2024.02.22
動画配信
社内向け・社外向け問わず、セミナーやキャンペーン、研修などの用途で動画を活用する企業が増えています。インターネット動画配信を行うために必要となるストリーミングサーバーはどのようなもので、どのように導入するのでしょうか。この記事では、ストリーミングサーバーについて詳しく解説します。
お役立ち資料 【動画配信スターターガイド ~対象者を限定した配信向け~】
はじめに、ストリーミングサーバーの概要について紹介します。
ストリーミングサーバーとは、ストリーミング配信といわれる動画配信を行うために必要な条件を備えたサーバーのことです。
ストリーミング配信は「再生開始が早い」「端末にデータが残らない」といった特徴があります。
端末にデータが残らないので、機密情報を含むようなセキュアな配信にも適しています。ストリーミング配信と動画へのセキュリティ機能(動画プレイヤーや動画サーバー側でのセキュリティ対策)に加えて、会員認証の仕組みも併用することで、よりセキュアでクローズドな動画配信が実現できます。
動画配信に関する詳細については以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
ストリーミングサーバーの主な用途にはライブ配信とオンデマンド配信の2つがあります。
それぞれについて、具体的な活用例を紹介します。
ライブ配信とは、開催中のセミナーやイベントなどの動画をリアルタイムに視聴できる配信形式です。
同時に多数の視聴者が接続するため、ストリーミングサーバーにも高いスペックが求められます。
ライブ配信の具体的なユースケースとしては以下のとおりです。
ライブ配信については以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
オンデマンド配信とは、視聴者が都合のいいタイミングで動画を視聴できる配信形式です。
ライブ配信を行ったセミナー等を、後からオンデマンドで視聴できるようにするケースも多く見られます。
オンデマンド配信の具体的なユースケースとしては以下のとおりです。
オンデマンド配信については以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
動画配信を行う際に、企業サイトで利用している既存サーバーを利用できないかと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、一般的なサーバーはストリーミング配信には不向きです。上述した2つの用途のうち、一般的なサーバーでライブ配信を実現することは難しいためです。
ライブ配信では多数の視聴者が同時接続するため、アクセスの集中に耐えうるスペックを備えたサーバーが必要となります。また、ライブ配信・オンデマンド配信のいずれにおいても、ストリーミング配信を行うためには、HLSなどの専用の配信方式に対応する必要もあります。
これらを踏まえると、ストリーミング配信を行う際には、専用のストリーミングサーバーを用意する必要があるといえます。
ストリーミングサーバーを用意する方法はさまざまです。
以下では、ストリーミングサーバーを用いて動画のストリーミング配信を行うための主な方法について紹介します。
最も手軽なのが、動画配信プラットフォームを利用する方法です。動画配信プラットフォームには、動画を配信するためのあらゆる機能があらかじめ用意されています。
また、アクセス集中にも強いという特徴があるため、ストリーミング配信を実現するためには最も手軽かつ最適な方法だといえます。動画配信に特化した専用サービスであることから、ユーザー認証や視聴履歴管理、効果検証などの管理機能が充実しており、企業利用にも適しています。一般的にはクラウドサービスとして提供されることが多く、個別に環境を構築するよりもコストを抑えて導入できます。
一方で、カスタマイズできる範囲についてはサービスによって異なるため注意が必要です。ただし、動画配信プラットフォームではニーズに合わせた設定項目が用意されています。これらの設定を変更することで大抵のニーズであれば対応できます。自社の目的に沿った利用が可能であるかは、利用するサービスの選定時に確認しておくことをおすすめします。
AWSやAzureなどのクラウドサービスでは、ストリーミングサーバーの機能をSaaSとして利用できます。これらのサービスを利用することで、利用者はサーバーの存在を意識することなく動画ストリーミング配信を実施できます。
これらのマネージドサービスには、動画配信プラットフォームの利用と比較すると自由度が高いという特徴もあります。
ただしこれらのマネージドサービスでは、実際に動画配信を行うにあたって必要となるログ機能や視聴者分析機能などが備わっておらず、追加で必要な機能を開発する必要がある場合もあります。また、動画配信プラットフォームの利用と比較して導入や構築にコストがかかる点がデメリットだといえます。
既存のサービスを利用せず、一からストリーミングサーバーを構築する方法です。
具体的には、Wowzaなどストリーミングサーバー用のミドルウェアなどを、オンプレミスまたはクラウド上の仮想サーバーなどに設置して構築します。
スクラッチで開発を行うためどのようなサービスでも実現できますが、構築のためには高負荷対策や運用保守の実施などの技術力や人的リソースが必要です。また、コストも紹介した方法の中で最も高くなります。基本的には大規模サービス向きであり、一般的な用途ではあまり選択肢に入りません。
以下では、上述した3つのストリーミングサーバーの構築手法について、さまざまな観点で比較していきます。
コストについては、個別に環境を構築する必要がなく、サービスとしてすべての機能を利用できる「①動画配信プラットフォーム」が優れています。
「②マネージドサービス」は①と比較すると個別開発コストなどが発生するため、高コストであるといえます。
また「③フルスクラッチ」は②よりもさらにコストがかかります。フルスクラッチでの開発は動画配信をビジネスとして行うなど、大規模利用でなければコストに見合わない選択肢となります。
信頼できる事業者を選択することが前提となりますが、サービス側でセキュリティ対策が行われる「①動画配信プラットフォーム」と「②マネージドサービス」はセキュリティ面において優れています。
特に、「①動画配信プラットフォーム」については個別開発を行う必要がないため、自社で不十分なセキュリティ対策を行ってしまうリスクもありません。
「③フルスクラッチ」ではすべての領域において自社でセキュリティに関する管理を行う必要があり、技術面での知見も必要となります。セキュリティ対策のために十分な人的リソース・コストを割く必要があるでしょう。
サービス側で運用保守が行われる「①動画配信プラットフォーム」は最も手軽に利用できます。
「②マネージドサービス」も、SaaS側で提供される領域はサービス提供者により運用保守が行われますが、自前で構築した領域の運用保守は自社で行う必要がある点に注意しなければなりません。
「③フルスクラッチ」は、全領域について自前での運用保守が前提となります。
すべての領域を個別開発する「③フルスクラッチ」は最もカスタマイズ性に優れています。
「①動画配信プラットフォーム」においては既存機能の範囲で利用することとなりますが、サービスによっては多様な設定項目が用意されており、柔軟な利用も実現できるでしょう。一般的な用途であればおおむね問題は生じないといえます。
ここまでの比較内容を整理した表は以下のとおりです。
①動画配信プラットフォーム | ②マネージドサービス | ③フルスクラッチ | |
コスト | 〇 | △ | × |
セキュリティ | ◎ | 〇 | × ~ 〇 |
運用保守 | ◎ | 〇 | × |
カスタマイズ性 | △ | 〇 | ◎ |
この記事では、ストリーミングサーバーの概要と主な構築方法を紹介しました。マーケティング活動や社内研修、セミナーなど動画配信を活用する機会が増えている中、ストリーミングサーバーの主な構築方法とその使い分けについて押さえておくことは重要です。
記事の中で紹介したとおり、一般的な用途であれば動画配信プラットフォームの活用がおすすめだといえるでしょう。
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