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2014.09.17

連載:企業内情報共有の新しい仕組みづくり
クローズドで動画共有するためのインフラ選択|第4回

第3回では、動画制作フローとポイントについてご紹介しました。この後、第4回、5回と2回にわたってセキュアな動画配信を行うためのインフラ面について解説していきます。まず、第4回では、制作した動画をアップするインフラについて、ポイントを解説します。

企業内情報共有で扱われる内容は、プロモーションなどのように社外に広く発信するものとは異なり、社員のみが知ることができる商品に関する情報、事業戦略、自社ならではのノウハウなど、社外に知られたら困る内容が多く含まれています。そのため、インフラ選択に際しては、一般公開されているページに動画が表示されないこと、部外者が視聴できないことが必須となります。

動画配信インフラとして考えられる選択肢としては、
1.YouTubeなどの無料動画配信サービスを利用する
2.自社のWebサーバーを利用する
3.有料の動画配信サービスを利用する
がありますが、企業内での限定配信という今回のような利用シーンにおいては、特に注意が必要です。例えば、YouTubeの「限定公開設定」は、動画のリンクを持つユーザーのみが視聴できる仕組みですが、リンクを転送したり、外部流出した場合は一般にも視聴できてしまいます。また、指定したGoogle+のアカウントユーザーのみが視聴可能な「非公開設定」という機能もありますが、この場合、以前に非公開動画を共有していたユーザーも引き続きその動画を視聴できてしまいます( https://support.google.com/youtube/answer/157177?hl=ja )

企業内情報共有配信の要件として
・社外への情報漏洩がない機密性の確保
・スムーズに動画視聴できること
・マルチデバイス対応
という3つの視点から、「2.自社のWebサーバーを利用する」と「3.有料の動画配信サービスを利用する」を比較しながら解説を続けていきます。



動画配信では、高負荷状態によるパフォーマンス低下に注意

自社のWebサーバーを利用する最大のメリットは、社外秘情報を外部のサーバーに置く必要がないことです。ただし、動画配信ではサーバーが高負荷状態になり、自社のインフラ全体のパフォーマンス低下やサーバーダウンを生じやすいので注意が必要です。高負荷の要因としては、以下のようなことが挙げられます。

・動画ファイルは、画像やテキストと比較してデータ量が大きい(例:3分の1Mbps動画で約25MB)。
・マルチデバイス対応では、デバイスにより動画再生形式や適正ビットレートが異なるため、1収録素材に対して複数の動画ファイルが必要になり、容量はさらに増大する。
・自社のWebサーバーで対応可能な配信方式であるiOS向けの「HLS配信」は、通常のWebページの配信よりは負荷はかなり高いものになる。
・「ダウンロード配信」は、1ファイル分のすべてのデータを一度に配信するので、動画データを受信しながら順次再生するストリーミング配信と比べてサーバーや回線に負担をかける可能性がある。

なおダウンロード配信については、セキュリティ面でも懸念が残ります。この方式では端末に動画ファイルが残りますので、DRM(Digital Rights Management)が未処理の場合は、コピーやファイル転送ができたり、端末紛失で部外者に動画視聴されるリスクがあります(セキュリティ機能については、次回詳細に解説します)。

有料の動画配信サービスを利用した場合は、自社サーバーへの高負荷の心配はなくなります。有料の動画配信サービスの契約形態は、容量やデータ流用、サポート体制などによりさまざまですが、月額1万円以下で利用できるサービスもあります。



有料サービスでは、スペックのほか使い勝手やサポートも重要な判断材料

有料の動画配信サービスの検討に際しては、価格だけでなく実績やサポート体制なども判断材料になります。価格は安いが、「不明点は自力で解決」だったり、「相談しても適切な回答が得られない」「担当者となかなか相談できない」といったことでは、企画運営でつまずいたり、想定以上の作業や手間がかかることもあるからです。

動画配信では、インフラ手配の他、撮影した動画素材をデータ化するエンコード、ファイルアップ、コンテンツ管理などの作業があり、機材やソフト、作業担当者の確保が必要になりますが、上記は外注できます。


動画の運用・管理の手間は極力抑えたいという場合は、Web管理画面上で動画アップロードから配信、動画視聴解析などが一括でできる有料の動画配信プラットフォームサービス(OVP:Online Video Platform)を利用する方法もあります。一例として、当社でも「 J-Stream Equipmedia 」というOVPサービスがありますが、動画のマルチデバイス対応、再生プレイヤーの作成・管理、動画視聴や管理画面へのセキュリティ対応、動画の貼り付けタグや視聴ページの自動生成、視聴解析機能のほか、研修動画など長時間になる動画を早まわしで視聴できるように倍速エンコード機能なども備えており、Web管理画面上で管理・運用を一元化できます(図1)。



【図1】Equipmediaでのマルチデバイス対応状況(2014年9月現在)
pc iPad iPhone Android端末Flash搭載 Android端末Flash非搭載 フィーチャーフォン
配信形式 Flashストリーミング配信 HLS配信(HTTP Live Streaming) HLS配信(HTTP Live Streaming) Flashストリーミング配信 HLS配信(HTTP Live Streaming)

ダウンロード配信(Progressive Download)
モバイルストリーミング配信(端末保存不可)
再生プレイヤー EQ-Flashプレイヤー EQ-HTML5プレイヤー 端末ネイティブプレイヤー EQ-Flashプレイヤー (HLS配信時)端末ネイティブプレイヤー

(ダウンロード配信時)EQ-HTML5プレイヤー
端末ネイティブプレイヤー


OVPの検討では、無料トライアルなどを利用し、実際に管理画面を操作して公開までの一連のフローを試してみることをおすすめします。トライアルでは、求めている機能が搭載されているかに加え、管理画面の使い勝手も十分確認しましょう。管理画面の機能やデザインは各社様々ですが、簡単に・直感的に操作できる管理画面であることが重要です。この使いやすさ次第で、日々の作業時間の効率化に影響してきます。Web初心者でも簡単に操作できるようなものであれば新任者やWeb未経験者でも運用スタッフとして即対応できますし、急な担当者変更があっても引継ぎの手間が少なくて済むといったメリットがあります。

以下図2では、企業内情報共有におけるインフラ候補を比較表にしましたので、参考になさってください。


【図2】企業内動画視聴での配信インフラの比較表
自社Webサーバー 有料動画配信サービス
コスト ◎ Webサーバーであれば大きな追加費用なく開始可能 △ ホスティング費用が発生する。容量やデータ流用によるが1万円以下のサービスも
外部流出のリスク △ 外部サーバーにファイルアップしない点は安心。ただし、動画ファイル漏洩や端末紛失した場合、ダウンロード配信では暗号化やパスワードがかかっていないと視聴できてしまう 〇 目的と予算次第で各種セキュリティ機能と連携させることが可能
スムーズな再生 △ ダウンロード配信は全データを一度に端末に落としてから再生させるため、ストリーミングより再生開始までの時間がかかる ◎高負荷に耐えられるサーバー環境のためスムーズに動画を再生できる。また、ストリーミングはダウンロードより再生開始が速い
公開・運用負荷 △ エンコード、動画アップなどの準備も社内で実施する必要あり。コンテンツ管理なども煩雑になりやすい ◎開始に必要なインフラや機材等は不要。エンコード、動画アップなどを外注することも可能。その他の方法では、OVPを利用すると、Web管理画面上から自身で動画公開、マルチデバイス対応、管理運用ができ、運用効率化を図れる。
サポート △ 社内システム担当者が動画配信に詳しくない場合も多い 〇 会社毎に対応が異なるが、基本的にはプロのサポートが受けられる。また、企業によっては配信だけでなく映像制作やWeb全体に関しても相談が可能
自社インフラの負荷 △ サーバー負荷は確実に増大するため、システム担当との事前相談は必須 ○ サーバー負荷の心配はない。ただし、回線逼迫や、Firewall等を通過できないケースもあるので、社内インフラ担当との事前相談が必要
マルチデバイス対応 ○ 各端末対応のダウンロードファイルを必要数用意すれば可能 ◎ 対応端末やバージョンは適宜更新される


動画配信インフラの選択では、情報共有したい動画の、「対応デバイス」「ファイル数」「配信方式」「動画の長さ」「帯域」「想定同時視聴者数」「セキュリティやLMS(Learning Management System・学習管理システム)などとの連携の有無」等によって細かな判断が変わってきます。まずは上記を洗い出したうえで、サポートの必要性や作業負荷を考慮した最適なインフラ選択を進めていただければと思います。

第5回では、動画配信のセキュリティ機能について解説いたします。

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