2026.08.07

「資料は共有したはずなのに、同じ質問が何度も来る」「マニュアルを整備しているのに、現場で徹底されない」こうした情報共有の課題に悩む企業は少なくありません。Jストリームの調査では、情報の送り手と受け手の間に、大きな認識ギャップがあることが分かりました。送り手は「読めば分かるはず」と高い理解を期待している一方で、受け手の多くは資料を十分に読み切れていないのが現実です。
本記事では、調査結果をもとに、情報共有がうまく機能しない背景と改善のヒントを解説します。
《 目次 》
企業の情報共有では、「資料を作成して共有する」という行為自体がゴールになってしまうことがあります。しかし、本来の目的は資料を送ることではなく、相手に理解してもらい、必要な行動につなげることです。そこで、資料作成者は「分かりやすく伝えよう」と工夫を重ねていますが、その努力が必ずしも理解につながっているとは限りません。
まず注目したいのは送り手側の期待です。調査によると、資料を共有する人の80.5%が「8割以上理解してほしい」と考えています。

企業における情報共有は、多くの場合、重要な判断や業務遂行と結びついています。資料作成者は、誤解が生じないよう配慮しながら、抜け漏れのない正確な情報を届けたいという意識を持って資料を作成しています。こうした姿勢自体は当然であり、多くの担当者が真剣に情報共有へ向き合っていることが分かります。
ここで重要なのは、「伝わらない原因」が送り手の努力不足ではないという点です。調査では、資料作成時に「正確な情報を網羅し、抜け漏れがないようにすること」を強く意識している人が52.6%に上っています。

つまり多くの送り手は、「情報を削る」のではなく「情報を足す」方向で資料を改善しようとしていると考えられます。もちろん、調査結果だけで因果関係を断定することはできません。ただ、現場では同様の状況に心当たりのある方も多いのではないでしょうか。
例えば、想定質問への回答や補足説明、関連情報、注意事項などを追加していくうちに、資料は徐々に長くなっていきます。送り手の立場から見れば親切な改善です。一方で受け手から見ると、読むべき情報量が増えていきます。
つまり、「正しく伝えたい」という送り手の善意が、裏目に出て受け手の「読む意欲」を奪っているのです。
実際の調査結果を見ると、受け手の状況は送り手の期待とは大きく異なります。受け手の32.9%は「資料の半分以下しか読まない」と回答しています。さらに58.2%が「長文資料を読むのは苦痛」と感じていることが分かりました。


これらのデータから分かるのは、「資料を共有した」ことと「内容が理解された」ことは別であるという事実です。
資料を共有しても、後から問い合わせや確認依頼が発生することは珍しくありません。「資料に書いてあるはずなのに、なぜか同じ質問が届く」。この問題の背景には、前章で解説した「資料を送ること」と「内容が理解されること」の構造的なギャップが存在します。
送り手からすると「資料に書いてある内容なのに」と感じるでしょう。しかし、受け手が資料だけで十分に理解できていないのであれば、質問が発生するのは自然な結果といえます。
さらに調査では、受け手の81.6%が、資料だけでは理解できず、後から質問した、または理解を諦めた経験があると回答しています。

この結果は、多くの企業で発生している再質問や再説明、個別フォローの背景を示しています。資料を共有した担当者からすると、「資料に書いてある内容なのに、なぜ質問されるのか」と感じる場面もあるでしょう。
しかし受け手側では、資料を最後まで読み切れなかったり、内容を十分に理解できなかったり、判断に必要な文脈をつかめなかったりする状況が起きています。両者の認識には想像以上の隔たりがあるのです。
ここで注意したいのは、「受け手が悪い」という結論に安易に進まないことです。もちろん、すべての受け手が真剣に資料を読んでいるとは限りません。実際の業務では、大量の情報が日々届くうえ、会議や通常業務にも追われています。さらに優先順位の高い仕事を抱えているケースも少なくありません。
そのため、どれだけ丁寧に作られた資料であっても、テキストだけで十分な理解を実現することには限界があります。これは個人の意識の問題というより、情報伝達の仕組みそのものの課題として捉えた方が建設的でしょう。
情報共有がうまくいかないと、単に質問が増えるだけではありません。担当者による補足説明や個別フォローが発生し、本来取り組むべき業務の時間が削られていきます。さらにこうした状況が続くと、組織全体で生産性低下や属人化といった課題にもつながります。
送り手側の55.7%は、「読めば分かるはずの内容」について質問された経験があると回答しています。

一件一件の質問は小さなものかもしれません。しかし、同じ質問への回答や補足説明、理解度の確認といった対応が積み重なると、大きな工数になります。
調査では、再説明に対して91.1%が負担を感じていることも分かっています。

再説明が頻発すると、「本来業務に使う時間が減る」「担当者の負荷が増える」といった問題につながります。特に組織規模が大きくなるほど、その影響は無視できません。また、質問をする方も、申し訳なさを感じながら質問をしているのではないでしょうか。
情報共有の課題は、単なるコミュニケーション上の問題ではありません。個別に対応する質問対応は小さく見えても、組織全体で集計すると無視できない『隠れ人件費ロス』となります。個人の姿勢を責めるのではなく、情報伝達の仕組み自体を見直すタイミングが来ていると言えます。
ここまで見てきたように、資料そのものを改善するだけでは情報共有の課題を解決できない場合があります。重要なのは、資料の中に書かれた内容だけでなく、その背景や意図、重要なポイントまで含めて伝えることです。そこで注目したいのが、「誰が説明しても同じ内容を届けられる状態」、すなわち説明の再現性です。
情報共有がうまくいくケースを振り返ると、そこには「説明」が存在していることが少なくありません。例えば研修や勉強会、部門ミーティングでは、資料に加えて説明が行われます。聞き手は、どこが重要なのか、なぜ必要なのか、そしてどのように解釈すればよいのかといった文脈まで理解できます。一方で資料だけが共有された場合、その文脈が失われてしまいます。つまり、伝達の質を高めるためには資料だけでなく、説明そのものを届ける工夫が必要になるのです。
調査では、52.5%が「詳細な資料よりもナレーション付き動画の方が理解しやすく記憶に残る」と回答しています。さらに42.8%は「資料を読み返すより動画を見る方が心理的ハードルが低い」と回答しました。


もちろん、この結果だけで動画がすべてのケースで優れていると断定することはできません。しかし少なくとも、「資料だけでは伝わりにくい情報がある」「説明を補完する手段が求められている」という可能性を示していると考えられます。
説明動画の有効性は理解できても、実際に運用するとなると別の課題に直面します。特に多くの企業で聞かれるのが、制作や運用に関する負担です。
例えば、説明動画を制作する場合には、
といった工程が発生します。
制作経験のある担当者であれば対応できるかもしれませんが、すべての部門に動画制作スキルを持つ人がいるとは限りません。また、情報共有で扱う内容は頻繁に更新されます。商品仕様の変更、制度改定、業務フローの見直しなどが発生するたびに動画を作り直す必要があるため、「最初は動画化したものの、更新が追い付かなくなった」というケースも少なくありません。
その結果、古い動画が残ったままになり、最新情報は口頭で補足する運用が増えていきます。そして最終的には、再び同じ説明を繰り返す状態に戻ってしまうことがあります。つまり、情報共有における動画活用では、「動画を作れるか」だけでなく、「継続的に運用できるか」という視点も重要なのです。
では、説明の再現性を高めながら運用負荷を抑えるには、どのような方法があるのでしょうか。選択肢の一つがパワーポイント資料を活用した説明動画の自動生成です。一般的な動画制作では撮影や録音、編集など複数の工程が必要になります。一方、EQ Presentation Cloudでは、既存のパワーポイント資料から説明動画を作成できます。
例えば、
といった流れで、AIナレーション付き動画を生成できます。
重要なのは、動画を作ることではありません。情報共有の現場においては、
ことが求められます。
EQ Presentation Cloudは、ゼロから動画を作るツールではありません。使い慣れたパワーポイント資料を活用し、安全かつ簡単にナレーション付き動画へ変換できる仕組みです。また、共有・配信・分析まで、1つのサービスで完結できます。担当者の再説明コストを削りながら、誰が受け取っても同じ精度で理解できる情報共有が実現します。
情報共有の課題は、「資料が存在しないこと」ではありません。調査から見えてきたのは、送り手と受け手の間にある認識ギャップです。送り手は理解を期待している一方で、受け手は資料だけでは十分に理解できていません。その結果として再質問や再説明が発生し、組織全体の負担につながっています。
資料を共有することではなく、相手に理解してもらうことをゴールに情報共有を設計することが重要です。その際の選択肢の一つとして、資料に加えて説明を届ける仕組みや、動画を活用した情報共有の検討も有効かもしれません。
「資料共有だけでは伝わらない」とお悩みの方へ。ぜひ「EQ Presentation Cloud」をお試しください。30日間の無料トライアルがあります。

※「パワーポイント」「PowerPoint」は米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です
※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です
資料を共有しても質問が減らない理由が分かったとしても、ではなぜ企業では対面や口頭で、同じ説明が何度も繰り返されているのでしょうか。下記記事では、反復説明が生む時間ロスと属人化リスクについて解説しています。
| 調査主体 | 株式会社Jストリーム |
| 調査 | 「送り手」と「受け手」の情報共有ギャップ ~最適な情報伝達フォーマットの考察~ |
| 調査対象 | 情報発信側645名、情報受領側638名 |
| 調査時期 | 2026年3月 |
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