱらめくらなければいけないなど、そうしたところがやはり静止画では面倒なのかなということがありました。
動画だと、当然再生すれば音声がありますし、再生していけば最後まで見られます。視聴者は、動画のある場所さえ分かっていれば、いつでも自由に見られますし、それからこれはどうだったかなと思った時には何度でも繰り返し見られますので、やはり静止画に比べるとかなり有効であると考えています。

5. 動画配信の対象人数とコンテンツの本数

[セミナースライド]動画配信の対象人数とコンテンツの本数

山口: 現在、生産部門や開発部門など技術系約800名のユーザー登録があり、その半数がログインして「YKK AP 品質・技術系動画ポータルサイト(品質管理・技術管理)」を利用しています。その中でも4分の1程度がよく視聴してくれています。視聴は、自分の興味があるものや自身の仕事に関係あるものが中心になります。

元々は各部署の中のだけで視聴していたものが、技術者全体の中で見られるということになりました。かなりの方々に動画の視聴機会を提供できていると実感しています。

動画共有ポータルを常に見ているという人はいません。何かがあれば、あそこに動画があったな、少し見てみようかなというのが視聴のタイミングだと思います。

200本ほど公開していますが、この中には動画もありますしドキュメントもあります。「EQポータル」は動画以外にドキュメントも載せられる点もよいと感じています。ドキュメントだけや、動画とドキュメントをセットで載せるなど、非常に便利に使っています。

小室: 動きがあるものや、熱意がこもって人がしゃべっているなど、こういったものはもちろん動画に強みはありますが、ドキュメントと並べてより理解度を深めるなど、様々な使い方が情報発信の中では必要だと思います。

6. 動画共有ポータルを活用したいと思った背景

山口: 元々動画共有ポータルを作りたいという思いがありました。やはり1カ所に集めてあげないと、皆さんなかなか見られないと思います。
いろいろとカテゴリーさえ分けておけば自分の見たい動画が見られますし、よく見られている動画があれば自分も見てみようかなと思いますので、そういったところで活用していただいています。

報告会や会議は参加しないと見られません。アーカイブを視聴したくても、動画はどこにあるのですかと聞かなければいけません。動画共有ポータルに会議の動画なども載せておけば、時間の空いた時に去年の会議で使われた動画や今年の会議で使われた動画も手軽に見られるといったところで、活用範囲はあると思っています。

小室: 社内の情報共有のツール、ドキュメントなどもそうですが、いろいろなところに散らばっていると、どこにあったかなと思い出すだけでも時間がかかったり、結局探せなくて人に聞いたりなど、ストレスを感じた実体験があります。ここにありますよということが1つの場所として明示されていることは、活用する上では非常に重要なポイントだと思いました。

カテゴリー毎に動画を一元管理

小室: 下記は実際に山口様のほうで手掛けられている「YKK AP 品質・技術系動画ポータルサイト(品質管理・技術管理)」のキャプチャーです。このような形で大きなカテゴリーを1つ用意されていて、さらに、その大カテゴリーの中にも小カテゴリーというか細かい項目が分かれていて、自分の見たい動画がすぐに探せる、こんな取り組みをされています。

[セミナースライド]動画ポータルでカテゴリ毎に動画を一元管理

“動画共有ポータル”の活用で実現できていること

山口: どれくらい視聴されているか分析できるのも「EQポータル」の利点です。
どの動画が見られているのか、全然見られていない動画はどういうものかというところが分かりますし、この人はよく見てくれているなど、そういったところが月単位でグラフ化されますし、リスト化もされます。
構築しただけでなく、見てくれているのだということが実感できますし、どの動画の人気があるのか、こういった分類の動画を載せると皆さんが見るのだなというのが分かってきますので、分析機能は非常に有効に使わせていただいています。

小室:  おっしゃられたとおり、単純に動画を置いておけばいいというわけではなくて、そこからのPDCAがやはり非常に重要だと考えています。どこが興味を引いているのか、なぜ見られないのかというところも、ログを使っていただいてPDCAを回していただくと非常に良いと思います。

7. 動画共有ポータルの活用でどれくらい視聴頻度が増えたのか

[セミナースライド]“動画ポータル”の活用で多くの従業員に情報が届いている

山口: 動画が分散していた時にどれぐらい見られていたかというのは、まず分かりません。
動画共有ポータルにすることによって、誰もがそこで見られる、今まで知らなかった情報がそこで得られるということになります。部門の中で閉じた世界で見ていたものが、技術者全体の中で見られるということになりました。そういったところでは、かなりの方々に今まで見られなかった動画を視聴してもらえていると実感しています。

やはりよく見ている人と見ない人、自分には関係がないと思うような人たちもいます。やはり新しい動画を載せなければ皆さんは見てくれませんし、「いつも同じ動画しかないのでは?」ということになると陳腐化していきますので、そういったところをこれから育てていくために、それと視聴者を増やすために、新しい動画をどんどん探して載せるということをやらないと寂れていくだろうなと思います。

小室: 当社で動画活用を支援している中でもよくある話としては、動画を用意したけれども、想定よりも見られない、そんな課題にぶつかるケースはありますね。

8. 動画の視聴数を増やすための取り組み

小室: 先ほどの話にも新鮮さの話が出てきましたが、より動画を見てもらうための工夫として、新しいコンテンツを用意していく以外に、気を付けて運用されていることはありますか。

新規動画公開時にはメールで案内

山口: ユーザーはメールアドレスも登録しているので、新しい動画をアップしたら、全員に案内のメールを配信しています。今まで一度も使ったことがない人でも、こんな動画があるのかと見にきてくれます。

[セミナースライド]動画の視聴数を増やすための取り組み

尺の長い動画は分割バージョンも用意

山口: やはり仕事中に見るので、長過ぎる動画は皆さんも見ないだろうなと思っています。そこで尺を短くして、興味があるものに関しては連続で見ていただくというふうに考えています。

元々30分ほどある動画の場合、仕事中に30分の動画を見るのは非常に効率が悪いということで、分割して5分程度のものにしています。冒頭を視聴してみて、これは自分が思っていた動画だから連続して見たいということで、全部を見たいと思う方もいらっしゃるので、30分の動画も載せています。

小室: 当社でも以前アンケート調査をしていて、そのアンケート結果からいうと、10分を過ぎると半数以上の方が長いと感じるそうです。10分以内、5分や3分のもの、短ければ短いほど見やすくなる傾向はあるかもしれません。その動画の性質によって動画の尺も考えるべきだと思います。

また、倍速再生で時短をして情報を取得するようなことも一般化してきています。配信の機能をうまく活用して、ユーザー側の、視聴者側の利便性を上げてあげる取り組みも活用していくことで、視聴が進んでいくでしょう。

安心して使える環境であることが重要

山口: 動画共有ポータルを社内で構築して公開する際は、当社の情報システム部門や経営層から審査がありました。
基本的には社外秘のものを掲載するので、当社は社内ネットワークからしか見られないという環境をつくっています。会社が気にするのは情報漏洩です。特に動画での情報漏洩があれば、会社としてはかなりのイメージダウンになります。
社外からは一切アクセスできない環境で運営しているので、安心して使っていただける点もアピールしています。

小室: やはり社内向け情報共有では、機密情報を含め社内だけで閲覧・共有するべきものがかなり多く含まれると思いますので、セキュリティの観点でも非常に参考になるのではないかと思いました。ありがとうございます。

9. いま抱えている課題と今後の展望

山口: 実はこの仕組みの構築・運用の担当は私だけです。後継者がいないのが少し問題だと思っています。

そこで、各部門の方に責任を持って動画の配信をやっていただく環境づくりが必要だと思っています。
各部門に窓口をつくって、その人に操作を覚えていただいて、自分のところの動画は自分たちで運用できるよう取り組みを始めています。ただ、窓口の方はできても、実際に動画をアップしたり、ポータルに載せて公開したり、そういったことができる方が今はいないので、その人たちを育てる必要があります。

それと、動画を提供していただいたところにお願いして、陳腐化しているものは削除し、新しい動画があれば載せるといった、「棚卸し」を半年に1回ぐらいで実施したいと思っています。
棚卸しをしないと、古い動画や間違った動画がいつまでも載っていることになります。しっかりした管理と棚卸しをやっていくことが必要になってくると思っています。

小室: やはり動画活用で忘れがちなのは運用をいかに継続していくかというところだと思います。運用に適した体制や運用のフローなどを考えていく必要がありますね。

10. 最後に

小室:  今回は、YKK APの山口様をお招きし、社内情報共有の取り組みを伺いました。一つの気付きとしてあったのは、実は身の回りに、隣の部門などにも動画が存在していることです。Web会議なども含めて存在していて、それ自体が情報の資産として動画という形で残っていて、これを共有することで有益な情報発信になり得るでしょう。

また、ポータルの話や動画の長さ(尺)の話なども非常に重要で、見てもらうための工夫や改善も大変参考になりました。見るためのきっかけというところで、メールで案内するなど、地道な活動も含めて動画活用をさらに進められていました。

多くの企業さまが、いろいろな分野でDXに取り組んでいらっしゃると思います。今日お話を聞いたYKK AP様の事例・活用は、情報共有の一つのDXの形だと思っています。非常に参考になりました。山口様、本日は非常に貴重なお話を頂きまして誠にありがとうございました。

「本記事のPDF版」をダウンロードする

関連する記事一覧

Jストリームの
ソリューションに
興味をお持ちの方は
お気軽に
お問い合わせください。

電話でのお問い合わせ

0120-658140

【受付時間】9:30~18:30(土日祝日を除く)

登録無料!

Jストリームのサービスを活用した成功事例や、お客さまの課題解決につながるお役立ち情報などをメールでお届けしています。

メールマガジン登録

電話でのお問い合わせ

0120-658140

【受付時間】9:30~18:30(土日祝日を除く)