動画を使った社内教育・研修を成功させるポイントとは 【セミナーレポート】

2022.01.21

J-Stream Equipmedia

J-Stream ミテシル

社内教育・研修

動画を使った社内教育・研修を成功させるポイントとは

あらゆる企業において動画を使った社員教育・研修の導入が進み、場所や時間にとらわれない非接触での教育・研修は必要不可欠となっています。一方で、コンテンツ制作・受講者への周知・効果測定など、運用課題も浮き彫りになってきています。
2021年12月9日に配信したウェビナーは「動画を使った社内教育・研修を成功させるポイントとは」と題し、実際に動画を活用いただいている「西川株式会社 様」「株式会社モスフードサービス 様」2社のご担当者さまに登壇いただき、動画活用のポイントを伺いました。

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登壇者の紹介

西川株式会社 人事総務部 
教育・社内情報共有担当 小切山 仁恵 氏

西川株式会社 人事総務部  教育・社内情報共有担当 小切山 仁恵 氏

西川株式会社入社後、百貨店営業、百貨店企画担当を経て、現在の教育担当に従事。社内向けには、全国の販売員教育を担当。教育動画の制作や管理運営を行っている。
社外向けには、日本睡眠科学研究所認定「スリープマスター」として、全国で眠りに関するセミナーや寝具選びのコンサルティング、快適な睡眠環境づくりのアドバイスを行う。セミナー動画の配信などで、ウェブ活用も推進中。

株式会社モスフードサービス モスアカデミー チェーンコミュニケーショングループ 
グループリーダー 藤井 応子 氏

株式会社モスフードサービス  モスアカデミー チェーンコミュニケーショングループ  グループリーダー 藤井 応子 氏

株式会社モスフードサービス入社後、直営店勤務を経て、フランチャイズ加盟店の教育研修に従事。運営マニュアルや教育動画制作担当を経て2011年情報システム部門へ異動。2013年以降、責任者として基幹システムリプレースや全店クレジット決済導入に携わる。2018年より、チェーンメンバー専用動画配信システムやアプリの構築、活用推進、加盟店採用支援を担当。

モデレーター/株式会社Jストリーム マーケティング部
部長 小室 賢一

株式会社Jストリーム マーケティング部 部長 小室 賢一

2004年、Jストリームに入社し、長期にわたり放送局、ポータルサイト、コンテンツプロバイダーの営業を担当。新規顧客開拓部門のマネジメントを経て、現在はマーケティング部門のマネジメントを担当。

1. コロナ環境下における動画活用に関する調査

小室: コロナ環境下で動画活用がどう変化してきたか、簡単にご紹介します。下記スライドは、当社が2021年3月にアンケート調査をした結果です。

調査資料のダウンロードはこちら

「この一年で取り入れた動画活用施策」調査結果

小室: 「この一年で取り入れた動画活用施策はどのようなものですか?」という質問の結果で、社内向け(青い点線囲み)・社外向け(黄色い点線囲み)ともに大きく伸びています。本ウェビナーのテーマでもある「社内向けの教育・研修」は最も伸びていて、取り組まれた企業さまが非常に多かったという結果です。

動画活用施策の良い点についても質問しています。

「動画活用施策の良い点」調査結果

小室: 上のグラフにもあるとおり、「理解度が高まる・伝わりやすい」「時間を選ばない」「静止画よりも雰囲気や人柄が伝わる」といった情報発信する上での動画の特徴を皆さまに体感いただけた一年だったのではないでしょうか。

藤井: このグラフで拝見したようなことはもちろんあります。動画は見る側の効果が高く、お店など現場での教育負担の削減に非常に寄与していると感じています。また、我々のチェーンでは以前から動画での教育を行っていましたが、VHSやDVDなどを使用していた当時は時間も工数も非常にかかっていました。配信プラットフォームを構築してからは非常にスピード感が上がり、運用はかなり効率化していると思います。

小切山: 今までの教育・研修は全て集合形式で、東京オフィスや大阪オフィスに全国から集めて行っていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行で集合しにくくなり動画を活用するようになりました。調査結果のパーセンテージの最も高い、教育・研修に私たちも動画を活用するようになったと改めて思いました。

2. 従業員教育で動画を使うメリット

小室: 続いて、従業員教育で動画を使うメリットについてお話を伺っていきたいと思います。

小切山:  J-Stream ミテシルは動画をアップロードしてオンデマンド配信で視聴できるサービスですが、導入したのは5~6年前です。いろいろなマニュアルのアップロードなどで活用していました。しかし新型コロナウイルス感染症の流行で集合できなくなり、新商品発表展示会に伴う説明会は全て動画に置き換わりました。

新商品発表の説明会では、一つひとつのブランドを1本当たり5分以内の動画にしました。動画にしたことで、今まではその日でないと説明を聞けず、聞き逃したら機会がなかったのが、いつでも見られるようになりました。また全員にその情報が行き渡りますし、分からない部分は何度でも聞き直して復習ができます。新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着いてきて人が集まれるようになったとしても、動画の活用にはメリットがあると会社としても感じています。

教育・研修受講のための移動が不要、隙間時間で動画を視聴

小切山: 今まで1日かけていた教育・研修でも、部分的にオンラインに変わっていっています。集合形式の研修は、全国の販売員さんに東京オフィスや大阪オフィスに出張してもらわねばならず、シフトの関係上なかなか実施できませんでした。動画なら業務の隙間時間を使って見られるので時間の管理がよくなりましたし、出張しなくていいのは非常にメリットが大きいと感じます。

小室: 新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけにオフラインからオンラインに切り替えた企業はかなり多かったと思います。これまでかかっていた移動時間やスケジュール調整が一切なくなるのは、非常に実感しやすいオンラインのメリットですね。
ちなみに、オンラインに切り替えられて、従業員の方々の反応はどうでしたか。

視聴回数が前年度対比632%に伸長、何度も聞き直せるのが良さ

小切山: 新型コロナウイルス感染症の流行以前とその後の比較でいうと、2019年度は年間で約6,300回。2020年度は4万回ぐらいの視聴回数で、前年度対比632%に伸びました。見た人からも「何度も聞き直せるからすごくいい」という声を貰っています。

小室: たくさんの方にご覧いただき、良さも実感いただていますね。

2017年にインナー専用 動画配信サイト「モスチャンネル」をオープン

藤井: 2015年後半、当時私は情報システム部門に所属していました。教育部門から動画を使ったeラーニングをやりたいという要求があり検討が始まりました。その当時は動画配信ができるラーニングシステムがなく、実現にはコスト面で課題がありました。ラーニングシステムとは別で動画配信を考えることにしJ-Stream Equipmediaを採用、2017年6月「モスチャンネル」のオープンに至りました。

コンテンツに加えアクセスのしやすさが再生回数を伸ばす

藤井: オープン後、セキュリティ面にも配慮しつつ、サイトへのアクセスルートを1つから2つに増やしました。その後さらにインナー専用のインストール型のアプリを作ることで、より「モスチャンネル」にアクセスしやすくなり活用も進みました。効果としては次のスライドのとおりです。

藤井: スタートの2017年度は6月からの半期分ですが総再生回数が1万回強、そこから倍々と伸びていき、2020年度は11万5,000回、今期は前期の10月までと比べると150%を超えています。
いくらコンテンツを揃えて見せる環境を作っても、アクセスしにくければ動画活用は進みません。アクセスしやすくしたことで再生回数が自然と伸びていったのは、動画の持つ有用性を示していると思います。

小室: 作って安心するのではなく、動画を視聴しやすい環境をつくり続けてあげることが重要だと改めて感じました。
ちなみに、10万再生を超えて爆発的にアクセスが上がっていますが、今何名ぐらいの方がモスチャンネルにアクセスしているのですか。

藤井: 店舗ごとのIDとオーナーさんが使うIDだと1,000強ぐらいです。その内きちんと見ているのは6割ぐらいになります。システム周りでは活用されているほうだと思います。
また、店長会などでスーパーバイザーがモスチャンネルを使って上映する場合、再生回数のカウントは1回ですが、視聴者は50人ぐらいいることもあります。

小室: よく見られる動画はどんなものでしょう。

藤井: キャンペーン商品の動画ですね。商品開発グループのメンバーにインタビューし、こだわりや開発秘話を伝える動画を制作・公開していますが、それは人気があり、ほぼ常にトップです。

小室: 業務に直結するので必ず見ていただけるというか、視聴頻度が高いのですね。

3. 日々の運用で気を付けていることは?

小室: 日々運用を続けていらっしゃる中で、気を付けている点を伺わせてください。

責任部署ごとに動画アップロードが出来るように設計

藤井: 動画配信プラットフォームに動画を登録する作業を1つの部署だけでやろうとすると非常に負荷が高いです。そこで分散運用をしています。今は常時230タイトルぐらい配信していて、一度公開登録したら変わらないものもありますが、都度の公開要望も結構あります。配信プラットフォームのカテゴリー別に責任部署を決め、その部署に確認して申請フローを回して、責任部署が動画を登録し、公開するという運用になっています。

小室: 情報は常に新しくなり追加されます。無理のない運用体制をつくることはとても重要ですね。

動画に加え、新着情報の発信で情報共有を活性化

小切山: 私のところでは毎月動画を何本もアップロードすることはなかなかできません。展示会の時期に集中して動画をたくさんアップしますが、それ以外に関しては研修動画が半期に1回程度、あとはマニュアル動画を都度アップしています。
見た時に「まだ更新されていない」と思われると見る頻度が減ってしまうので、動画以外の新着情報「何月何日にメディアに取り上げられました」「何月何日に雑誌に載ります」という日々の情報も発信するようにしています。

動画と集合形式、研修コンテンツの使い分け・すみ分け

小切山: 動画活用は進んでいますが、集合形式が完全になくなったわけではありません。いろいろすみ分けしながら研修や社内教育を行っています。
例えば、まくらの接客知識を伝える販売ロールプレイング研修は集合形式で行っています。またライブ配信は、しっかりと今伝えたいことを説明する時や双方向コミュニケーションを重視する時です。オンデマンド配信は、販売マニュアル動画や展示会の説明会動画をアップロードしています。オンデマンド配信なら、振り返りとして見たいと思った時にいつでも視聴できます。

小室: 体制をつくってたくさんのコンテンツを回すこともそうですし、配信の形式の使い分けもやはり運用する中では非常に重要なポイントですね。
ちなみに、モスさんの中でも使い分けをしていますか。

Zoomを使用したオンライン研修も増加

藤井: 新型コロナウイルス感染症流行の影響で、我々教育部門がやる研修とは別に勉強会を行うことが増えました。例えば、スーパーバイザー主導での研修会や、衛生管理の部署やリスク管理の部署の人間が講師となったものです。遠隔地でなかなか研修に来られない店長さんたちもいましたが、一堂に会さなくてもZoomで全員同じ研修を受けられるようになりました。

小室: ありがとうございます。運用の中でも押さえるべきポイントが非常に凝縮されていると思いました。
それでは、最後のテーマになります。今後の展望についてお話を伺ってみたいと思います。

4. 今後の展望

小切山: 社内向けの教育・研修に関しては、リアル・ライブ・オンデマンドそれぞれ特徴を突き詰めて活用し、より効率化も図っていきたいと思っています。
社外向けに関しては「BtoB向けの睡眠セミナー」として、企業で働く従業員の皆さまがいつでもどこでも睡眠に関する知識を得ていただけるよう動画を配信しています。それをさらに発展させていきたいと思っています。

小室: ハイブリッドとも呼ばれていますが、オフラインとオンラインの使い分けは今後どんどん洗練されていくと思います。その辺りの情報提供やBtoB向けセミナーも引き続き当社から支援させていただきたいと思います。

藤井: 店舗側が「こんないい取り組みをやりました」というような動画を投稿できる双方向性のプラットフォームをやりたいと思っています。現時点でも、インフラ面では実現できると思います。しかし管理面では、「この動画は適切か、マニュアルに反していないか」など内容も含め様々な運用懸念が生じます。チェーン全体の運用を見据えた実現の可能性が高まってきたらチャレンジしたいと思っています。

小室: 一方的な発信ではなく、拠点間で動画を共有することで、ノウハウが横に広がっていくと思います。ぜひその辺りも引き続き支援させていただければと思います。
Jストリームでは、動画配信プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」動画eラーニングシステム「J-Stream ミテシル」を展開しています。さらに配信だけでなく、映像制作や支援サービスも含め、企業の皆さまの動画活用を支えていきたと思っていますので、ぜひお気軽にお声掛けください。

それでは、本日のウェビナーは以上とさせていただきます。藤井さん、小切山さん、本日は非常に貴重なお話を頂きまして誠にありがとうございました。

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