JストリームBlog

J-Stream Blog

2016.09.13

グローバル企業を中心に導入が進む「マルチCDN」の概要と代表的なユースケース

CDN(Content Delivery Network)が登場してから15年が経過し、現在では個人のブログサイトでも利用されるまでに裾野が広がりました。この過程でCDN自体も進歩しており、セキュリティを強化した「セキュリティCDN」や複数のCDNを最適に使用する「マルチCDN」などが登場し、世界中で既に多くの導入実績を残しています。
今回は、進歩したCDNの1つである「マルチCDN」について概要を解説します。

 広義の「マルチCDN」とは、“複数のCDN事業者と契約すること”です。グローバル企業を中心に、特定のベンダーへの依存を回避するベンダーロックインの排除や障害対策等を目的とし、複数のCDN事業者と契約を結ぶことは広く一般的に行われています。実際に、2014年にDan Rayburnが行ったグローバルなアンケート調査によると、大口のCDNユーザー(年間契約250,000US$以上)の半分以上が複数のCDN事業者と契約しています (https://tech.jstream.jp/blog/cdn/multi_cdn/)。ただし、この調査結果には、手作業でCDNの切り替えを行っているユーザーも含まれています。

狭義の「マルチCDN」とは、“契約している複数のCDNから最適なCDNを自動的に選択するサービス”のことです。マルチCDNサービスでは多くの場合、国ごとやISPごとに最速のCDNを選択するために使われています。この選択を行うためには複数のCDNや自社設備を客観的かつリアルタイムに計測することが必要になり、マルチCDNサービスを評価する重要なポイントになります。また、この計測機能だけでも、配信状況をリアルタイムに把握するための強力なツールになります。

視点を変えると、狭義の「マルチCDN」は、契約している複数のCDNをひとつのCDNと見立て、配信ネットワークのカバレッジを広げ、より最適な配信を行うことができるサービスと言えます。
上記以外にも様々なユースケースがあり、ここでは代表的なものを紹介します。

最速(前述)
最も速く配信できるCDNを選択します。

パフォーマンス制約のもとの最安CDN
あるパフォーマンス制約(例:平均配信速度がxkbps以上)のもとで、最も安いCDNを選択します。速度よりも費用が重要な場合に有効です。

国別切り替え
国単位で使用するCDNを切り替えます。利用シーンとしては以下のようなものが考えられます。
 ・法規制(中国ICP規制)がある場合
 ・コンテンツの配信先規制がある場合(映画など)

バックアップ
定常利用しているCDNがダウンした場合に、バックアップCDNを選択します。次のようなCDNの組み合わせが考えられます
 ・定常利用CDN:安価だが安定性にかけるCDN
 ・バックアップCDN:安定している完全従量のCDN

オーバーフロー
定常利用しているCDNの利用量が超過した場合に、セカンダリのCDNを選択します。次のようなCDNの組み合わせが考えられます。
 ・定常利用CDN:超過料金の高いCDN
 ・セカンダリCDN:完全従量のCDN

バースト
定常的には自社配信設備を利用し、バーストトラフィックの発生時のみにCDNを使用します。次のような組み合わせになります。
 ・定常利用:自社配信
 ・バースト時:CDN

 このように、マルチCDNサービスは多様な用途で利用され、既に多くの企業で導入が進んでいます。特にグローバル企業や配信速度・障害が業績に大きな影響を与える企業では、安定的な配信パフォーマンスを維持するための強力なツールになりえます。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連サービス

関連記事

電話でのお問い合わせは

0120-65-8140

TEL03-5765-7000

(受付時間:平日9:30-18:30)

電話でのお問い合わせは
0120-65-8140