映像制作・配信 リモート統合モデル “Grabyo”の紹介

2022.11.15

Grabyo

関連記事で解説してきたリモートプロダクション~リモート統合モデル(REMI)のサービス実例として『Grabyo』をご紹介します。Grabyoはクラウドネイティブで開発されており、REMIに求められる機能要素を実装したクラウドベースのREMI環境向け映像制作・配信スイートです。本記事ではGrabyoのコンセプトと主な機能を紹介していきます。

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本記事は、ライブ(中継)コンテンツの映像プログラム編集や配信に携わる方を主な対象としています。

1. Grabyoのコンセプト

Grabyoは2013年に英国Grabyo社にて開発されました。サービスの提供当初からライブ映像制作・配信のためのクラウド・スイートとして提供されており、2022年までにヨーロッパ、北米、アジア地域に拠点を置いて世界中のユーザーに向けてビジネスサポートを展開しています。

Grabyoのコンセプトを一言で表現すれば、それは『リアルタイム(速報)配信のためのクラウド・スイート』です。ネットワーク環境とPCブラウザがあればすぐにリモート編集室(サブ)として映像制作や配信操作を「いつでも、どこからでも」実施できます。

Grabyoはリモート制御モデル(REMI)に求められる主要な機能要件を満たしています。

  1. 遠隔地でキャプチャしたライブ映像をクラウドへインジェストできる
  2. インジェストされた映像ソースをすべてクラウド上で共有し、編集管理できる
  3. ライブ映像配信・映像クリッピング・動画編集の操作と管理操作が集約されている
  4. 各種ソーシャルメディアへの即時投稿

従来のリモートプロダクション向けサービスに求められる「リモート環境で映像編集操作ができる」ことに加え、映像のアウトプット操作までの即時性をUIベースで備えています。

REMIの特長については別記事がありますので「リモート統合モデル(REMI) 特長・実現できることの解説」をご覧ください。

2. Grabyoが提供するREMIの機能

Grabyoが提供する各種の機能をREMIの運用コンセプトに基づいて説明していきます。

ライブソースをインジェストする仕組み

Grabyoが利用できる映像ソースのプロトコル種類はRTMP/HLSの他に、低遅延プロトコルであるSRT/Zixi/RISTがあります。GrabyoはこれらのインジェストソースをIngest Managerと呼ばれるソース管理機能で管理します。映像ソースの送信元にあるエンコーダーに対してPush/Pullで取り込みます。Grabyoに同時にインジェストできるソースの数は契約により変更が可能です。主系/副系でもパラレルでも常にインジェストしておけます。インジェストされた複数のソースから、実際に編集するソースを「ストリーム」として選択してコントロールルームに呼び出して操作します。

インジェストする映像ソース間の遅延制御について

GrabyoはLiveU社と技術連携しており、LiveU Matrixを経由してGrabyoにインジェストされたソース間において時間の同期(Time Synchronization)が可能です(同時に最大4ソースまで)。

映像制作用アセットの取り扱い

インジェストされた映像ソースを含め、プロダクション用の映像を制作するために利用する素材をアセットと呼んでいます。アセットにはPinP用の静止画もあれば動画(VOD)、ロゴやキャプションもあります。Grabyoはこれらのアセットをクラウド上にあるストレージに事前に格納し、サードパーティ製サービスアカウントと連携してプロジェクトとして取り込むことができます。特に、編集加工されたプロダクション用のアセットは「Campaign」と呼ばれるGrabyoのストレージフォルダにて保管や共同管理、他プロジェクトへの利用、ソーシャルメディアへの投稿操作が可能です。

コントロールルーム

REMIを実践するために非常に重要な機能として、ヴァーチャルな編集室(サブ)としてのコントロールルームがあります。サブとしての役割を持つコントロールルームはクラウド上にあり、その機能はサブの要件を可能な限り満たさなければなりません。Grabyoのコントロールルームはライブ配信機能(Producer)、ライブクリッピング機能(Studio)、動画編集機能(Editor)それぞれに提供されており、クラウド・スイートとして相互に連動することができます。

コントロールルームでは下記の操作を同じUIで実行することができます。

ライブ配信時

  • 配信用ストリームの管理、挿入用映像アセット操作、キャプションやタイムライン挿入
  • プレビュー/プロダクション映像操作、配信先設定、DVR操作
  • Adタグ設定、連続挿入用動画リスト、外部端末からのカメラ映像取り込み
  • プロダクション映像の配信先設定
  • オーディオミキシング、マルチ映像モニター

ライブクリッピング時

  • 取り込むストリームの選択、画角、ファイルフォーマット調整
  • タイムスケールでのクリッピング操作(In/Out点、フレーム単位のスキップ等)
  • 映像ソースのDVR設定、クリップした動画のソーシャルメディア投稿操作

動画編集時

  • 編集加工操作
  • 編集用のアセット取り込み
  • 加工した動画のソーシャルメディア投稿

外部ソースの取り込み

REMIによる映像制作・配信において、映像ソースの取り込みに制約が多いことはあまり望まれません。エンコーダーやトランスミッターから映像ソースをインターネット経由で取り込む(RTMPやSRTによるインジェスト)方法以外に、GrabyoはスマートフォンやタブレットPCといったモバイルデバイスからのリアルタイム映像をソースとして取り込むことができます。専用アプリを使ってソースの取り込みの他にソーシャルアカウントへの投稿操作も行えますし、ブラウザ用URLを発行して任意のユーザー端末からのカメラ映像をテレビ会議のようにGrabyoのコントロールルームへ送ることができます。

ライブ配信時のリプレイ・スロー再生

(2022/11時点でリリース準備中)

Grabyoはリアルタイムでの映像配信をコンセプトとして掲げています。そのコンセプトに基づいて、配信中の映像のあるシーンを切り出してリプレイ再生用の動画をその場で作成したり(インスタントリプレイ)、再生時間をスローに設定することができます。ライブでの盛り上がりを視聴ユーザーに提供するための機能をぜひお試しください。

マルチ映像モニター(multiviewer)

Grabyoのコントロールルームに取り込んだ複数の映像ソースをモニターウィンドウで監視できます。このウィンドウはコントロールルームと独立して開くことができるので、カメラで映像を送っている現場やデバイスのユーザーでも送出している映像をモニターすることが可能です。

3. Grabyoが実現するもの

Grabyoは地球上のどこからでもリアル感のあるLIVEストリーミングの共同制作を実現します。

Grabyoによる映像制作プロセスの恩恵は、Grabyoを操作しているスタッフだけでなく、いま目の前で映像を撮影している現場スタッフにも享受されます。現場の映像がどのようにサブ側に渡されているのか、伝送遅延はどうなのか、画質は十分か、そういった現場とサブとのコンテンツ共有をREMIという技術ワークフローで提供する『リモート制御モデル』がGrabyoです。クラウドベースのリモートプロダクションをご検討中の企業様は、お気軽にお問い合わせください。

当社は、Grabyoの販売代理店です。Grabyoを熟知した専任エンジニアが導入をサポートします。また、当社は動画配信の先端企業として、動画を活用する際に必要な制作・配信・運用に対応しており、お客さまのニーズに応じた総合的なサービスを提供します。

関連サービス

ライブコンテンツの視聴者エンゲージメント最大化に「Grabyo」のサービスページへはこちらから

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