CDNの料金はどうやって計算する? CDN事業者の営業担当が行う計算方法

2022.08.19

J-Stream CDNext

CDN

CDN(Content Delivery Network)は必ずしも高価なサービスではありませんが、月々利用費が発生するので、利用を検討する際には料金は気になるポイントの一つです。今回は、CDN事業者である当社の営業担当が、お客様に対してどのような方法で料金をご案内しているかを元に、CDN料金の考え方や計算方法について解説します。

1. CDNはどのように課金される?

CDNにはデータ転送量、リクエスト数、SSL利用などいくつかの課金ポイントがあります。

■ CDNサービスの主な課金ポイント
CDNサービスの主な課金ポイントの全体像
CDNからエンドユーザーへのデータ転送量を課金根拠に含むサービスが多い

主なCDNの課金ポイントを上図にまとめました。CDN事業者によってこの内の全てが採用される、一部が採用される、あるいはここには無い課金根拠が存在するなど様々です。

2. エンドユーザーへのデータ転送量での課金

CDNサービスの課金ポイントとして、CDNからエンドユーザーへのデータ転送量はほぼ確実に採用されています。
Jストリームが提供するCDNサービスである「J-Stream CDNext」は、CDNからエンドユーザーに対して配信されるデータ転送量のみを課金根拠としています。http/httpsの区別もありません。そのため、CDNの利用を開始する前に、オリジンサーバーからどれくらいのデータ転送が行われていたかが分かれば、その情報を元に費用を算出することが可能です。

コミット型と従量型の違い

CDNからエンドユーザーへのデータ転送量に関する課金については、大きく分けてコミット型と従量型の2パターンがあります。

コミット型と従量型の違いの図

コミット型

コミット型は予め月間のCDNからのデータ転送量をコミットして、コミット値に応じた固定の月額料金を定めるプランです。実績値がコミット値内に収まっていれば決まった月額費用が請求され、超過していた場合は超過ボリュームに応じた超過費用の請求が発生します。配信ボリュームがある程度予想できる場合は、毎月の請求額を一定に保つ運用が可能です。

従量型

従量型は固定の月額料金は定めず、CDNからのデータ転送量1GBあたりの費用を決めておき、その月の配信実績に応じて請求金額を決定するプランです。時期によって配信ボリュームに波がある場合などはこの方法が採用されることもあります。

J-Stream CDNextはコミット型を基本としながら、条件に応じて従量型でのご提案も行っています。以降は、基本的にコミット型での費用算出を前提として解説します。

3. どのようにデータ転送量を計算する?

コミット型にせよ従量型にせよ、費用の算出のためにはCDNを導入した際にどれくらいのデータ転送が発生するかについて調べる必要があります。
もしオリジンサーバーとしてレンタルサーバーなどを利用している場合、サービスの管理画面からデータ使用量として確認できる場合もあるでしょう。その際は月間のOUTトラフィック(GB)が分かると、そのままCDNの見積根拠として利用することが出来ます。

もしGB単位でのデータ転送量はわからないが、ネットワーク監視ツールなどを利用しているのでbps単位の情報なら取得できるという場合であれば、これを費用の根拠として利用することも可能です。

byteとbitの関係

byteはファイルの容量を表します。あるファイルが5KB(キロbyte)だとして、一度配信されると5KB分のデータ転送が発生したことになります。

byteについて説明した図(byteはファイルの容量を表す)

bpsはbit per secondの略で、1秒間あたり何bitのデータを転送したか(転送できるか)を表します。一般的にはデータ転送の速度を表す単位です。例えば5kbpsであれば、1秒間に5kbitの速度でデータ転送を行うことが出来るということを指します。

bpsの説明図(bpsはbit per secondの略で、1秒間あたり何bitのデータを転送したか(転送できるか)を表す)

bpsはデータ転送を行う回線の太さを表すものとして、データが通るパイプの太さ細さに例えてよく図示されます。パイプが太ければ太いほど、一度に転送できるデータ量も増えるので、転送速度も上がるということです。
上の図は、1秒間に5Kbitのペースでデータ転送が出来る回線と、1秒間に20Kbitのペースでデータ転送が出来る回線について示しています。

bpsは速度ばかりでなく、その時どれくらいの容量のデータ転送が行われていたのかという観点でとらえることも出来ます。例えばあるインターネット回線において、ある時5kbpsのトラフィックが発生していたとすれば、その時は1秒間に5Kbitという容量のデータ転送が行われていたという考え方です。

ネットワーク監視ツールなどでbpsに関するログ情報を見てみると、この時間は/この日は/この週は/この月はこれくらいの速度でデータ転送を行っていた、というように、特定の期間について、「この時これくらいの速度でデータ転送を行っていた」という情報が残っています。この中から「今月は平均してこれくらいの速度でデータ転送を行っていた」という月間平均の情報があれば、これをCDNの課金根拠の計算に利用することが可能です。

bpsの値を用いたデータ転送量の計算

byteとbitはどちらもファイルの容量を表す単位で「1byte=8bit」という関係にあります。つまりbpsで表されている数値をbyteに変換して、1秒間に何byteのデータ転送が行われていたかという数値を算出することも可能ということです。この考え方によって月間のデータ転送量を算出します。

【大前提】

  • 1byte=8bit

【例】

  • 月間平均800kbps

【計算の考え方】

  • bpsはbit per second(1秒間に何bitの速度でデータ転送されているか)
  • 800kbpsをbyteの単位に直すことで、1秒間に何byteのファイル転送が行われていたか計算する(a)
  • 1カ月は何秒か計算する(b)
  • aとbを掛ける

上の計算を実際に行ってみます。
※便宜上1KB=1,000byteとして計算しています。

まず月間平均800kbpsなので、これを8で割ることでbyteの単位に直すと100KBになります。つまり当月は平均して、1秒間あたり100KBのデータ転送が行われていたことになります。

次に1カ月は何秒か計算します。この計算は単純です。今回は1カ月を30日間として計算します。

60秒×60分×24時間×30日間=2,592,000秒

ということで1か月間の秒数が分かりました。

1秒間あたりのデータ転送量と、1カ月の秒数が分かったので、これを掛け合わせてみます。これにより、1か月間に何byteのデータ転送が行われていたか算出することが出来ます。

100KB×2,592,000秒=259,200,000KB=259.2GB

byte単位での情報が分からない場合でも、このように月間平均のbpsの値からbyte単位でのCDN課金根拠を算出することが可能です。

4. データ転送量が分からない時は?

上記の方法でデータ転送量が算出できない時には、より大雑把な計算で目安の数値を算出します。CDNの導入を検討するWebサイトに対してアクセス解析ツールなどを導入している場合、Webサイト閲覧者数×Webサイトの容量によって、想定されるデータ転送量の算出が可能です。

【例】

  • Webサイト閲覧者数(PV):10,000
  • 対象サイトの総容量:3MB

10,000×3=30,000MB

これは非常に大雑把な計算方法なので、他に算出の手段がない時のための参考として利用するのが良いでしょう。また現在公開しているWebサイトではなく、これから公開するWebサイトのデータ転送量を計算しなければいけない場合も、予想されるサイト閲覧者数とWebサイトの総容量を掛けて参考数値を算出することがあります。

5. データ転送量 計算時の注意

CDNはドメイン単位で導入されるサービスです。例えば「www.stream.co.jp」にCDNを導入した場合はこのドメイン配下の全てのコンテンツがCDNから配信されることになります。Webサイトのトップページだけでなく、「www.stream.co.jp/abc」も「www.stream.co.jp/123/456/789」もCDNから配信されることになるので課金対象になります。Webサイトの閲覧者数によってデータ転送量を計算しようとする時は、主に配信したいWebページだけでなく、Webサイト全体の容量と閲覧者数を考慮する必要があることに注意してください。
反対に、例えば画像だけは「img.stream.co.jp」などドメインを分けて運用している場合は、このドメインもCDNからの配信対象として設定しない限りはCDNからのデータ転送には関わりません。

以上、CDN事業者である当社の営業担当が、お客様に対してどのような方法で料金をご案内しているかを元に、CDNの料金の考え方や計算方法について解説しました。

J-Stream CDNextは最短1カ月からご利用頂けるサービスです。実際にかかるデータ転送量の目安が予想できない方は、試しに1カ月間ご利用頂いて、以降の期間についての費用算出の参考にすることも可能です。お客様に対して専任の営業担当と、経験豊富なエンジニアにより最適な利用方法をご提案します。お気軽にお問合せ下さい。

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