ケーブルテレビ株式会社
株式会社Jストリーム
ケーブルテレビ株式会社(本社:栃木県栃木市、代表取締役:髙田 光浩、以下ケーブルテレビ)と株式会社Jストリーム(マザーズ:4308 代表取締役社長 石松 俊雄、以下Jストリーム)は、インターネットトラヒック流通の効率化のために、日本で初めて行われるオープンキャッシングの実証実験※1を実施しますのでお知らせいたします。
概要
我が国のインターネットは、通信事業者およびコンテンツ事業者が首都圏への地理的な集約を伴って発展してきた歴史的な経緯から、「トラヒック交換拠点の東京圏、大阪圏への集中」という構造的な問題を抱えています。そして、この問題は、「災害時における通信の脆弱性」や「都市部と地方における通信品質の格差」という課題を発生させます。さらに、近年、我が国のインターネットトラヒックは、年間2割程度のペースで増加してきており、2020 年においては、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための在宅時間増等に伴い、前年度比約6割程度の増加が確認されています。
今回の実証実験は、「地域にトラヒックの交換拠点を形成し、地域のISPのトラヒックを集めるとともに、そこにコンテンツ事業者を呼び込むことで、 地域分散型のネットワーク構造への移行を行い、我が国のインターネット全体としての効率性や安定性を向上させる」ために「地域にある集約ISPに(HTTPSを含む)共用キャッシュを配置し、その効果を測定する」ことを含みます。
これに対し、集約ISPに配置する共用キャッシュの一つとして「オープンキャッシング」※2と呼ばれる新しいシステムを導入し、検証します。この検証は、国内における同システムに対する初の公開実証実験となります。
実証実験概要
1.実施場所
ケーブルテレビ株式会社 栃木センター(栃木県栃木市)等
2.実験内容
オープンキャッシング用のサーバ設置
オープンキャッシングによるストリーミング配信
ストリーミングQoEによる効果測定
3.実験期間
2021年11月1日~12月31日(予定)
※1 実証実験について
本実証実験は、総務省が2021年5月に公募した「トラヒック流通効率化に向けたHTTPS通信キャッシュ活用型集約ISPに関する調査研究の請負(調達番号:0049-0099)」において、ケーブルテレビ株式会社が同省から請負人に選定されたことを受け、この請負業務の一環として実施されます。ケーブルテレビ・Jストリームはこの実証実験において、CDN事業者としてのシステム設定およびストリーミングQoE※3視点からの効果測定を行います。
※2 オープンキャッシング
ISPとCDN事業者の新しい形の協力モデルであり、ISPが設置したキャッシュサーバを、CDNの共用型キャッシュサーバとして使用するモデルです。米国の業界団体であるStreaming Video Allianceが標準化をすすめています。
※3 ストリーミングQoE
ユーザ視点で動画ストリーミングの受信状況を計測する手法です。過去の実証実験では配信品質等の指標しか計測されていませんでしたが、今回はユーザ視点での効果測定も行います。
Jストリームは、これからも国内ネットワークトラフィックの流通効率化を目指し、新技術の検証・導入に積極的に取り組みます。