2021.03.08
デジタル技術を利用した学習形態をeラーニングと呼びますが、黎明期のeラーニングは、CDやDVDなどの教材で学習する形態でした。今では、インターネットの高速化など、ICT(情報通信技術)の発展に伴って、ライブ映像や録画動画などで学習する形態へと進化しています。
インターネット環境とパソコンといった端末さえあれば、時間や場所を選ばず学習できるようになったため、企業内の社員研修、教育機関の授業、資格講座などで幅広く活用されるようになりました。
このeラーニングで、受講者が学習しやすい環境を提供したり、講師や人事・教育担当者などが効率的な運用を行えるよう支援したりする機能を搭載したシステムがLMSです。
ここでは、eラーニングを導入する際に知っておきたいLMSの基礎知識を、わかりやすく解説します。
《 目次 》
LMSとは「Learning Management System」の略語です。日本語では学習管理システムといい、eラーニングで学習するために必要なさまざまな機能が搭載されています。
インターネットを利用していない黎明期のeラーニングでは、例えば、教材のCDやDVDを配布しても受講者がきちんと学習しているのか、学習理解度はどれくらいかといった受講状況の把握は困難です。しかし、現在のeラーニングでは、学習の進捗や成績をLMSでリアルタイムに把握することが可能になりました。
一般的なLMSが搭載している機能には、受講者が学習するための学習機能だけでなく、講師や教育担当者などの運営管理者をサポートする機能があることが大きな特徴です。続いては、LMSの主な機能を見ていきましょう。
LMSでは、受講者の登録や、登録データの変更・削除が可能です。また、受講者がシステムへログインして講座を選んだり、受講講座を申し込んだりする機能もあります。
LMSには、動画やスライドなどの学習教材を管理する機能があります。教材の登録や削除、公開時期の設定、受講順序の設定などができます。受講者の学習の進捗や学習レベルに合わせて教材を割り当てることも可能です。
LMSには、受講者が動画やスライドを閲覧した学習履歴を確認できる機能があり、管理者も閲覧可能です。また、受講者がテストを受けたり、レポートを提出したりすることもできます。テストの自動採点、講師や教育担当者による評価とフィードバック、質問への回答などが行え、受講者の成績を総合的に管理します。
管理者が受講者の成績を集計したり、講座全体の統計を分析したりする機能がLMSにはあります。これにより、受講者の学習ペースや苦手分野などを把握でき、個人指導に活かすことが可能です。
LMSには、受講者同士や、講師と受講者のコミュニケーションに利用できる掲示板やチャットを設置できる機能があります。また、受講者へのお知らせや試験結果などを、メールで通知することも可能です。
学習管理以外に、さまざまな機能を持つLMSですが、eラーニングにLMSを導入した場合にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
続いては、受講者と、講師や運営管理者それぞれの立場から見たLMS導入のメリットを解説しましょう。
受講者から見たLMS導入のメリットには、次のようなものがあります。
LMSならオンラインで受講できるため、インターネット回線があるところなら場所を選びません。また、ライブ配信ではなく、録画配信方式であれば受講する時間も選びません。
LMSで、学習の進捗や自分の成績を、リアルタイムに知ることができます。これにより、受講者は自分自身の成長を実感しやすく、モチベーションの維持につながります。
LMSは、学習理解度やカリキュラムの進捗度合いを効率的に把握することができるため、自分の苦手分野を繰り返し学習したり、講師や教育担当者からの指導をリアルタイムに受けたりして、理解度に応じて自分のペースで学習することが可能です。
掲示板やチャット機能があるLMSでは、受講者同士や講師とのコミュニケーションがとりやすいこともメリットです。学習内容の質問や学習の進め方に悩んだときなどに指導を受けたり、情報交換をしたりすることもできます。特に企業内では、社員同士の交流が生まれて、社内の人脈・ネットワークの活性化も期待できるでしょう。
講師や運営管理者から見たLMS導入のメリットには、次のようなものがあります。
LMSなら、受講者一人ひとりの学習の進捗や成果をリアルタイムに把握できるため、その時点での学習効果に応じたきめ細かな指導が可能になります。学習成果などから苦手分野などがわかるので、受講者に対して個別指導もしやすいでしょう。これにより、効率的な学習管理運用ができ、より高い学習効果が期待できます。
また、企業内の研修に利用している場合には、新入社員向け、中途入社社員向け、管理職向け、異動先の部署向けなど、社員一人ひとりの状況に応じた柔軟な研修カリキュラムを組むことができ、適正な人材育成や人材配置につなげることも可能です。
受講者の人数が多くなるほど、受講状況の把握や教材配布、受講者への連絡といった運営負担が増します。LMSの機能を活用すれば、オンライン上で一元管理できるため、作業時間の削減や運用の効率化を図ることができます。
録画配信であれば、学習用の動画を一度制作すれば繰り返し配信でき、何度も講義を行う必要がなくなります。特に、企業などで講師役が社員の場合、講師役社員の負担軽減へとつながります。
LMSなら、多くの受講者に均一の学習内容を同時に提供できるため、講師や時期によって教育内容のムラが生じにくいというメリットがあります。企業内の研修に利用している場合には、均等な学習機会の提供によって、スタッフ間での知識や認識の差が縮まることが期待できるでしょう。
研修や学習を効率的に運用できるLMSですが、ここで、LMSを使ったeラーニングの活用事例を見てみましょう。
企業にとって不可欠な人材教育。在籍年数や所属する部門、勤務地が異なる従業員を多数抱える企業では、LMSによるeラーニングは最適といえます。
新入社員、管理職、幹部候補など、それぞれの職位に応じたカリキュラムの運用が可能なほか、新規オフィス開設時や新規加盟店舗への人材教育を行う際に、効率的な学習環境の提供と運用管理が可能です。
動画を用いたeラーニングであれば、文字だけでは伝わりにくい内容を映像でわかりやすく学習することができます。接客業や飲食業などでの接客指導、調理のコツといったマニュアルを教材として用意することで、業務理解が深まったり、サービス水準の向上につながったりします。
LMSは、単なる学習管理システムという存在から進化し続けています。トレンドとしては、提供形態の変化でしょう。
これまでは、社内のサーバーにシステムを構築する「オンプレミス型」が主流でしたが、現在はソフトウェアベンダーが提供する、サーバーを利用した「クラウド型」へと移行しています。クラウド型のLMSには、下記のような特徴があります。
高速なインターネット回線やLMSの進化により、eラーニングの実用性は高まり、企業研修や教育分野などへの活用が注目されています。特に、2020年の新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、従来の対面での集合研修が難しくなり、企業や教育機関の中には、オンライン研修やオンライン学習に切り替えるところも多くなっています。
自社でeラーニングを導入する際には、受講者の学習効率を高め、運用管理者の負担も軽減するLMSの機能を上手に活用した運用がおすすめです。
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